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3話 うわここ空気薄ッッ!

「さて、皆の衆!」

 引越しして荷物を運び入れるがマホは何も持ってなかったのでただ俺の学生カバンを部屋の中に運び入れ、皆の衆……と言ってもマホと俺しかいない新居の中。俺はとりあえず声高々に叫んでみた。 

「ここに住むにより、必要なものがあります! 何でしょう」

「はい」

「はい、マホさん!」

「たべもの」

 そしてマホのお腹がキュルリとなった。

「……お腹減った?」

「うん」

「じゃあ後でもう一回さっき獣でも狩りにいこうか」

「うん」

 胃袋が相当大きいようだ。

「まぁなんにしろ今から作るものには毛も皮も必要だからな」

「……何つくるの?」

 首をかしげるマホに俺は、断言した。

「お布団だよ!」


 お布団、オフテゥン。言い方はあれど用法はひとつ。それを使ってゴロゴロする。

 寝てよし、掛けてよし、飛び込んでよし。ふんわりと人を包み夢心地にさせる人間の最終兵器お布団。

 これから生活するなら日本人はこれがないと寝られない筈。

 作り方はよく知らないが、多分さっきみたいな獣の皮を使って袋を作りその中に羽毛を入れる。おそらくこんな感じ。

 さっきの獣は結構大きかったし、奥に行ったりすればもっと大きい獲物がいるに違いない。

 それよりも問題は羽毛。兎とか鳥とか羊とかそういう柔らかい毛の動物がいるのかだ。

 なんにしろ外に出なければ。

「じゃ、マホ。食材と資材を探しに島探索するぞ~」

「お~」

 一時間かからず建てた家を出る。外は相変わらずの晴れ。

 絶好の探索日和だな。

「とりあえず島の全体図を知りたいな。マホ、なんかいい方法ないか?」

「……えーっと。浮遊(フロート)

 俺の体が浮いた。マホも一緒だ。

 そのままグングン高度を上げていく。

「えぇーーッ! てかその魔法って自分にも使えんの!?」

「もち」

「お、お、おぉ怖い」

 急に上昇を止め、空中に静止するマホと俺。

「降りる? ダウ……」

「やめろその方法でおろされたら俺の心臓が死ぬ! ピタッと止まっちゃうから!」

 家建てるために木を落とした時も結構なスピードだったしな。

「わかった」

「よし……慣れてきたぞ。じゃあそのまま島が見渡せるくらい上ったら止まってくれ」

「はーい」

 そしてかなり上ってきた……って

「広ッッッ!!!!!!!!!!」

 広大な大地が広だっている。これはあれじゃないか?もう大陸と言うかそのレベル? ……違うみたいだ。

 でも、イギリスくらいは有りそうだ、形が全然違うけど。

 イギリスが鋸だとしたら、この島は大福だろう。形的にはオーストラリアだろうか。4分の1サイズ?

「広いな……」

 小さい島なら数十分もあれば一周する…とか鼻で笑いそうな感じだ。まぁ俺が言ったんだけど!

「それにしても、こんなに広いのに俺らみたいな人間がいない…?」

 それが不思議なところだ。本当にいないのだろうか。

 でも、目的のものはいそう。ところで。

「く、空気が薄い…」

 イギリスって相当でかいよね。全貌を見るなら高度は1万超える筈。

 ……そんなところに人間がいたら、死にます。

 早く……高度を……下げない……と……

「マホ…ごめん。落ちるわ」

「……え?」

 返答を聞くより先に、俺の意識はフェードアウトした。


 気づけば、俺は家の前の砂浜に捨てられていた。捨てられていたというより寝転んでいた。

 空気薄すぎて意識とんだからマホが降ろしてくれたのだろう。

 で、そのマホはどこに……もいない。

 見限られた?だとしたらもう生きていける気がしないけど。

 ザッパーーンッ!

 その波の音は突然で俺は振り返っても反応すらできなかった。

 突然砂浜に波しぶきが上がるとか聞いてない。

 え、何これ? 超常現象? 海底火山が噴火でもした?

 違った。

「やっほー」

 現象の正体はマホだった。…ついでに俺の数十倍はありそうな魚を抱えているけれども。

「おきた?」

「おかげさまでピンピンだぜ。ありがとうな」

「うん」

「で、それは?」

「たべもの」

 マホのお腹がまたキュルリと音を立てて鳴った。

「……食べるか」

「うん」


 てことで無人島3分クッキング。

 今回使う食材はこの35メートル級巨大魚! 調理は簡単。焼き魚です(ただしバラエティで使われてるサイコロのサイズ)。

 まずは骨と肉とか血管とかをマホに頼んで分解。

 そしてこの前作ってもらった黒い石に加熱をしてもらって、切断してもらった魚のサイコロお肉を丸ごとドン。

 表面を本当にサイコロよろしく転がして急速表面加熱で焼き上げます。

 味付けには海水をドバッとかけておいしくいただきましょう。

 ……要はなにが言いたいかといいますと、俺は特に何もしていないということだ。


 巨大魚なのでうろこのサイズも桁違い。ということでそれをお皿にしていただく。

「…美味い」

 ただ焼いて海水ぶっ掛けただけなのになんでこんなに美味いんだ。

「おいしい」

 マホもおいしくいただいてる。ちなみに只今4つ目のサイコロをいただいている。……残り3つ。

「鱗は集めて鳥除けにしよう。マホ、今日の夜ご飯は貝を頼む」

 そろそろお皿もほしいところだ。

「わかった。さっき下にデカイの沈んでた」

 ……なんかここら辺一帯サイズ感がおかしくないですか?

「結局布団も作れてないし、まだまだやることいっぱいだな」

 感覚的にこれは遅めの4時おやつ。7時の夜ご飯まではもう何仕事かできそうだ。

「がんばるぞ」

「おー」

……2話の活動報告を見た方ならわかると思いますが投稿日が詐欺でした。

「一週間後に投稿? 明日にはしてんじゃねえかこのアホめ!」とどうぞ罵ってください。まぁそれで喜ぶ属性は著者にありませんが。

前回がすごい急展開なので今回は遅めです。何も始まってません。

……だって始まると速いですし。

では、次回こそ本当に一週間以上かかります。

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…さすがに怪しく見える言い方

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