表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
女神の願いで…?
3339/3464

3315手間

 一応は兵士や冒険者たちにも口外しないようにと命じているが、兵士も冒険者も平民だ、完全に口をふさぐことはなく、酒の席で零すこともあるだろう。

 とはいえ王族の命だ、こぼすとしても多少は濁すであろうし、不確定な噂という粋を超えることはないだろう。


「不確定な噂だとしても、臣民の不安を煽ることになのは、間違いないだろう」


「まぁ、殆どの者は外には出ぬし、騎士が対処すると言っておけば問題はなかろう」


 ホブゴブリンらしき魔物から被害を受けたという者が居なければ、見間違いだったり、ただ見た目が悪い野盗が、噂のもとだったのではないかとなるのがオチだろう。

 それでも騎士の見回りを増やしますよとなれば、深読みするような者でもない限りは、大方の者には肯定的に捉えられるであろうし問題はない。


「しかし、居る可能性が高いとはいえ、何も情報がない中で探すのはな」


「とりあえず、今回見つけた場所の周辺を始めとして、探索しておらん場所、探索の間が開いておる場所を重点的に、あとは狩人などの足跡を見れる者を同行させた方が良いじゃろうな」


「それしかないだろうね。狩人に関しては、流石に外部から入れる訳にもいかないから、騎士たちの中から趣味でやってる者を必ず入れるように指示しよう」


「あぁ、それならばお膳立てされた遊びではなく、狩りをしたことがある者にするようにの」


「そうだね」


 貴族の狩りというものは、用意された獲物をお膳立てされた舞台でとどめを刺すだけのつまらぬお遊びだ。

 当然そんな事をしていても、獲物の痕跡を探す技能が培われる訳もなく、そんな者を狩りをしたことがあるなんて言われたくもないし役にも立たない。


「とはいえ、そんな狩りをしたことがある騎士が居るかどうか……」


「あまり裕福ではない者であれば、やったことはあるのではないかのぉ」


「裕福な者の方が狩りをしてるんじゃ?」


「それはお遊びの方であろう。貧しい家であれば、狩りで生計を立てておっても不思議ではないからの」


「それはどうだろうか、やっていたとしても体面を考えて名乗り出ないだろう」


「ふぅむ、ワシとしてはお遊びの方が恥ずかしい気がするがのぉ」


 ワシとしては食べる為の狩りよりも、赤子があやされるように、どれほどの阿呆でも出来るお膳立てされた狩りの方がやっていて恥ずかしい気がするのだが、貧乏だから狩りしてましたというのが、貴族的に恥ずかしいと言われるのも、一応は理解できる。


「まぁあれじゃ、お膳立てされずとも狩れる程度にしておこうかの」


 あまり条件を狭くしても該当する者が居なくなるだけだ、今回は不審な痕跡を見つければいいだけなので、そこまで難しくすることもないかと、至極簡単な条件に止めておくのだった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