プロローグ
ある日、ひとつの家族が全員別々の理由で同時刻に死んだ。
父親は、運転している車が玉突き事故に遭って、
母親は、出勤途中に階段から落ちて頭を打ち、
長女は、横断歩道にいた幼い男の子を助けて車に轢かれ、
次女は、運悪く通り魔に刺され。
この一通りの事件、事故は何度もニュースに取り上げられ、多くの人が一家のことを哀れみ、遺された遺族は親戚のみで葬式を行った。
そしてもう一人、その様子を見ていたものがいた。
それは、神様。
この家族を哀れんだ神は、その四人の魂をそれぞれ別の家庭に送った。
再び全く同じ家族を創るのは困難だったからだ。
神は魂を来世に送りながら願った。
今度はずっと家族全員が一緒に居られますように、と。
◆◆◆
どうも、皆さん。今までの重い語りに付き合ってもらい、ありがとうございます
先程とは違い、明るくいきましょう!
私、朝っぱらから通り魔に刺された次女こと、山崎冬弥といいます。
よろしくお願いします。えっ?女じゃなかったかって?
いや、それが何故だか今世は男になってしまったみたいなんですよね。
読んでみると分かるように、私には前世の記憶があります。そして、私だけではなく他の三人にも同じように記憶が残っています。でも、産まれたときから記憶があったというわけではありません。それぞれきっかけがあり、記憶が戻ったんです。