第七十九話
「トリック・オア・トリートなンだわ!!」
「ハロウィンパーティーだ、イエーイ!」
私達はかぼちゃの仮装をして陽気にはしゃぐ。
「……吸血鬼がハロウィンパーティーではしゃぐのもなんだかおかしな話だよね」
そんな姿を尻目にしずくちゃんは机の上からジト目でボソリと突っ込みを入れ。
「そうその通り。ハロウィンといえばキリスト教の聖人に祈りを捧げるお祭りなのです。『吸血鬼』が祝っていいものではありません。むしろ、私が祈られるべき祭りなのです。崇められるのもめんどくさい話ですが」
ローレライさんは椅子に座り、紅茶を啜りながらうんちくを告げる。
言わんとしていることは何となくわかるのだけど、あなたもう『聖女』辞めたのでは。
むしろこんなめんどくさがりの元『聖女』を崇める人なんてそんなにいないと思うけれども。
「それはそうと、遥香ー? とりっく・おあ・とりーと?」
私は両手をわきわき、ハロウィン仕様のメイド服姿の遥香に近づく。
「はいはい、トリート、トリート。お嬢様も、カーミラもお菓子いっぱいですよ」
そう言いながら、うめえ棒を手に持った籠から次々に投げつけてくる。
痛い痛い、痛いっ!!!
私とカーミラは次から次に顔面目掛けて飛んでくるうめえ棒から身をかわす。
わ・た・し・は!!
そんなお菓子より!!
トリートよりも!!
トリックの方がしたいの!!!
「私はいたずらがしたいの!!!」
そう声を大にして言い放つ。
そう、今日は公にいたずらして回っていい日なのだ。
だから私は女の子にいたずらしたい!!!
ちょっとえっちないたずらがしたい!!! (ちょっとかは分からないけど)
カーミラも同じ考えだったらしくお菓子には目もくれず、遥香の死角に潜り込んで。
私に遥香の注意が向いてる隙に遥香の背後から抱きついていた。
「はぁ……遥香のふとももはむちむちでピチピチなンだわ」
「ちょ、カーミラ!!やめなさい!!」
遥香は太ももに顔を埋めているカーミラを振りほどこうとするけど、がっちりと掴んで離さない。
しかし、その間に私もカーミラに続いて遥香の肢体にとりついて。
「うへへへへ……。遥香のふかふかは柔らかいなー……」
そのお胸の大きなふかふかを揉みしだく。
「ちょっと、お嬢様!? そんなに激しく……」
遥香は顔を真っ赤にしながら一生懸命私たちが与える快楽から逃れようとするけれど。
私とカーミラは言葉も交わさず、アイコンタクトで遥香を床に押し倒し。
それぞれ、ふかふかのお胸とむちむちの太ももの感触を楽しんでいた。
「はぁ……とってもいい香り。この匂いはラベンダー? 遥香、香水変えた?」
「う……。んーーー」
私の問いかけに遥香はコクコクと必死にうなずく。
えへへ。
やっぱり、感じてる時の遥香の顔、可愛い。
そう思いながら私は遥香の体に手を這わせる。
カーミラも太ももに顔を埋めながら遥香の体をさわりまくっていた。
そして、やがて。
抵抗していた遥香の体がビクンと跳ねて、急におとなしくなった。
「お、もうイっちゃった?」
「うへへへ。まだまだ、これからなンだわ」
私達はニヤリとほほ笑みながらなおも遥香の肢体を味わおうとすると。
スパン、スパーンと、小気味のいい音が部屋に鳴り響いた。
「もう十分楽しんだだろう。私の『主』を開放しろ」
しおりがスリッパを片手に私たちの頭を痛快に連撃した。
い、痛い……。
ちょー痛いんですけど。
私とカーミラは頭を押さえてうずくまっている隙に。
しおりは私たちの魔の手から、自分の『主』を救出する。
「何で、ここの『吸血鬼』さんたちはこんなに百合百合するのが大好きなんでしょうね。まぁどうでもいいですけど」
元『聖女』はそんなことを言いながら私達を見つめ、優雅に紅茶を飲んでいた。
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