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女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
間章
214/3463

ライラの場合

 今日も今日とて森の中で、魔獣時々魔物狩り。

 今はおじさんに紹介してもらった人達とパーティを組んでいる。

 大体同じ時期に三等級になって男女半々の四人グループだ。


「はい、どーん!」


「よし、これで終わりかな?」


「多分…」


「じゃ、周り警戒お願いね」


「はーい」


 私以外はみんな剣士だから、欠片を探してる間は私が周りを警戒する役割。

 耳と目の良さが自慢だから私に合ってるし。

 それに何よりあのドロドロを触らなくていいって云うのが嬉しい。


「こっちは砕き終わったぜ」


「こっちも…」


「わたしも終わったよー」


「それじゃ行こっか」


「あぁ、休憩できる場所まで戻って今日はそこまでかな」


「はーい」


 まだ日は高いけど無理はいけない。今日中になんて訳じゃないんだから尚更。

 それにしてもカイルがかーさまに連れていかれてから結構経ったけど無事なのかな?


 やってる事はこう紙に書かれたことの整理のはずなんだけど、偶にカイルの悲鳴が聞こえるのよね。

 ま、どうせカイルがかーさまに余計なこと言って、オシオキされてるんだろうけど。

 カイルはいっつも私の事ぬけてるーって言うけど、カイルこそ抜けてるよね。

 なんてったって心の声ダダ漏れだもの。喋って無いつもりなんだろうけど口から出てるっていうね。


「ここいらで休憩しよう、周囲の警戒は忘れるなよー」


 森の中、ちょっとだけ木々が開けて小さい広場になっているところに着いたのでみんな腰を下ろす。

 私もちょうど良さそうな石に腰掛けて家で煎れた、冷めても美味しいお茶を飲む。

 警戒忘れるなーなんて今更言われなくてもだけど、こうやって一々口に出すのが重要だっておじさんや、かーさまも言ってた。


 街への帰りではちっちゃな動物と出会った位で特に何事もなく帰り着いた。

 だからって油断はしない! だってかーさま見たいな素敵な恋愛をしたいんだもの。

 何かあったらそれどころじゃないしね。だから帰ったら必ず魔法の練習をしてるんだけど中々上手くいかない。


 とーさまみたいにバラバラの目標に全部当てるっていうのを目指してるんだけど、どうしても全部同じ方向に飛んでっちゃう。

 あ、でもとーさまより一緒に飛ばす数は多いって褒められた、とーさまの魔法がバババンって感じなら私の魔法はバババババーンって感じ!

 それとかーさまに教えてもらった、とっておきの方法で威力も高くしてるんだ!

 とーさまの得意な氷の杭を飛ばす魔法を、ぐるぐるーって回転させてずばーんって飛ばすの。


 試しにやってみたら前まで刺さるだけだったのが、ずどーんって後ろにまで飛んでいってびっくりした。

 本当は爆発する魔法が得意だし好きなんだけど、ぐるぐるーって奴は飛んでる間キラキラ光って綺麗だしこっちも結構好き。

 でもやっぱり爆発する魔法の方がいいな! だってかーさまとおそろいなんだもの。

 かーさまはアレは魔法じゃないって言ってたけど、炎がぽーんって飛んでいってどーんってなってたから魔法だと思うんだけど何が違うんだろ。


「ライラ様、そろそろお夕食の時間になりますので、一度身支度を。」


「あ、もうそんな時間? ありがとー」


 新しいお屋敷に移ってから何人も使用人の人が増えたけど、何でなんだろ。

 確かにお家広いし、前と同じ人数だと掃除が大変だからかな?

 カイルはのーぶれすおぶーりじゅ、なんて難しい事言ってたけどアレなんだろ。

 その点かーさまは凄いよね、カイルが言ってた事を理解して私に分かりやすい様に教えてくれた。


「誰かの見本になれる人になりなさい。だっけ…まさにかーさまやとーさまだよね~」


 私は見本になれるかまだちょっと分かんないから、がんばって魔法の練習もしてるしね。

 よし! 明日もがんばろーその為にもまずはご飯だ!

 とと危ない危ない練習の後は埃だらけになるから落としてこなきゃ。

 誰かの見本になれる人、だもんねー。


 かーさま譲りのふわふわ尻尾は特に念入りに。

 とーさまも、かーさまの尻尾が好きだって言ってたからね。

 まだ見ぬ素敵な旦那様をこの尻尾で捕まえるのだー!




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