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女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
女神の願いで…?
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3321手間

 どれほど繫殖力旺盛だったとしても、一刻ごとに産まれ出てくるわけでもなく、騎士団が本腰を入れて討伐していれば数は確実に減っていくもの。

 事実、報告書に記載されている討伐数も、全体的に減少傾向にある。

 特に顕著なのは討伐数上位陣で、減少率が多いところは前回に比べて一気に半分以下になっている。


「ふむ、ようやくかえ」


「ほとんど手を付けられていなかったとはいえ、随分と数が居たねぇ」


「ゴブリンは増えやすいとはいえ、やはりどこかに大規模な巣でもなければ、これほど一気に出てくることはなかろうて」


「もしそんなモノがあるとしたら、セルカはどこにあると思う?」


「さてのぉ。自分で狩っておれば、ある程度は絞り込めるやもしれんが、報告だけでは何とものぉ」


 人の手が入っていない場所だ、地図などあるわけもなく、騎士たちも大体どのあたりで倒したくらいしか報告を上げていないので、巣の位置関係から大本をというのも難しい。

 自分が狩っていれば森の中であろうとも正確な場所が分かるので、そこから大体予想できたのだが。

 

「後は誰かが大当たり、いや、大外れかの、それを引いておればよいのじゃが」


「確かに位置を特定するよりも、誰かがそこを見つけてくれれば良いんだが」


「狩人を入れておる所が一番見つける可能性が高いが、これまで全く見つかっておらんのじゃ、可能性は低いじゃろうなぁ」


「しかし、これだけ一気に増える奴らだ、もし大本があるならば放置している訳にもいかないだろう」


「そうじゃな。騎士たちによって、一先ずの数は減らせたのじゃ、あとは冒険者などに巣を探させるというのも手じゃろう」


「騎士たちに見つけれると思うかい?」


 騎士たちが時間を掛けても見つからなかったものが、冒険者たちに見つけられるのかとクリスは言うが、むしろ逆であろう。


「騎士たちは森の中で獲物を探し出すこと自体は不得手じゃ、それは狩人を助っ人に呼んでおる時点で分かるじゃろうて。しかし、冒険者たちは皆元傭兵だったりする者たちじゃ、狩人としての心得を持っている者も多かろう」


 専業で傭兵をしているという者は存外少ない、何せ殆ど戦がないのだから傭兵だけで食って行ける者は皆無と言っても良いだろう。

 なので普段は狩人だったりで生計を立てている者が殆どだと聞いている、であれば狩人として獲物を追跡する術を持っている者は多いはず。


「なるほど。だがそれでは騎士たちが、仕事を完遂出来なかったと喧伝することにならないか?」


「致し方ない事とは言え事実は事実じゃからのぉ。まぁ、そこは言い方次第であろうて」


 クリスの言う通り、大本を探してほしいと依頼を出すということは、騎士たちが大本を探し出せなかったと宣言しているようなモノだが、そこは言い訳次第でどうとでもなるだろうと、文面は文官たちに任せると良い言い訳を頼むと放り投げるのだった……

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