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女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
女神の願いで…?
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3342手間

 ワシがさっさと文字通り巣を潰したこともあり、当初の予定通りに動いているであろう追加の荷馬車などはまだやってこない。

 後続の道中で特に問題がなかったとしても、街から距離のあるここまでは、まだ数日はかかるはずだ。

 なればその間ここで狩りをするのも良いだろう、どうせ幻術の中に逃げ込んだやつはワシしか仕留められないのだ、なればせいぜい後の狩りが楽になるように、幻術の中は危険だと知らしめてやろうではないか。


「良いですね、久々に狩りが出来ます」


「んむ、これだけの人出じゃ、普通の狩りも頼むぞ」


「お任せください」


「王太子妃殿下も御出でになられるのですか?」


「いまさら何を言うのじゃ。何よりおぬしらでは幻術の中に逃げ込んだ、ホブゴブリンを仕留めれぬであろう」


 ワシもホブゴブリン狩りに出るのかと驚く騎士たちであるが、それこそ何を今更、幻術が阻んでどこで仕留めそこなうか分からないのだ、ワシが出るのは当然だろう。

 何より幻術の中に引きこもられて、ほとぼりが冷めた頃にまた増えて出てこられても困る。


「では、今日これより出発する者の選定を」


「あぁ、今日はなしじゃ、結構派手に巣を潰したからの、さしものホブゴブリンも今日は隠れることに終始するじゃろうて」


「あの揺れは、やはり神子様でございましたか」


「揺れ?」


「遺跡を潰した振動じゃろう。ふむ、存外遠くまでは伝わってはおらんのかの」


「そのようなことは無いとは思いますが……」


 洞窟の出口で振動を感じたワシには結構大きな揺れを感じたが、多少離れているとはいえ同じ場所に居た騎士たちが感じなかったくらいならば、それほど遠くまでは伝播していないのだろう。

 であればホブゴブリンも感じ取っては居ないか? いや、やはり流石にここまで巣の周辺で徹底的に狩られているのだ、警戒心を解くためにも一日置くのは有効なはず。

 

「普通の狩りをするにしても、これだけ暴れては今はおらぬじゃろうしの」


「確かに、帰りに狼も見ませんでしたから、鹿などはなおさらでしょうね」


 騎士たちが暴れに暴れたのだ、少なくとも今日明日は獣たちが戻ってくることは無いだろう。

 狼は縄張りがあるので、あれほどの群れが遠くに移動することは無いと思うので、明日には戻ってくるだろうが、鹿や他の獣はどうだろうか。

 まぁ、普段から狩りなどは行われていない場所だ、早々長く警戒が続くこともないだろうと、騎士たちにも今日は英気を養うようにと指示を出すのだった……

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