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『吸血姫様』は百合百合したいっ!!  作者: 牛
第二章 『百合百合』させて?
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第七十一話

 

 それは遥香に襲われた日のことだ。


 あの時、しずくちゃんの能力は飛躍的に上昇していたんだっけ。



「つまり『眷属』と契ることで『存在』を回復させることができるってこと?」


「正解です。のぞみ様。というわけで、思う存分、百合百合しちゃって『存在』を回復させてください」


「それはそれで嬉しいんだけれども……それじゃカーミラはどうなるの?」


「『眷属』のいないカーミラは諦めてください」


「いやいやいや、それは冗談ですよね? ローレライさん」


「いえ、普通に真面目に言ってますよ。冗談なんてめんどうくさい」



 はいはい、そう言う人でしたね、あなたは。


 とりあえず、私達が『存在』を回復できる方法が見つかったのは良いことだけど。


 カーミラだけは『存在』を回復できないのは……。


 うーん……私としずくちゃんの組合せで『存在』が回復できるのなら、カーミラとしずくちゃんの組合せでも行けるのでは……。



「のぞみ様。この行為はあくまで主従関係がないと成り立ちません。カーミラとしずくではダメなのですよ」



 私の思考を読んだかのような適切な解説に私はぐんにょりする。


 そうしたらカーミラ、完全に積んでるじゃないか。



「カーミラは『始祖』ですからね。それ相応の『従者』が必要なんですよ。めんどくさい話ですね」



 ローレライさんの言葉を聞いてカーミラは無言で席を立ち自分の部屋へと戻って行ってしまった。


 カーミラはしずくちゃんを慕っているけれども、しずくちゃんはカーミラに対しての従者ではない。


 あくまでしずくちゃんは『姉』ポジなのだ。


 私にとってカーミラは小憎たらしい幼女『吸血鬼』だけれども。


 でも、それでも……。



「しょうがないなぁ……」


「また、何か、ろくでもない事を考えてますね? お嬢様」



 遥香の言葉に、私はフフリと笑みを浮かべながら。



「まー、私は、自分がやりたいことをやるだけだよ?」


「しょうがないですね。今回ばっかりは大目に見ますよ」


「お互いに、ね」



 そう言って私と遥香はクスリと笑みを交わした。


 相変わらず、私は馬鹿なんだなぁと思う。


 けれども、それが私なのだからしょうがない。

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