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彩る君に恋をした。  作者: 椎名 椋鳥
14/31

木陰で休憩

朝食を終え支度を整えた後、俺たちは城門の前に集合した。

アードラは別の件の調査があるみたいで、今回の旅には同行しないらしい。

俺、ヒヨリ、レオナ、メルというなかなか無茶な編成だ。特にあの二人が暴走しないようにしっかりと見張っておかなきゃいけない。


「しゅっぱーつ!」

 ヒヨリが意気揚々と歩き出すので俺たちも遅れてついていく。

「最初から飛ばすと体力保たないぞ」

「いいじゃん! 勝手にどこか行っちゃう湊君は黙ってて!」

 何も言い返せぬ。


 改めて、これから向かうのはベルモント城から南へ行った先にあるアムージュという街だ。

道中は道路も舗装されていてそこまで険しい道ではないらしい。

川沿いを下っていけば午前の間に到着するだろう。



 途中までのヒヨリとメルは元気溌剌と飛び跳ねていたが城から遠くなるにつれて段々静かになる。

「もうダメ……休憩したい」

 体力保たないってあれほど言ったのに。

「そうですね。この辺りで休憩としましょう」

 レオナさん、優しすぎません?

 レオナの言う通り、近くにあった木の陰で休むことにした。


「じゃじゃーん! 今日はメルちゃんとサンドイッチ作ってきたんだ!」

「おっ、それじゃあいただきまーす」

 バゲットの中綺麗に敷き詰められたサンドイッチに手を伸ばそうとすると、

「湊君はダメ! まだ昨日のこと許してないよ。ちゃんと誠意を持って謝ってください」

 両手を腰に当て胸を張りながら堂々と言う。結構根に持つタイプなんだな。

「大変申し訳ありませんでした!」

 勢いに任せてはっきり申した。


「よろしい。じゃあ食べていいよっ!」

 ヒヨリは舌を出し、お茶目な表情を見せながら俺にサンドイッチを渡してきた。

ヒヨリの作る料理は意外にも全てが美味しい。

それはレオナやメルも認めるほどで、もちろんこのサンドイッチも絶品だ。


「これから行く街って海が近いらしいね。私、海初めてだから入りたいぞ」

 メルは興味津々な模様。

「私も入りたーい!」

 ヒヨリはただはしゃぎたいだけの模様。

「そうだな。この一件が終わったら近くのビーチに行こうか。レオナ、大丈夫かな?」

「恐らく大丈夫です。父上には私から言っておきますゆえ」

「やったー!」

 ハイタッチで喜ぶメルとヒヨリ。一応任務中だからメリハリはつけないといけない。

「私も海は初めてでございます。どんなところなのか……」

「へぇ〜!レオナ初めてなんだ!海はねーすっごく広いんだよ!」

 ヒヨリは小学生並みの感想しか言えないのか……。



 そういえば、メルとレオナの精霊についてはなにも聞いていなかった。

「なぁメルとレオナの精霊ってどんな特徴なんだ?」

「はいはーい!私の精霊ピスラちゃんはねーとっても動くのが速いのだぞー! 電気を出してビリビリって!」

 なるほど、メルの精霊は電気系統。アライグマが電気…戦い慣れもしてそうだし、一度見てみたい。


「次は私ですね。私の精霊フィルは主に水を扱います。水と言っても威力は抜群ですよ」

 イルカのような精霊を持ち、華麗に振舞うように敵を倒す、怖いですってレオナさん。

この人がベルモントの中で王を除きナンバーワン。アードラやラモーナより強いということだ。

容姿端麗で戦いにおいても優秀それに優しい、やはり非の打ち所がないじゃないですか。


 軽く二人の精霊の話を聞けたところで休憩も終え、再びアムージュに向けて歩き出した。



「あー!海が見える!」

 しばらく歩くと視界一面に広がる海が見えてきた。

太陽に照り輝く水平線。優しい浜風が頬を撫でる。深く息を吸い込むと体だけでなく、心も開放的になるくらいだ。しばらく海を眺めて景色に浸ってから再び歩き出した。


その海岸線上に街を見つける。おそらくアムージュの街に着いたようだ。


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