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蘇生勇者と悠久の魔法使い  作者: 杏子餡
イフリ山とエリュオンの覚醒
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38

 人の居ない薄暗い場所で激しく剣がぶつかり合う。イサムはエリュオンよりも弱い、剣初心者である。それなのに、エリュオンを刺した闇の男と互角に戦っている。


『やるな! エリュオリナよりまともに戦えそうだ!』

「俺はエリュオンより弱いんだけどな! 手を抜いてるんじゃないか?」

『減らず口を!』


 剣がぶつかり合う度に、イサムにはエリュオンの記憶が見えた。彼女が生きていた頃の記憶が、まるでその場に居たように思い出せる。


「なんであの時、お前は彼女を救わなかった!」

『なんだと? 何が言いたい?』


 イサムは今、エリュオンの記憶を自分の記憶の様に感じている、それは恐らく手に持つエリュオンの剣がそうさせているのだろう。


「六百年前…お前はエリュオンの手を離した。そうだ…お前が殺したんじゃないか!」

『何故それを知っている…! まさか! その剣が見させているのか…!』


 六百年前にこの場所で起こった悲劇。それを知る者はもう居ない。





「エリュオリナー! 早くしないと始まるよー!」

「待ってー!」


 今日は年に一度のイフリ精霊祭の日だ。イフリ山の山頂付近にある都タナスータは、大いに賑わっていた。


「今年の主役はエリュオリナなんだから、遅れると恥ずかしいよ!」

「分かってるわよ! ネルタクも母様に段々似てきたわね…!」


 毎年行われるイフリ山の祭典には、多くの人が都に訪れる。タナスータが崇拝しているイフリトに感謝を捧げる演武を今年は都の長の娘エリュオリナが務めると言う事で、例年にも増して祭りの会場には人が集まっていた。


「うっわ! こんなに人が大勢…緊張してきた…」


 待合室用に造られた六畳ほどの小さなコテージの中で着替えを済ませ、部屋の中をウロウロしている。そんな中で扉がノックされ、一人の男性の声が聞こえる。


コンコン


「エリュオリナ、着替えは済んだのかな? 良ければ見せてくれないか?」


 その声、エリュオリナが幼い頃に家の関係により養女として出され、それでも優しくしてくれた義理の兄メテラスである。歳は三つ上で、いつでも気に掛けてくれる優しい男性だ。


「メテラスね! 入ってもいいわ!」


 ガチャっと扉が開き、赤黒い髪の男性が入ってくる。そしてエリュオリナの着ているこの土地の民族衣装を見るなり言葉が出る。


「やはり綺麗だねエリュオリナ!」

「な…何を言っているの! 余計に緊張するじゃない!」

「ははは、本音を言ったまでさ。未来の花嫁にね」

「…メテラス…それは…」


 この家の養女としてきた理由、それは戦略結婚である。互いの家同士が仲良くする為だけの道具、諜報やもしもの時には、その命を犠牲にしてでも敵を討つ為の武器でもある。


「分かっているさ…でも、二人が夫婦になれば少しでも関係が良くなるとは思わないか?」


 この都には二つの勢力があり、一つはメテラスの家でもう一つはエリュオリナの家である。互いの力は拮抗しており、無益の争いを避けるために互いの娘を交換したのだ。メテラスの家にはエリュオリナを養女に、エリュオリナの家の方にはメテラスの妹ネルタクを養女に迎える事で、互いに付かず離れずの良好な関係を築いていた。


「それは分かってるわ…でも、もう少し考えたいの…」


 この都では十六歳で成人となる。エリュオリナは明日が誕生日であり、成人を向かえる日でもあった。だからこそ、メテラスは彼女を嫁に向えて互いの家の為に、更なる良い関係を持ちたいと考えていた。

