第六十五話
私の横で眠るカーミラのふにふにの柔肌を抱きしめながら、私は切に意見を述べる。
「幼女は夢を与えるべきなんだよ!!」
握る拳に力を込めながら私は力説する。
「はぁ……」
私の言葉をドールハウスのテーブルに頬杖をついて聞いていたしずくちゃんはため息交じりの相槌をする。
「幼女は夢、幼女の素肌はモチモチでふにふに。幼女は夢の塊!」
「……先輩、とりあえず、色んな人にごめんなさいしようか?」
「何言ってるのしずくちゃん、これは常識だよ!!」
「……常識とは?」
常識かー。
この私にそれを聞いちゃうかー。
「私にとっての常識は、女の子と百合百合したい、だよ!!」
「聞いたボクが馬鹿だったよ、先輩……」
しずくちゃんは、盛大にひとつはぁと大きなため息をつくと自分のベッドの上に歩いていき。
「それじゃ、カーミラのことはよろしく、先輩」
手をひらひらと振ってしずくちゃんは寝床につく。
え、いいの?
私にカーミラのこと任せちゃって本当に良いの? 大丈夫?
そんな事を思いつつ、じゅるりとでてくるよだれをふき取り私はカーミラの柔らかな肢体を楽しむことにした。
寝息をたてるほっぺたを軽くつつくと、ぽよんと肌が跳ね返ってくる。
おお、モチモチお肌だ。
ゆっくりとほっぺた触りながら、つつとさわる指を次第に体全体へと移していく。
うわー、本当に柔らかい。
めちゃくちゃ柔らかい。
カーミラの柔肌に感動を覚えながらさわる手に次第に力がこもっていく。
私はカーミラの身体に夢中になってその柔らかさを堪能しつつ。
カーミラの体に顔を寄せ、その匂いを嗅ぐと、牛乳のような匂いが鼻腔をくすぐる。
カーミラの身体も次第に熱を帯びていき、その口からは荒い吐息が混じり始める。
そして。
「……なにしてるンだわ、のぞみ」
カーミラが目を覚ました。
思いっきり冷めた目をしている。
「カーミラは百合百合したいンだわ! されたいわけではないンだわ!!」
そして、そんな難しい事を言い始めた。
「いやいやいや。百合百合するのも、百合百合されるのも一緒じゃない?」
私はカーミラのいう事に対して反論を試みるものの。
「百合百合するのと、されるのはちがうンだわ! カーミラは百合百合したいンだわ!!」
難しいこと言うなぁ、カーミラは。
別に百合百合するのもされるのも百合百合するのは一緒なんだから良いじゃないか。
「じゃあ、私と百合百合しようよ、カーミラ」
「カーミラはしずくお姉ちゃんと百合百合したいンだわ。のぞみとはしたくないンだわ」
カーミラはそう言うとパタパタと部屋を出て行ってしまった。
むー……残念。
でも、幼女(吸血鬼)の体を好き放題にするのも良かったなぁ……。
あの背徳感が溜まらないよね。
へっへっへ……。
また、カーミラが寝てたらいたずらしよっと。
「先輩、それ犯罪だからね?」
しずくちゃんに思いっきり釘をさされてしまった。
というか、また声に出してしまっていたか。
そんなことより、まだ寝てなかったのかというのもあったのだけれど。
「どこから起きてたの? しずくちゃん……」
「全部。ばっちりと見てましたが、何か?」
「あ……すみません」
私は思わず反射的に謝ってしまう。
こういう時は素直に謝ってしまうのが得策だ。
三十六計、謝るにしかず。
これ、私の格言である。
「先輩、カーミラがいくらアラ10だって言っても、幼女は幼女だからね? 犯罪だよ?」
「……はぃ」
「今後、カーミラにえっちなことはしないこと。分かった?」
「はーい……」
なんだろう。
どうして私は『従者』の『眷属』にこんな扱いをうけているのだろうか。
私は百合百合したいだけなのに!!
理不尽だー!
理不尽すぎる!!!
「代わりにしずくちゃんが、百合百合してくれるんだよね?」
私は期待を込めた眼差しでしずくちゃんを見返す。
「そ、それは……カーミラが見てるから駄目だよ?」
「最近いつもそればっかりじゃないーーーーー!!!」
もうその台詞は聞き飽きたんだよ!!
私は、しずくちゃんと百合百合したい!!
カーミラが来る前みたいに、いっぱい百合百合したいのおおおお!!
遥香は遥香で百合百合させてくれないし!!
私は今、百合に飢えているのだ。
言うなれば百合に飢えた狼さんなのだ。
だから、あんなことやこんなことだってできちゃうよ!!
「先輩、目が怖いから……」
「だってだって!!」
「はいはい、百合百合したいなら、そのうちね」
「そのうちっていつっ!!!」
「カーミラがいない時、かな?」
「うぇー……」
それって当分ないってことじゃないかー。
私は思いっきり落胆した顔をしていると。
しずくちゃんは寝床からふよふよと私の元へと飛んできて。
「だから、今はこれで我慢してね」
私の口を抑えるように、ゆっくりと口付けを交わす。
真っ赤になったしずくちゃんの顔が私の両目を捉えて離さない。
「あ……はい……」
私はしずくちゃんのその行為に素直に従うしかなかった。
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