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『吸血姫様』は百合百合したいっ!!  作者: 牛
第二章 『百合百合』させて?
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第六十六話

 夏の日差しもだんだん弱まってきた昼下がり。


 私と遥香は例にもよっていつものカフェに出かけて息抜きをしていた。



「だから、本当に馬鹿なんじゃないんですかね? 女の子なら誰でも良いんですか?」



 もう何度目だろうか。


 遥香にこんな風に罵倒されるのは。



「そういわれてもなー……」



 手元のアイスティーの氷をカラカラとかき混ぜながら考える。


 私が女の子とイチャイチャ百合百合したいのは止められないのだからしょうがない。


 私は可愛い女の子とイチャイチャしたい、したいんだよ!!!


 それをさせてくれない張本人に言われても説得力がないというものだ。



「世が世なら、ナイトプールに行って可愛い女の子とイチャイチャしたいのになー」



 なんて欲望丸だしな発言を呟いていた。



「お嬢様にそんなコミュニケーション能力ありませんよね?」



 そんな呟きに遥香は半目で私を見つめながら答える。



「そういえばそうだった……」



 私はまともな友達が一人しかいないくらいのコミュ障お嬢様。


 ナイトプールに行ってもまともに会話できるとかなんてまず無理だろう。


 はぁ……。



「それに、かわいい女の子なら私だけでは不満ですか?」



 そういって遥香は私の傍に寄り添ってきて上目遣いでみつめてくる。


 え? え? いいの? 今、イチャイチャして良いの?


 しかしここは天下の往来。


 そんな場所で百合百合な事なんて……。


 ふと辺りを見回すと人っ子一人いない。


 これは一体―――。



「ちょっと遥香、何かおかしくない?」


「何がですか? お嬢様」



 その言葉を紡ぐ遥香の瞳は何処か虚ろで……。


 ってー、またあなた操られてるでしょ!!


 ホントに何でこんなに精神干渉に耐性が無いのかこの子は。



「お嬢様、お嬢様ぁ……」



 私が焦る様子に気にも留めず遥香は私を求めてくる。


 お気持ちは嬉しいけれど―――。


 私は遥香の首に充て身を食らわせて気絶させてあげる。


 今は邪魔だから気絶しててね。



「あらあら。せっかくイチャイチャさせてあげようと思って結界まではったというのに。めんどくさい人ですね」


「私からしたら、あなたの方がよっぽどめんどくさい人なんだけれども」



 私の胸に倒れ掛かっている遥香を椅子に座らせてあげて声のした方を見やるとそこには、ニコニコと満面の笑みを浮かべた『聖女』が立っていた―――。



縮小連載ですが続けます。

楽しんでいただければ幸いです!

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