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女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
女神の願いで…?
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3375手間

 屋敷までパレードは続けられ、そこでクリスから今回の事について騎士たちを称揚した後にようやく解散となった。

 彼らは褒賞を与えられた後、長期休暇に順次入ることになるだろう。

 もちろん、一度に休暇に入られては治安維持に問題が出てくるので、従事した内容や期間を鑑みて長期にわたって代わる代わる取ることになる。

 

「その辺りで苦労するのは文官たちに任せて、問題は今後の事だね」


「とりあえず、振る舞い酒で良いのではないかの」


「あぁ、いや、そうではなくて、騎士の巡回などに関してだよ」


「ふむ? 今まで通りで良いのではないかえ」


「それでホブゴブリンを、あんなに街の近くだったというのに見逃していたんだ、今まで通りでは見逃すモノが多いということではないか」


「しかし、森の中などをということであれば、本来の巡回任務に支障が出るのではないかの」


 クリスの言う通り、今まで通りのやり方では見落とすモノが多く、危険だと言うのも分かる。

 しかし、しっかりと森の中まで確認などしていたら、本来の巡回任務の予定などが全部狂ってしまい、それこそ人員を数倍にしなければ支障が出るだろう。


「とはいえ、ここで何もしていないとみられるのは、それはそれで問題だろう」


「なれば、そういうモノこそ冒険者たちに依頼すれば良かろう。幸いよその領から流れて来ておるしの、仕事を増やして文句は言われぬじゃろう」


 時期としても何ら不自然ではなく、既に討伐の実績もあるので、民たちに余計な不安を齎すこともない。

 巡回任務では目の届かぬ場所を、冒険者たちが探索する、騎士たちは大きく予定を変更することなく、冒険者たちは長期的に安定した収入を得られる、実に合理的で無駄のないやり方だ。


「なるほど。念のためにだったものを、常にとするのか」


「騎士の数が少ない領では、元より傭兵たちに巡回任務を割り当てておるらしいからの、元傭兵である冒険者たちも慣れたものであろうて」


 元々冒険者ギルドからは、人が増えてきたせいで仕事が足りないという、文官たちが聞けば血の涙を流して羨ましがりそうな要望が来ていたので、渡りに船というものでもあろう。

 何にせよワシらは指示するだけで良いので実に簡単なことであり、それで各方面に利のある珍しいことだ。

 ともかくだ、様々な調整をする必要のある文官以外は皆が幸せになる案であろうと、クリスは早速振る舞い酒を行うようにという指示と一緒に、冒険者ギルドに仕事をまわすようにと文官に申し付けるのだった……

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