 だが、エリュオリナには夢があり勿論叶わないのは知っているから、その分もう少し自由で居たいと思っていた。

 メテラスを顔を見て首を横に振るエリュオリナは、コテージから出て会場へと向う。そして祭りは始まる。


「エリュオリナ綺麗ね―……」


 会場の近くから見るネルタクは、ウットリとした顔でエリュオリナの演武を眺める。そんな中、今だコテージの中に居るメテラスはエリュオリナの着替えを握り締め床に叩きつける。


「くそ! 何で嫌なんだ! 幼い頃からずっと優しくしてきたじゃないか!」


 幼い時にエリュオリナを見たとき、メテラスは彼女に恋をした。いつか自分の物にしたいと願ってしまった、そして彼女は明日十六歳を迎える、結婚し夫婦になれる歳だ。だが彼女は彼を、メテラスを受け入れてはくれない。


「くそ! くそ! これ程までに愛しているのに!」


 だからだろうか、悪しき思いは悪しき者が好む。いつの間にか闇はそこに居た。


『彼女を自分の物にしたいのか?』

「だっだれだ!」


 不意に声がし、周囲を見渡すが誰も居ない。しかし気配は確かにある、そしてまた声が聞こえる。


『我なら、お前の思いを叶えて上げられるぞ』

「な…なに…! そ…それは本当か!」


 食い付いた獲物に闇はニヤニヤと答える。


『んふふふ、勿論だ。我は途方も無く長い時間を生きてきた者だ、どんな事も叶えられるぞ』

「そ…それが本当なら、証明してくれ…俺はエリュオリナと一つになりたい!」

『んふふふふふ、容易い事だ…だが、それには犠牲も必要だ』

「なんだと……犠牲だと…」


 メテラスの近くに聞こえていた声が離れ、闇の影が姿を現す。


『勿論だとも、犠牲なくして欲しい物が得られるものか…そうだろう?』

「た…確かに…それ程に欲しい…エリュオリナを…」


 もう闇がメテラスを逃す事は無い。食い付いた獲物を引き上げて食べるだけだ。


『そうだ! こんな都など捨てて、二人で旅に出たらどうだ? 彼女もそれを望んでいるのではないか?』

「い…いや、それは家を捨てろと言うのだろう…それは出来ない…」

『では何故彼女は、お前の愛を受け入れない? それはお前達の家が関係しているからだろう?』

「それは…分かっているが…」

『だったら、我がこの都を滅ぼしてあげよう。家族も友人もみんな死ぬ、そして二人だけが生き残る…するとどうなると思う?』


 恐ろしい言葉を聞くメテラスだが、洗脳されつつある彼にはそれが当たり前に感じる。


「二人が生き残れば…頼れるのは俺しかいない…」

『そうだ! あとは彼女を煮るなり焼くなり愛するなり、思いのままさ!』

「ふふふ…そうだ…そうだな! 思いのままだ!」


 闇の欲望を掻き立てる言葉に、メテラスは不敵な笑みを浮かべた。それからしばらく経ち、エリュオリナがコテージに戻って来ると、メテラスは居なかった。だがエリュオリナの服だけが汚され放置してあった。


「私が我慢すれば良い…我慢すれば、家族に迷惑を掛けない…」


 もし彼を受け入れなかったら自分の家族に被害が及ぶ、それは分かっていた事だ。養女に出された時から、彼に出会った時から決められた運命なのだと、エリュオリナは受け入れるしかなかった。

 翌日、彼女の部屋にメテラスが訪ねる。泣き腫らした目は赤くクマも酷いが出ない訳にもいかない。


「メテラスどうしたの? 私に何か様?」


 何を言うかは分かっている。でも、もしかしたら違うかもしれない。


「誕生日おめでとうエリュオリナ! 君にこれを受け取って欲しい!」


 そう言いメテラスは、小さな箱を手渡す。その中には婚約指輪が入っていた。


「メテラス……私…私は、貴方と結婚するわ…」

「そ…そうか! そうか! 良かった…! じゃぁ夜のエリュオリナの誕生祝の席で発表しても良いかな?」

「ええ…もちろんよ…ただ今は昨日の疲れが出たみたいで、もう少し休みたいわ」

「あ…ああ! すまない。じゃぁ俺は失礼するよ…ゆっくりとおやすみ!」


 メテラスがエリュオリナの部屋から出て行く。涙が止まらない昨日あれほど泣いたのに、枯れる事を知らないエリュオリナの涙は止め処なく溢れる。彼女は涙を拭うう事もせず、ただ立ち尽くしていた。

