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女装恋愛  作者: 薔薇の花
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なんだここは? なんだここは?? 周りはふんわかいい匂いで全体的に柔らかく優しい雰囲気になんの意味があるのかよくわからない謎の可愛い小物、こんな幸せな空間があるなんて。



そしてその空間に在らせます綺麗どころ達…… 天国じゃないか。 いい、俺は今日このために存在していたのかもしれない。



「柚月?」

「んあ?」

「んあ? じゃないよ、はいジュース」



おっと、意識がどこか別なところに行っちゃってたみたいだ。



「大丈夫? もしかして部屋暑かった?」

「柚月はただ単に庶民と上流階級の差を味わって圧倒されてるだけよ沙良」

「もぉー、差なんてないって」



そう言って俺の隣に来て肩を当てながらジュースを差し出されたので俺はそのジュースを手にした時とんでもないものが目に入ってしまった、なんと沙良はブラチラどころじゃなく乳チラしかけていた。



別に女同士だから沙良はなんとも思ってないだろう、他の奴もなんとも思わないだろう。 だが俺がなんとも思わないはずはなかった。



「うあッ」

「わわッ」



ジュースを取り損ねて沙良の胸元に思い切りジュースが溢れてしまった。



「ちょっとー! 柚月何してんのよ!」

「あちゃー……」

「沙良、これで拭いて」

「ごめん沙良」

「ううん、これくらい大丈夫だよ柚月」



ミカは沙良に布巾を渡してエリカは何やってんだと言いメグミは冷静に見ていたのか俺の行動にやっぱりねという感じに呆れていた。



「ブラまで濡れちゃった。 取り替えよ」

「ッ!!?」



沙良が服を脱ぎ出してブラジャーが露わになりホックを外したその瞬間目の前が真っ暗になる。



「どうしたのエリカ?」



どうやらエリカに手で目を覆われていたのだがその光景が不思議に映ったミカに問われる。



「あ、や…… え?」



反射的にエリカは動いたのだろうけどそれ故にエリカは硬まる。



「どしたの?」

「…… そ、その」

「柚月汗が滴り落ちてアイラインが目に入るとこだったよ」

「そ、そう! 目に入ったら痛いだろうなぁーって!! 柚月にはこの部屋の温度高過ぎたみたいだね」

「それは…… どうも」



メグミナイス! エリカもナイス!!…… あ、いや、少し残念とか思っちゃいけない。 



「あ、そっかぁ。 私も柚月には少し暑いかなって思ってたんだけど温度下がるね」

「ちょっと柚月はトイレ行こうかぁ〜?」



エリカにそのまま目隠しされてトイレに連行された。



「あんたなんてことしてくれんの!?」

「いや今回ははずみで俺に落ち度はないぞ!」

「しーーッ!! 沙良の親はいないようだけど俺とか言わないで」

「だったらお前ももう少し声のトーン落とせ」

「そ、そうだった。 にしてもビックリした、落ち度はないって言ってるけど柚月がジュース溢さなきゃあんなことになってないんだからね! 沙良は女同士だから別に見られてもなんとも思ってないけど実際はここに危険人物がいるんだからね」

「人を危険物みたいに言うなよ…… でもお前らのおかげで助かったけど」

「ほんと心臓に悪いわ、だから帰れって言ったのに」



ほんと心臓に悪い、今もなんだけど。 そもそもなんで俺エリカとトイレの個室に入ってんだ? お前は外で待ってればいいだろ。



「あれ? てかなんで私まで柚木とトイレに……」



俺が思った直後にエリカもそう思ったのか顔が赤くなっている。  



「なんかこの状況も変! 目を洗いに来たのに2人でトイレ入ってるとか」

「だったらさっさと出ろよ」

「わかってるし!」

「柚月ー、大丈夫?」



ヤバッ、沙良の声だ!



「ヤバいヤバい!」

「だから静かにしろって」

「沙良ぁー、ちょっとこっち来てー」



メグミの声だ、その声に沙良は部屋へと戻っていったようだ。



ふぅー流石メグミ、見てなくてもちゃんといい仕事するぜ。



「はぁー、焦った」

「いやお前……」

「ッ!!」



便座に座ってる俺の膝に頭を付けてエリカは安堵していた。



「あ、ちょッ! これ違ッ、痛ッ!!」



慌てて飛び退いたので後ろのドアにエリカは頭をぶつけた。



「も、もういい! 俺が悪かった!」



俺はトイレを出て洗面台で顔を洗った。 



一寸先は地獄だ、さっきまで天国だったのに。 そして股間に違和感を覚えていた、さっきエリカがもう少し上の方に頭を押しつけていたら俺のムスコが暴れていたことに気付いてしまっていただろう、そしたら目も当てられない。



「はぁー……」



気を引き締めて部屋に戻るとエリカももう戻っていて女子トークに加わっていた、平静を取り戻したか。



「おかえり柚月。 わ! すっぴんだ」



あ、そうだった。 化粧落としたんだった、変なところないよな!? と思ってると沙良の両手が俺の頬に触った。



「やっぱり」

「な、何が?」

「すっぴんも超綺麗、肌も凄い綺麗だし」

「あ、あはは、じっと見られると恥ずい」

「ほんとだぁ、羨ましい」



沙良とミカに見つめられる。 すると……



「ここにホクロ足すと前見たお兄さんだね」



ミカがそう言った。 



「私も思った。 柚月のお兄さんもメイクすれば柚月になれるってことだよねぇ」



ギクッ!! 



もうそれほぼ当たりなんですけど。



「双子じゃないのにあそこまで似てるなんて珍しいよねぇ、身長も同じくらいじゃない?」

「よく言われる、ははは……」



こ、孔明! じゃなかったメグミ! 助けてくれ!!



メグミに懇願の視線をやると明らかに面倒臭そうな顔で溜め息を吐いていた。






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