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女装恋愛  作者: 薔薇の花
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「それで? どういうことなの??」

「何が?」

「何がって…… しらばっくれる気?」

「つーかどういうこと?」



なんでエリカの奴は教室でそんなこと聞くんだよ? 実もいるし答えられないだろ。



思えばエリカには良いところもあるが悪いところもある。 こうして堂々と聞きにくるところだ。



先日だって沙良といたところに話しかけてきたのもこいつだった。 俺がエリカならあの場面に直面したらわかってても言わない、それが良いかどうかはわからんが触れちゃいけない的な何かがありそうだから。



例えばそうだな…… どうしてもってならどこか誰もいないところで秘密裏に聞き出すとか。



「はぁ、エリカったら。 柚月、ちょっと話あるから今日お昼の後とかどう?」

「ああ、それなら」

「ちょっとメグミ!」

「いいから。 じゃあそういうことで」



メグミはエリカを連れて行った。 良かった、メグミの方は弁えてくれてて。




「お前何かしたの?」

「いいや何も」

「ま、まさかお前あの2人のうちどっちからか告白されるとか!?」

「ないない、絶対ない」



実に見当違いな誤解をしている、まぁエリカのせいなんだけど。



てなわけで昼休みにエリカとメグミに俺は屋上の階段下に呼び出される。



「聞きたいことが山程あるんだけど」



メグミが言った、言われそうなことはもう大体わかる。



「だよな」



今度はエリカが口を開く。



「柚月って…… もしかしてゲイ?」

「違う、俺はそっち系じゃない」

「じゃあ女の子になりたいとか?」

「当たらずとも遠からず」

「じゃあなんであんな格好を? めちゃ似合ってたけど。 ねぇメグミ?」

「まぁそうだけど」

「引くかもしれないけど少し前に俺が化粧されてんのお前らも見たろ? そんでその時の自分を見た時になんか自分が女みたいになれたの感動したんだ」



死ぬほど恥ずかしい、俺はなんでこの2人に自分の性癖みたいなことを告白しているんだろう。 まぁバレたからなんだけど沙良にではなくこの2人に……



「それでその日家に帰っても興奮が冷めなくてネットとかで化粧の仕方とかいろいろ勉強して化粧品とかも買って。 自分でやってみたら今度はそんな自分を見せたくてそれで外に出てみたくなった。 そしたら思いの外気持ちよくて癖になっちまってさ、だけど俺は別に女になりたいわけでもない。 恋愛対象は女の子だし」

「ふぅん。 それでたまたまナンパされてる沙良に会って何回か遊んで今に至ると?」

「そういうこと」

「だってさエリカ」

「ふんふん、ちょっと待った! それとこの前化粧崩れた時女子トイレに行って化粧直そうとしてたよね!? それってもしかして沙良が柚月を女の子だと思い込んでることを良いことに今までそういうとこに…… え!? そしたらもしかして更にそれを良いことに」

「あんたも待ちなさいよエリカ、如何わしいことしようとしたらいくらなんでも柚月が男だっていうことすぐにバレるでしょ?」

「あ、そっか」



メグミがいて良かった、心からそう思う。



「けど女子トイレとか個室とかには行ってそうだけど」

「エッチ! スケベ! 柚月可愛いと思ってたのにそんな変態だったなんて!!」

「エリカ、声大きい」

「いやいや待てよ! 女子トイレとかにはそういう状況で男子トイレに女装して入るわけにもいかないし行ったのは認めるけど何も変なことはしてないぞ」



何も思わなかったわけではないけど…… いやもう変態とか言われても仕方ないが。



「私からすれば変なことだらけだけど柚月は」



刺すような目でエリカは言った。 「まぁまぁ」とエリカを宥めて次はメグミが言う。



「柚月って沙良のこと好きなの?」

「へ?」

「見て思ったんだけど」

「あ、そうそう! それも聞きたかった」

「好き…… って言ったらおかしいか?」

「やっぱりね。 残念エリカ」

「え!? ちょッ、なんで言っちゃうのメグミ〜!!」

「この際ちょうどいいかなって思って」



え??



「あ、いや…… 柚月可愛いし、なんていうか守ってあげたいっていうか…… タイプだったっていうか。 ってなんで私がこんなことになってんのよメグミのせいなんだからッ!!」

「…… なんかごめん」

「はい、エリカふられちゃいましたー」

「そんなんどうでも…… よくわないけど! って、ああ……」



エリカは頭をかかえてその場にしゃがみ込んだ。 っていうかややこしくなってないか?



「じゃあ柚月の秘密知っててもそのまま好き?」

「ええと…… それはちょっとガッカリしたけど。 なんか釈然としないっていうか」

「まぁそういうもんよね、というかそのまま柚月にも言えることだけど沙良が柚月に騙されてるとわかったらどう思うだろうね? それともこのままバレないとでも思ってる?」



トラブルはあると思うけど今まで概ね上手くやってこれてたとは思う。



「俺もそれは考えなかったわけじゃないけどあんな風に出会って今までこうして遊んでたわけだし」

「つまり行き当たりばったりでバレた時のことは何も考えてないってこと?」



エリカは信じられないこいつみたいな顔をして言った。



「まぁそうかも。 今は女の柚月として沙良と遊ぶくらいしか……」

「「最低」」



2人に揃って最低と言われてしまった。 だからバレたくなかったんだよ、そもそもなんでお前らがあのタイミングでいるんだよ?



あんなにバッタリと会わなきゃ今だってただ普通に学校生活過ごせてたのに。



「こんな奴を好きだと思ってたなんて私男を見る目ないわぁ〜、沙良が可哀想」



そう言われるのも無理はないけど人の秘密に土足で踏み込むようなこいつらにも俺は段々と腹が立ってきた。



「言いたいことばっか言いやがって。 俺が悪者だってか? 確かに俺がやってることは褒められたようなことじゃないけど俺だってこうなった以上沙良を少しでも傷付けないようにしたいし、でも好きで悩んでんだよ。 なのにお前ら2人にバレて余計な悩みがまたひとつ増えてどうしてくれるんだよ!?」

「わ、開き直ったよメグミ」

「そうねぇ…… 私らは偶然柚月達に会っただけで柚月の秘密なんて知ろうとしたわけじゃないけど知っちゃったし」

「そうそう。 大体柚月さ、そんな態度してていいわけ? 私らがその気だったらどうなるか……」



なんだよバラすってか? もう不登校になっていいか?



「バラすのエリカ?」



メグミがエリカに確認する。 ああ、俺に降り注ぐオカマコールと変態コールが聴こえてくるようだ……



「ううん、バラさない」

「へ?」



間抜けな声が出てしまった、今なんと?



「そうね、だと思った」

「な、なんで?」

「第一に沙良が可愛すぎる!」

「は?」

「沙良が悲しむ顔なんて見たくないってことでしょ?」

「そう! まぁこの調子でバレたらどっち道悲しむだろうけどほら、私もメグミも沙良とまた遊びたいしバレても出来るだけ沙良を悲しませないようにするしッ!」

「柚月の秘密知ってるのは私とエリカだけだしエリカはエリカで柚月に情があるようだし」

「だからやめてってメグミってば!!」

「私巻き添えだし」

「…… ってことは?」

「バラさないって言ったでしょ」



ポンとエリカは俺の肩に手を乗せてそう言った。 



マジか…… 助かった、虫がいいように聞こえるけどバレたのがこの2人でまだ良かった。


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