 エリュオリナの部屋から出たメテラスは自室に戻る。昨日の事が嘘のように、彼女は自分を受け入れてくれた。心が弾み、緩む表情を戻す事無くメテラスは舞い上がっていた。そこへ現れる闇。


『おやおや、随分と浮かれているね。良い事でもあったのか?』

「昨日の闇か…聞いてくれ! エリュオリナが俺を受け入れてくれたんだ! もうお前は必要じゃない!」

『何だと? んふふふふ、お前闇を何だと思ってるんだ?』


 突如メテラスは空中へ浮き上がり天井に叩きつけられ、そのまま床に落とされる。


「ぐあ! な…何をするんだ!」

『我と約束を交わした以上、その約束を果たして貰う。それともこのまま死ぬか?』

「ま…まってくれ! で…ではどうすれば…」

『イフリトを起こしてイフリ山を噴火させる』

「な…なんだと! そんな事をしたら都は滅んでしまう!」

『当たり前だ、お前が望んだ事だぞ。だが、お前ら二人は助けてやろう』


 闇はフワフワとその場に留まっているが、そこから伝わる恐怖にメテラスは身動きが出来ない。


『お前の選択肢は二つ。都と共に死ぬか、都は滅んで二人だけ生き残るかだ』

「そ…そんな…」


 メテラスが必死に考えても到底その答えは出ない、そして最悪の選択を選んでしまう。


「わかった…だが、俺とエリュオリナだけは助けてくれ!」

『んふふふふ、承知した。では準備に入る、これをお前に渡そう。都が滅びる前に使うが良い、都から転移する事が出来る魔法を施してある』


 闇がユルユルと影を伸ばし、メテラスの手に黒玉の転移のアイテムを渡す。そしてその禍々しくも黒い闇の靄は消える。メテラスはガチガチと震え、ベットのシーツに潜り込んだ。これから始まる地獄を誰にも教える事無く、ひたすらシーツに身を丸め震えていた。そして時間は過ぎていく。


『んふふふふ…楽しみだなぁ…どんな悲鳴が聞こえるかなぁ』


 イフリ山の頂上火口付近に現れた闇、ユラユラ形を成し真っ黒な服に身を包む女性が逆さまで現れる。


『あの二人は素質がぁありそうだからぁ、都を滅ぼしたらぁじぃっくりぃと黒く染めてあげたいなぁ』


 舌なめずりを一つして、逆さまの女性は片手を出して魔素を集める。バリバリッと雷が手に集まっていき、それが球状に形作られる。


『イフリとあんたが起きたらどうなると思う? 自分を称える都を自分で滅ぼすんだ! んふふふふ、喰らいな! 暗黒の雷轟ダークネススパーク


 雷を帯びた黒球体は、真っ直ぐにイフリ山火口中心へと向かって行く。その瞬間、けたたましい音と共に火口が吹き飛び、底で眠っていた精霊イフリトが目を覚ます。


ガァァァァァァァァ!


