表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/45

その19 勇者会議


「・・・う、な、なんだ・・・?」

 グランドは意識がまだ朦朧としている中、ゆっくりと目を覚ました。


 なんなんだ、ここはどこなんだ・・・?


 彼はゆっくり起き上がる。その時についた手が沈むのを感じた。岩の洞穴にいたはずの彼にはそれは違和感だった。

 下を向くと自分が白いベッドの上で寝ていたとわかった。


 プッ!


 自分のではない放屁の音が聞こえる。このときグランドは初めて辺りを見渡した。石レンガでできたこの大きくて明るい部屋には、グランドのほかに彼と一緒にいたゴブリンたちもそれぞれベッドで横になっていた。その体には包帯が巻かれていて手当てもされているのうだった。


「どういうことだ・・・?」


 体へのダメージが残る中、理解できない状況に困惑するグランド。そんな時、出入り口であろう鉄格子の扉の向こうから慌てた声が聞こえてきた。


「あの、あの、あの、まだ安静にしていてくだ・・・して!」

 声の主は女のようだった。しかしその顔は黒いフードによりしっかりとは見えず、全身はロングローブに包まれている。ローブは長すぎて地面についており足も全く見えない。


「なんだお前は・・・?」

 警戒するかのように睨みつけるグランドに彼女はあた慌てだす。


「いやややや、待って! 敵ではないです! むしろ仲間です! あなたなら分かると思います」

 鉄格子の扉を開けるとローブを引きずりながらスーッと足音を立てずにグランドのところまで近づいてくる。

 グランドは彼女はしばらくの間無言で見つめると目つきを元に戻した。


「・・・なるほど、疑って悪かった」

 彼女はニッコリ笑う。

「いえいえー、私も最初は信じられなかったですし」

「他にも誰かいるのか?」

 グランドは彼女に質問する。

「ええ、でも今は忙しいみたいですし、それにあなた達の怪我もまだ治ってないみたいなのでお話はそれからにしましょう、まだ安静にしててくださいねー」

 そういうと彼女はまたローブを引きずるように静かに扉から出ていく。

 

「あっ、おい・・・」

 グランドはまだ聞きたいことがあったらしく呼び止めようとしたが、体の痛みによって上手く動けなかった。


 ブリッ!


 彼女が去った部屋にゴブリンの誰かの先程とは違う何かが響いた。


















「よし、そろそろ行くか・・・」

 朝、そう言うとバスターは立ち上がった。しかしその声と表情は重い。


「あら、そういえば今日だったけ。今回は行くのね」

 メイシンは少し眠たそうに自室から出てきた。


「あぁ、情報を得るためだ。今回は参加する」

「この間のゴブリンについて聞いてくるんだとよ」

 バスターは調理場から顔を出す。

「誰か知ってそうな人いるの?」

 グードもあのゴブリンのことについて気になっていた。

「まあ、こんな時に会うのが1番楽だし・・・ 誰か知っているでしょ」

 バスターは宿のドアを開けた。その後ろ姿から哀愁を感じる。


「いってらっしゃーい」

 3人は手を振ってバスターを見送る。彼は悲しい笑顔で手を振り返しながらドアを閉めた。


「よし、行くか! 勇者会議・・・」

 バスターは1人歩き出していった。

読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