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8話 農場全力開発「牛」②

「逃げて!」

マホの大声が響く。俺は状況を認知する前に駆け出した。

後ろは見れないがかなりの巨体だ。影だけで俺の影をすべて飲み込むサイズ、おそらくこの世界だけの伝説のあれだったりしないか?

乱雑に足を動かし逃げることを最優先、振り向きざまに相手の顔を拝む。

それは爬虫類のようだった。鱗のようなもので全身を覆い、その巨体を動かす。咆哮が辺り一帯に響く。自らの数倍、象よりも大きいであろうその巨体の目をこちらに向けている。

竜……どちらかというと恐竜に近い。

そいつにとって俺は? 間違いなく「捕食対象」だろう。

「マホ! 魔法はいけるか!?」

「正和が近すぎて撃てない……!」

もうちょっと逃げるしかないか。全力出したところでしがない男子高校生だから逃げ切れるかすら怪しいところだけど!


「こうなったら、やるの」


マホは唐突にそう言った。

そうだった。

俺はこのときに完全に忘れていた。何予備動作もなく絶命とかいうあの力を見せられてすっぱり忘れていた。

命を絶つ方法はひとつじゃない。

まずはマホが派手に跳躍。5メートルはありそうな高さを軽くジャンプしたように跳んで竜の首筋まで近づく。

竜はそのことに気づく間も与えられなかった。

マホはたった一言、竜の首筋に手刀をあてて、宣言する。


首切り(ディスミッサル)


無慈悲かつ絶対的な宣言と共に何の脈絡もなく竜の首が重力に従って落下した。

そこにあるのは圧倒的なまでの力の差、一人にして「最強」として完結した少女がいた。

とりあえず思った。

マホちゃん強すぎ! 助けてくれてありがとう!


スッパーンと行かれて御昇天となった竜だが、これがまた驚くべき使えなさだった。

いつもどおりの手順で肉を加工して、いつもの石で焼肉したのだが。

何コレくそまずい。

筋肉なのにレバーみたいな食感。生臭いし実際苦いしではっきり言って食えたものじゃない。

肉食生物の肉はまずいってのは聞いたことがあるがここまでまずいものなのか。

マホなんか「私が倒したから、私が食べなきゃ」って堂々と宣言して口をつけたのはいいものの二言目には……

「食べ物じゃなかった」

まさかのこれは食べ物じゃない宣言が出た。

これにてこの島でこの肉を食べる者はいなくなってしまった。しょうがないので肉はそこらで廃棄、というかマホの魔法で消滅である。

骨と皮は何かに使うので今は屋根の上で天日干しだ。

そして、問題の牧場。

鳥は無事だったが牛は全滅。とりあえずマホには代用を持ってきてもらうとして、弔いは俺の仕事だ。

牛の死体を集めて燃やす。残った骨は後で埋める。

悲運な事故だったというべきか管理に問題があったのか。

今日はマホとその手の話を話さなきゃいけないようだ。


「用心棒が欲しい」

俺はマホの採って来た魚を刺身にしながらマホにそう切り出した。

「よーじんぼー?」

「用は護衛だよ。今日みたいに竜に家畜が襲われたとして、俺たち二人じゃそれを感知し続けるのは難しい。だからあの農場に護衛みたいなのを置いて守ってもらうって感じだな」

「ふーん」

「………………」

「………………」

「……え?」

「どうしたの?」

「どうすればいいかなんか案ない?」

「ないよ」

断言された!?

「だって方法わかんないもん」

「おっしゃるとおりで」

マホが護衛を作る方法を知っているとは思ってない。

「……じゃあ、こういう案は実現できるか?」

「どうゆうの?」

「簡単に言うとプログラムだな。動物をつくることはできないのはこの前わかったんだが。無生物に行動を組み込む『手をかざしたら飛び上がる』みたいな設定を無機物に付与する。これはできるか?」

「うーん、えっと……構成コンシチュティション

唐突にマホの見ていた俺の取り分けていた刺身が浮遊する。そのまま口に含む。

「これ、コレまでの魔法の応用。魔法を複合して動かすの」

「それだ!」

「あと自動化オーティメーション

自動的に刺身がマホの口に運ばれていく。

「ひっさつ、じどーか」

「スイッチ要らずの機関までいけるのか!」

マホさん天才やでぇ。

「明日はそれを作るのからはじめるか」

「うん」

「……で、今日は俺の晩御飯どうすんの」

「……まんぞく」

「俺の分ッッ!!!」

エタり寸前というかエタってましたごめんなさい。

次回はプログラミングです。相変わらずマホちゃん強い。

よく考えたら今日だけで小説3本でした。これからも定期的に触れていかなきゃなぁこの作品。

エタってごめんなさいでした。リスタートやり直しますよろしくお願いします。

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…さすがに怪しく見える言い方

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