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女装恋愛  作者: 薔薇の花
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「恋バナしようよ恋バナ!」

「賛成!」



女子会はエリカとメグミ、主にメグミのフォローが上手く俺のことがバレずに夜になり沙良の両親も帰ってきて軽く挨拶をして事なきを得ていた。 ちなみにお泊まり…… もしここで沙良の親に俺が男とバレたらとんでもないことになりそうだ。



そして今はミカが提案した恋バナをすることになったのだが女の子の恋愛観なんて俺にはよくわからん上辺だけだから。



ここは目立たず見聞に徹しようか。 それに沙良の好みなどもわかるかもしれないしな!



「じゃあ言い出しっぺのミカから! 好きな人とかいるんでしょー? 恋バナしようって言うくらいだから」



沙良は興味津々だ、男が苦手な沙良でも他人の恋バナには興味はあるんだな。



「えー、私はねぇ……」



なるほど、ミカは他校の生徒に片想いか。 こんなに綺麗なのに片想いってその男どんだけイケメンなんだ?



「じゃあエリカは?」

「私? やー、フラれたばっかだからなぁ」

「えー? てことは告白したの? どっちが?」



これは…… 俺とのことを言っているんだろうか? エリカこっち見てるような気がするし気不味い。



「告白も何もそいつに好きな人いてさ、そんでよりにもよってそいつの前でメグミが私がそいつのこと気になってたんだってっていったんだよ、ありえなくない?」

「望み薄だったから早くにケリつけてあげたんでしょ。 逆に感謝しなさいよ、柚月もそう思うでしょ?」

「なんで私にそれを振るの?」



ゾワッとするくらいエリカの視線を感じるけど動揺しちゃいけない。 てかなんでこっちに振るんだよ!!



「その人って凄くかっこいいとか?」

「んー、かっこいいというか可愛い系」

「あー! もしかして柚月のお兄さんだったりして」

「私も可愛い系って言われてそれ思い浮かんだ」

「ぶはぁッ!!」



思わず飲んでいたジュースを誰かにぶっ掛けるところだった。



「ちょッ、柚月ったら」



さすさすと俺の背中をさする沙良は今度は露出少なめな部屋着に着替えていたので問題はない。



「うちの兄貴が出てくると思わなかったからつい……」

「あはは、でも柚月のお兄さんって彼女さんいるんだもんね。 柚月にそっくりだからモテるに決まってるし」

「そうそう、柚月のお兄さんのカヅキ先輩はそりゃあもう取っ替え引っ替えで」

「ゴホンゴホンッ!!」



聞いててムカついてきたのかエリカが俺へのマイナスイメージを植え込もうとしているので大きく咳払いして誤魔化す。



「メグミはどうなの?」

「私は彼氏いたけど面倒で別れて今はフリーだからしばらくいいかなって。 チョー楽、それよか沙良はどうなの?」

「えっと私は男子苦手だしなぁ」

「その割には柚月のお兄さんにグイグイ話し掛けてたよね?」

「それは柚月かと思ったからで」



聞いてて耳が痛い、それはまぎれもなく柚月ですけど。



「もしかしてさー、カヅキ先輩だったら沙良でもいけるんじゃない?」

「は!?」



ここでメグミが大胆発言をしてきた。 …… がそれは俺も気になるところ。



「うーん、どうだろ?」



沙良が俺をチラッと見て困ったかのように言う。



それはどういう心境なんだ沙良? いけるのか? いけないのか?



「でもそう悩むってことは満更でもなかったり?」



ミカが言うと沙良はあわあわと絨毯を指でなぞってボソボソと喋る。



「ええ!? や、まぁ…… 柚月がそのまま男の子になったみたいなもんだし、いやなんだろ私……」

「おやおやー、もしかしてそんな感じで柚月のことも好きだったり〜?」



メグミは更に大胆発言をした。 



「あ、うん、柚月は大好き」

「え?」

「あ!! 変な意味じゃないよ友達としてだよ!? 柚月!」

「あらー? そういう意味で言ったんじゃないんだけどこれは掘り起こし甲斐がありそうですなぁ、じゃあ柚月とキスでもしてみたら?」

「いやいやダメっしょ!!」



いきなりエリカが遮った。



「冗談に決まってんじゃん」

「だ、だよねぇー」



でも悪ノリし過ぎだろお前…… 一瞬ビビっちまったよ俺。



「な、なんか私も暑くなってきた」

「じゃあ私飲み物いれたげるよ」



興奮したエリカが暑いと言うと気を利かせたメグミがついでにみんなの分の飲み物もいれてくれた。



そこからあまり覚えていない、そして目が覚めると寝ている沙良とミカとエリカにひとりだけ飲み物を飲んでるメグミがいた。



そしてなんかクラッとするし身体もちょっと熱っている。 まさか……



「あ、おはよー、起きた?」

「お前それって……」

「あーお酒やっぱり買っておいたんだ、ジュースと割って飲ませてたから」



だから途中でメグミが積極的にみんなにジュースいれて渡してたのか。 なんつー奴だ。



「これで柚月も一息つけるでしょ? 感謝しなよ、バレたらこんなん比較にならないくらいヤバくなるんだからね」

「いやいや、これどうすんだよ?」

「間違えちゃったテヘッ!」



メグミは舌を出して可愛い仕草でそう言ってみせた。 なんて軽い……



「女子会にお酒は付き物! みんなひとつ大人になったということで。 それにお酒飲んだなんて親に言わないと思うしさ、大丈夫」



そしてメグミがトイレに行ってくると言って部屋から出て行くと物音で沙良が「ううん」と唸って目を覚ました。



「あれ? 柚月だぁ」

「へ?」



俺が目に入ると沙良は俺に飛び付いて顔を押し付けて甘えたような声を出す。



まさかまだ酔ってるのか沙良は??



「ゆ〜づ〜きぃ〜、にへへ」



もうギュ〜ッと密着されて俺の分身もMAX状態になって沙良の脚に当たっているのに沙良は酔ってるせいかまったく気にしてない。 ヤバいぞこれは……



「近いって沙良」

「だって柚月にくっつきたいんだもーん」



この状況で誰か起きたらどうすんだよと部屋に残されたエリカとミカに注意を移していると……



沙良に俺の顔を自分の顔に向き合うようにされた。 虚な目で見つめられる。



「柚月が好き」

「??」



そう言われた時いきなり沙良が俺の口にキスをしていた。 



俺は突然のことに何が起こったのか理解できなかったが沙良とキスをしたことでその間数秒思考停止してしまい沙良が口を離すまで動くことが出来なかった。



沙良がそのまま俺の上に覆い被さるとドアが開いて戻ってきたメグミが俺と沙良を見下ろしていた。






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