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女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
女神の願いで…?
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3217手間

 地面に書き込まれているモノを覗き込んでみるが、書かれていること自体は言語として理解できるが、何を意図して書かれているかは全く以って分からない。

 

「物体そのものに蓄積の限界要因があるのならば、外部からいくら手を加えても無駄なのも当然か。しかしそうなると、限界値が高い物質を使う他に方法はないか……」


「気は済んだかえ。それにしても、今の結論に至るのに、その数式やらは必要じゃったのかえ」


「えぇ、同じ物で同じ大きさならば、大体同じ量のマナしか蓄えれないが、その理由が今まで不明でしたので。それで保持する力がどのくらいになるのか、物の重さや大きさ、分かっている蓄えれる量から仮に試算してみたのです」


「ふむ? やはりそんなモノを書いておって、先の結論になったのは分からんのぉ」


 彼はいわゆる天才というやつなのだろう、そういった者は往々にして過程をすっ飛ばして結論を語ったりする。

 だから人との話がかみ合わないこともままあるのだが、まぁ彼はそんな者たちの中でも比較的話がしやすい方だろうか。


「いくら試算をしたところで、結局そこを増やしたりできなければ全く意味がない数字だと思いまして」


「まぁよいが、そろそろゴーレムが稼働できるのではないかの」


「え? ……確かにそろそろ稼働に充分なマナが行き渡る頃ではありますが、なぜわかるのでしょう」


「見ればわかるじゃろう?」


「いえ、そういうのは分からないようにしているのですが……」


「マナを見ることが出来れば、満ちておるかどうかくらいは分かるじゃろうて」


「聞いたことがあります、たまにマナを見ることが出来るような者がいると、以前はその技能を誰でも使えるような魔導具として確立させようと研究されたこともあるようですが」


「ほう? その研究はどうなったのじゃ?」


「私が物心つくより前に破棄されたと聞いています。マナの見え方が人それぞれすぎて、研究することが出来なかったのが理由だったかと」


「確かに、人によって光であったり色であったりと様々じゃからのぉ」


 そんなものまで魔導具にしようとするとは、ワシの想像以上に帝国というのは技術にどん欲なようだ。

 とはいえ現状では帝国の技術は神国に提供することが決まっているので、その貪欲さは今や利益であるのだが。

 けれどもだ、その貪欲さが行き過ぎないように目を光らせる必要もあるかと、帝国の技術者の話を聞きながら、今すぐ止めさせた方がいい研究などをしていないかなどをさりげなく聞き出してゆくのだった……

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