『あららぁんふふふ。起きちゃったわねぇ』


 ケラケラと笑いながら黒い女性は靄となり姿が消える。そしてそれが合図だったようにイフリ山は噴火した。


ドォ―――――――ン


「な! 何が起こった!」

「ふ…噴火だ――――! イフリ山が噴火した――!」

「そんな! イフリト様がお目覚めになった―――!」


 都の人達の驚きは一気に広がり、都中がパニックになる。そこにメテラスの父が指示を出す。


「早急に防御魔法を張れ! 噴石や火砕流が来る前に対処するんだ!」


 火山の傍にある都である以上、噴火の危険性も考慮してその対応は早い。だが今回は対処できない事態が起こっている、イフリトの目覚めである。


「なぜだ…昨日の時点では起きる気配はなく落ち着いていたはず…何が起こったんだ…」


 都の長であるメテラスの父も、原因がまったく分からず対処に追われている。そして防御魔法が都を多い尽くす頃、イフリトが火口よりあふれ出させた溶岩流が都へと流れてくる。


「溶岩流が…このままでは都が飲まれてしまう」

「如何しますか!? このまま防御魔法を張り続けると、都が溶岩流で埋もれてしまいます!」

「分かっておるわ! だがこのまま解除しても避難出来ずに都の者は死ぬぞ!」

「ですが! 埋もれても同じでございます!」

「ぐぬぬぬ!」


 答えが出ないまま、都の押し寄せた溶岩流は止まる事無く防御魔法の上を這い広がっていく。その中でエリュオリナ達も異変に気付いていた。


「どうしよう…イフリ山が噴火してしまった!」

「エリュオリナ! 無事か!」


 メテラスが部屋に入ってくる。エリュオリナも動揺してどうして良いか分からない様だ。


「皆逃げる準備をしている! エリュオリナも急げ!」

「うん…! 逃げないと…!」


 いつでも噴火の際に逃げれる様にと準備がしてある袋を取り、愛用の大剣を背負い家の外に出る。都の人達も大小様々な手荷物を持ち必死に逃げて行く。


「でも…どこに逃げれば良いの…!」


 防御魔法を覆う溶岩流に為す術もなく途方に暮れる人々を見ながら、メテラスがエリュオリナの手を引っ張る。


「こっちだエリュオリナ!」

「あっ……メテラス! 何処に行くの!」


 逃げる人を避けつつ、人が居ない方へと進むメテラス。そして周りに誰もいないと判断した彼はエリュオリナの腕を離さずに、闇から貰った黒玉の転移アイテムを使う。


「え? メテラスそれは?」


 その瞬間周囲が真っ暗になり、メテラスとエリュオリナは転移の魔法により別の場所へと移動した。


「こ……ここは……?」


 いきなりの事で分からなかったが、どうやら別の場所へと移動したようだ。


「エリュオリナ、下を見てくれ」


 飛ばされた場所は、都を下に見る高台である。そしてエリュオリナはあり得ない光景を目の当たりにする。


「そ…そんな…あれは…私達の都なの……?」


 流れる溶岩が大きな河になり都があった場所を流れている。


「どうして…どうして…みんなが…みんなが…」


 言葉が出ない。だが、疑問が湧いた。なぜ彼は転移のアイテムなど持っていたのか。


「ねぇ…メテラス…なんで転移のアイテムなんて持ってるの?」

「あ…いや…それは…知り合いの占い師からもらったんだ…もしもの為にと」

「もしもの為? それって、今起こってる事を知っていたって事!?」

「いや…それは…その……」

「はっきり答えて!」


 転移アイテム等なかなか手に入る物ではないし、それを簡単にあげるなんて人は居ない。だったら、今起こっている事を知っている事になる。知っていて準備していたなら、持っていた理由が分かる。


「実は…闇が現れたんだ…都を滅ぼすと…」

「闇ですって…そんなの誰が信じるの…?」

「本当なんだ! でも……俺ら二人は助けると約束してくれたんだ…それでこのアイテムを…」


パァン!


