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『吸血姫様』は百合百合したいっ!!  作者: 牛
第一章 『百合百合』したい。
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第二十四話

「やっぱり高校デビューするよ!!」


「……またですか」



 私の言に遥香は呆れたという声をあげる。


 何も考え無しに高校デビューすると言っているわけではない。


 私は交友関係を広めるべく高校デビューを果たすのだ。


 私は吸血鬼なのだから『魅了』の力を使えば友達だってすぐ作れるのだ。


 そしてゆくゆくはハーレム姫に……。


 じゃなかった。


『偽人』化した『人間』を元に戻して見せる。


 その為の『高校デビュー』なのだ。


 この案にしずくちゃんは渋々とだが従ってくれた。


 しかし。



「ほんとに頭の中、ふかふかになっちゃったんですか? 残念なお嬢様ですね」



 遥香は速攻で罵倒してきた。


 言うと思ったよ。


 でも私の意志は固いんだ。


 だから、私はその強い意志を示すために、遥香のそのふかふかのお胸を揉んでやった。


 入念に入念に、揉みしだく。



「ちょ、駄目、お嬢……さ……ま……」



 駄目と言いながらいつもの様に感じている遥香の体を私は堪能する。


 胸から腰へ、腰から太腿へ。


 ありとあらゆる遥香の肢体を堪能して。



「ッ……んッ……!!」



 遥香は高みに達して、崩れ落ちる。


 私は自分の手についた遥香の粘液を舐めながら。



「私は何て言われようが高校デビューするから!!」



 そう強く言い放った。



「……本当に残念なお嬢様ですね……」



 目尻に涙を浮かべながら遥香は私の事を罵倒する。


 フ……そうかそうかーこのふかふかメイドはもっと分からせてあげないといけないらしい。


 私は手に残る遥香の粘液を潤滑油にして、遥香が感じるところを更に攻め上げる。



「ん……ぁ……イッたばかりだから……駄目っ……ッ」



 私が攻め始めて数秒ですぐさま遥香は再び達してしまう。


 遥香が立っていた場所は大きな染みができてしまっていた。



「……本当に私をこんなにも辱めて楽しいんですかっ!!」


「うん。とっても楽しい♪」


「どうしようもなく、変態ですね……」



 うん、その罵倒がね、私を遥香に分からせてあげないといけないって思わせるんだよ。


 だーかーらー、また、イってね♪


 私は三度、遥香の肢体に手を這わせて。


 そして、嫌がる遥香の意志を無視するように何度も何度もイかせてやった。


 気づいたら遥香は気を失ってしまっていて。


 その体だけが私の手の動きに反射的に反応しているだけになっていた。



「……ひくわー……めっちゃひくわー……」



 その様子をドールハウスで見つめていたしずくちゃんは呆れた声でそう呟く。



「これは私が高校デビューするための儀式だよ!!」


「いやいやいや。たかだか高校デビューでメイドを連続絶頂させるとか無いから」


「それは、私のこれからの覚悟? みたいな?」


「みたいな? で気を失うまで絶頂させられた遥香先輩かわいそ……」


「一度、分からせてあげないといけないって思ってたからちょうどいいんだよ」


「ボクは先輩のこと分かりたくないかな……」



 ほほう。


 それじゃあ今度はしずくちゃんを分からせてあげた方が良いのかな?


『魅了』の力は『眷属』ちゃんにも通じるんだろうか?


 ふとそんなことを思い立ち試してみることにした。


 しかし私の眼に妖しい色が宿る寸前、遥香が目を覚ます。



「……っ……」



 そして耳まで顔を真っ赤にして私の部屋を出て行ってしまった。



「あーあ。またきっと後で気まずいよ?」


「そんな気まずさなんのその! 私はこれから高校デビューするんだから。これぐらいの気まずさ気にしない!」



 とは言ったものの。


 遥香とはほぼ四六時中顔を合わせる訳で。


 仮に遥香が真っ赤な顔をして、『私の事をイかせてくださいませんか、お嬢様』なんてことを言ってきたとしたらどうだろうかと想像してみる。



「……」



 ないわー……。


 そんな遥香はないわー……。


 自分からイかせて欲しいとか言ってくる遥香はちょっと想像がつかない。


 遥香はクソ生意気な言葉を分からせてあげるのが楽しいのであって、淫乱な従順メイドになってしまったら価値がない。


 そこまで考えて、しまったと思い至る。


 もし今日の事がきっかけで遥香が従順淫乱メイドになってしまったらどうしようと。


 そんなの私の楽しみ半減じゃないか。


 カレーライスの具に福神漬けやらっきょうが入ってない位、残念な仕様だ。


 カレーライスには福神漬けとらっきょうは不可欠!!



「やっぱ、謝ってくる……」


「はいはい、行ってらっしゃい。おみやげにたけのこの薮よろしくー」



 私の気も知らずしずくちゃんはドールハウスの椅子の上で手をひらひらと振っていた。


 自室の部屋を出てすぐさま遥香の部屋へとやってくる。


 ふと、部屋の中から声が漏れ聞こえてきた。


 む?


 遥香以外に他に誰かがいる?


 とりあえず遥香の部屋の扉をコツコツと控えめにノックする。


 するとガチャリと慌てた様子の遥香が扉を開けて。



「何だ……お嬢様ですか……。まだセクハラしたりないんですか?」



 と軽口を叩いてきやがったので。



「私の部屋、遥香のせいでぐしょぐしょなんだけど。なんとかしてくれない?」



 わざと先程の行為を思い出させるような言葉を紡ぐ。


 その言葉を聞いて遥香は。



「すみませね、お嬢様。あんなに駄目だっていうのにお嬢様がするので。後で片付けますので」



 耳まで真っ赤な顔をして遥香は自室の扉をガチャリと閉めてしまった。


 まぁ……いつも通りかな。


 これからも私と遥香はいつも通り。


 こんな馬鹿な関係を続けていくのだろう。


 そう。


 その時はそう思っていた。


 でも。


 違ったんだ。


 この関係は少しずつ変わっていってしまった。


 どこで、ボタンを掛け違えたのか分からない。


 いや、始めから掛け間違えていたのかもしれない。


 私と遥香の道は、―――。

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