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女装恋愛  作者: 薔薇の花
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「お、今日は普通の柚月だ」

「普通のってなんだよ?」

「男の子の柚月! 制服以外で初めて見た気がする」

「なんだ、なかなかいい感じじゃん。 最初から沙良に今の柚月見てもらえたら良かったのにね、そしたら私らも余計な手間掛けさせられなくて済んだのに」

「そりゃどうもご苦労さん」



つーか男の俺見せたって沙良は見向きもしなかったろうぜ。 



それより俺はエリカに沙良が言ったことを伝えたんだがそれがエリカの思ってたことと違くてガッカリしたようだけど渋々乗ってくれた。 けどメグミは案の定嫌がりエリカが説得して「それじゃあ話を合わせておく必要がある」と2人は提案して俺は高めのカフェで2人に奢らされているというわけだ。 



ああ化粧品買えたな、ここにこなければ。 痛い出費だけど協力してくれるなら仕方ない。



「うーん、評判通りなかなか美味しいケーキだね!」

「奢りとなると更に美味しく感じる。 ねぇ柚月? あ、カヅキだったっけ」



(笑)が付くように意地悪くメグミは言った。 



「それよりどうすんだよ? 女子会に男が参加するってヤバくないか?」

「私から言わせれば未だに柚月が男だとバレてないことがヤバいけど」

「なんで女子会なんかに参加OKしちゃったの? 柚月は抜きで私とメグミ達だけだったら純粋に楽しめたんだけど」

「断ったら心象悪いだろ? てか断れてたら苦労しねぇよ」

「それにどうするって私らに聞かれてもねぇ。 自分で解決する気ないの?」



メグミ…… お・ま・えはーーー!! なんのためにクソ高いケーキとコーヒー奢ってやってんだと思ってんだ!? 解決したいけど協力してくれって頼んでんだろが!!



「めっちゃビキビキいってる顔してるよ柚月、じゃなかったカヅキ。 ぶふッ」

「おう、わかってくれて嬉しいわ」



俺とメグミが静かにいがみ合っているとエリカが仲裁に入った。



俺ってメグミに嫌われてんのかな? 最初は話がわかる奴だと思って頼りにしてたのに。



「にしてもミコトったらうちらの番号勝手に教えるなんてありえないわ、せっかく後は黙っててあげて静かに見守ってあげよーかと思ったのにエリカはチョロいんだから」

「チョ…… チョロくないもん! 私は人として柚月がダメ人間にならないようにしなきゃっていう善意で動いてるんだから。 もうダメ人間だけど」

「フォローするなら最後のは余計だろ。 いや待てよ? これもひとつの女子会みたいなもんだ、俺はこの格好で来るべきではなくて女装してきた方が本番っぽくなったか??」

「ああ、なるほど、確かに柚月の言う通りかも。 その方がそれっぽくなるわね」

「いやいやダメっしょ! せっかく柚月が男っぽいのに」



そこでお前が否定するのかよエリカ……



「はぁ…… まぁ見た目は可愛いから今のままでもあまり問題ないけどね。 それより問題は沙良の家で女子会をすることになったんだけどそれについてどう思う?」



メグミが俺に聞いてきたけどどう思うって沙良の家に行けるなんて普通に考えたら超ラッキーなんだが。 そんな風な匂いを醸し出すと一気に2人から軽蔑されかねない。 ここは……



「非常にマズいと思う。 もう決定してるから覆すことは出来ないし変に否定してもあれだし」

「何がマズいの?」

「いやそれは…… もし沙良がお泊まりしようとか言い出して風呂にでも一緒に入ろうとかそういうあれが……… ハッ!!」



気付けばもう2人から軽蔑の眼差しが俺に刺すように注がれていた。



「可愛い顔してそんなお下劣なこと考えてたのね、まぁそんなことだろうとは思ってたけど」

「見損なった柚月」

「まだ見損なうとこあるなんてエリカは柚月に激甘なんだから」

「メグミお前誘導尋問とか卑怯だぞ。 つーかそれくらいのことを考えてないと非常事態になった時対処出来ねぇだろが!」

「エリカ、柚月の股間チェックして」

「は!?」

「こ、股間って…… メグミ何言ってんの!?」

「いいから!」



そう言うと俺の向かいに座っていたメグミは脚で強引に俺の脚を開き、エリカが顔を赤らめながら覗き込んだ。



「どう?」

「…… どうって。 も、盛り上がってる? ように見えなくもない」



な、何してんだこの2人は!? いやまぁ仰る通りなんですけどこれは恥ずかしい。



「わわわッ、ど、どうしよ……」

「エリカ、なんであんたが狼狽えてんのよ?」

「や、だって…… ねぇ?」

「いい加減にしろよ店の中だぞ、誰か見てたらどうすんだよ?!」

「柚月が騒がなきゃいいだけよ。 ところでそんなことくらいで反応してたらいざ女子会行ったらどうするつもり? てかよく今までそこを隠し通せてたよね」

「そ、それはまぁなんとか誤魔化せてたけど」



言わんとしてることはわかるがどういう神経してるんだメグミの奴。



「こ、これって一体どうなって……」

「エリカ…… あんた何盛ってんの? いい加減頭上げなよ、怪しまれる」

「へ? べ、別に何も変なこと考えてないもん!」



エリカは顔を上げると真っ赤になってたので俺もエリカを気不味さから直視出来なくなってしまった。 どうしてくれんだよこの空気……



「うーん、これは柚月はゆったりめのスカートで行った方がいいかも。 沙良って柚月にベッタリだったからスケベ柚月のことだからギンギンになりかねないし」

「いや男なら多分誰でも反応するし」

「そんな盛り時に女子会行こうとしてんだから呆れるわ。 てかお泊まりになっても一緒にお風呂とか小学生じゃないんだからありえないし。 そもそも入らないでそのまま寝たりするパターンになることもあるから変な考えは起こさないことね」

「な、なんだ、そうなのか」

「ガッカリ?」

「全然」



もうその手に引っ掛かるかよ。 まぁちょっとガッカリなのはガッカリだけど。



「エリカいつまで思考停止してるの?」

「え?! な、何が?」

「つーかメグミってそういうの動じないのか?」

「まぁそこの処女と違って何人かと今まで付き合ってるしね」

「ぶッ!! メグミ」

「うるさいエリカ」



そうだったのか、沙良と比較していたからあれだったがエリカもメグミも結構可愛い方だ。 そうであっても不思議じゃない。



「そっか、でもエリカは」

「あー!! 柚月までそこにつっこむな!」

「未経験同士でいやー微笑ましい」

「それより真面目に女子会のこと話しろや」

「じゃあ柚月は何があっても興奮しないように賢者モードでいることね」

「そんなこと出来るの?」

「それは行く直前にすっからかんになるように……」



もうカフェとかで話すような内容じゃない……



エリカなんて顔真っ赤にしっぱなしだしメグミはおちょくってくるしで。



「じゃあごちそうさま」

「またね柚月」

「エリカ、お前どこ見て言ってんだ?」

「いくら好きな人だったからってそんなとこ見て言われたら変態な柚月は勘違いするわよ?」

「「違うし!!」」



ハモッてしまった…… なんか1日無駄にした気分だったけどちゃんとフォローしてくれるんだろうな? 





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