 エリュオリナはメテラスを頬を思いっきり叩く。


「貴方は最低よ! 私達だけ生き残ってどうするの! 知っていたなら何故、他の人達に知らせなかったの!」

「そ……それは、俺も知らせようとしたさ! でも間に合わなかった!」

「嘘よ! 貴方…昨日闇に会ったんじゃない? 私の服だけをあんな……あんなに気持ちの悪い…汚し方をするなんて…異常だわ!」


 昨日コテージの中で散乱していたエリュオリナの洋服は、メテラスが性的な意味で汚したであろう痕跡が沢山残っていたのだ。


「う…うるさい! お前も闇と対峙してみろ! あの恐怖にお前が耐えられるのか!」

「それは貴方の心に闇が居るからだわ! 心が汚れているから闇に狙われたのよ!」

「い…言わせておけば…!」

「何よ! 殺す気? 良いわよ! 私は貴方と生きるくらいなら死んだ方が良いわ!」


 その時、大きな揺れが起こりエリュオリナとメテラスの地面に亀裂が入る。そしてエリュオリナ側が崩れ始めた。


「きゃぁ!」


 すかさずメテラスはエリュオリナの手を掴む。彼女の足元は崩れ、その下には溶岩が流れている。


「だ…大丈夫か! エリュオリナ!」

「何故…! 何故私だけ助けるのよ! 他の人達…父様も母様もネルタクだって生きたかったはずよ!」


 エリュオリナの目には大きな涙が溢れ、頬をつたい零れている。


「エリュオリナ! 俺は君を愛しているんだ! 何故それを分かってくれない。君を失いたくない!」

「嫌よ! 私は自分で好きな人を選びたい! 貴方なんか願い下げよ!」

「そんな事言わないでくれ! さぁ! 反対の手に掴まれ!」


 メテラスはもう片方の手を差し出して、エリュオリナを引き上げようとする。


「やめて! 言ったでしょ! 私は貴方と一緒に生きて居たくない! 貴方が奪った命の中に私も加えなさい! 最低のクズ野郎! 二度と貴方には会いたくないわ! 殺せ変態!」


 メテラスは無言のまま、掴んでいた手の力を抜く。そしてエリュオリナは大粒の涙と共に流れる溶岩の中へと消えていく。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! エリュオリナが! 俺のエリュオリナが死んでしまった!」


 泣き叫ぶメテラスの後ろに闇が現れる。イフリトを目覚めさせた逆さまの女性だ。


『あらあらあらぁ、彼女死んじゃったのねぇ可哀相にぃ』

「助けてくれるんじゃなかったのか!」

『何を言ってるのぉ? お前が手を離したじゃないかぁ…んふふふふ』

「ち…ちがう!」


 メテラスは黒い女性に掴みかかろうとするがすり抜ける。


「俺は……全てを失った…何もかも…」

『そうねぇじゃぁ彼女に会わせてあげても良いわぁ』

「な…それは本当か!」

『当たり前ようぅ彼女が死ぬ時の心の闇は、とてつもないものだったわぁ十分引き込めそう』

「引き込める?」


 何を言っているのかまったく分からない。だが会わせてくれると言う言葉に今はすがるしか無いとメテラスは懇願する。


「頼む…また彼女に会いたい! なんでもする! 彼女に触れたいんだ!」

『良いわよぅ貴方も十分に闇に落ちたクズ野郎ですものぉ』

「で…おれはどうすればっ……!」


グシャ!


 突如振ってくる噴石に一瞬で潰されたメテラス、それを見ながら笑う黒い女性。


『んふふふふふふ! 良いわぁ二人とも連れて行きましょうぅ、新しいコアの素材になりなさいぃ』


 防御魔法の障壁により溶岩に囲まれた都は、ガスと熱気に囲まれてまさに阿鼻叫喚である。その声を聞きながら快楽に悶える黒い女性は、溶けたエリュオリナと潰れたメテラスの死体から黒い靄を引き抜き自分の体へと押し込んだ。そしていつ終わるのか知る由も無い果てしないイフリ山の噴火を見ながら、次の獲物を見つけるが如く、黒い霧となり笑い声と共に消えていった。

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