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目を覚ましたら架音と桜宮さんが話していた。
架音がその場に居て気づかないのは無かったので何か大事な話かと思って声をかけないようにしていた。
「起きたのか?」
気づかれてしまいましたね。
「有理亜、無理しないほうが・・・」
「大丈夫です。それより・・・今の話はどういう意味ですか?」
中等部、高等部の現実的な話をしてから何かあると思いました。
まるで・・・予知しているかのように・・・
「・・・今は知る必要がないよ。」
「架音、知ってもらったほうが此方としてもいいのではないか?」
「でもね・・・・」
あれ・・・?
架音もそうですけど、桜宮さんもまだ小学生になるかならないかの年なのに・・・そこまで大人びているんでしょう・・・。
「転生者・・・?」
わたしと同じとしたら・・・
そう思っていたら口に出していたようです。
お二人は目を見開いています。
「有理亜・・・もしかして有理亜も前世の記憶があるの?」
「も・・・ということは・・・架音と桜宮さんもですか?」
ふと窓ガラスを見ると3人が写っていた。
わたしは体調がすぐれないので青白いとしても2人も少し顔が青いです。
「・・・そうだよ。
ということは”Le contraire”の事も知ってるってことかぁ。
だったら話は早いね。」
Le Contraire?
確か・・・・
「真逆ですか?」
「知らないということだな。」
「ほんとにね。」
「有理亜、君は前世だと何歳だったんだ?」
前世は・・・・
「12歳ですけど・・・・」
「わぉ・・・若いね。」
「事故死でしたからね。」
「「・・・・」」
やばい空気が重苦しいです。
「とは言え、意識がすぐに無くなったので痛みはありませんでしたよ。」
「・・・・取り敢えず、現状説明をしようかな。」
「そうだな。」
そう言って話されたことは此処はLe contraireと言う恋愛シュミレーションゲームの中で、
わたしがライバルキャラと言いました・・・・ってええ!?
「ちょっと待ってください!」
驚きすぎて起き上がったけれど身体の不調には負けふらふらとしてしまうのを架音が支えてくれた。
「ど、ッどういう意味・・・ですか!?」
「落ち着いて・・・体に負担がかかるよ。」
「今かけているのは架音だぞ。」
桜宮さん、貴方もその一部っです。
「悪役キャラがヒロインっていう変わったゲームでね、
ギャクみたいなものだったんだ。それで有理亜は伊織を攻略する際のライバルキャラ。」
「ちょ・・・ちょ・・・わたしまだ桜宮さんに会ったばかりですよ?」
「あー・・・なんかどこかで婚約者になると思うよ。」
嘘でしょうという意味を込めて桜宮さんの方を向いたけれど首を横にふられた。
「成る程・・・・取り敢えずバッドエンドにさせれば良いのですね。」
「まぁ・・・そういうことだ。
向こうのバッドエンドは此方にとってはハッピーエンドだ。」
どういうゲーム何ですか、それ。
そう思いながらこれからのことを覚悟した。