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=[OTA-USB]  作者: 7%の甘味料
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第1話

第1話


スマホを片手に総務線の車内に座り込んでいる眼鏡をかけた20代前半の男がいた。

一見、普通の若者のように見えるが、下に置かれた紙袋からは自己主張をする様にビームサーベル。

ではなくタペストリーが3分の1くらい顔を出している状況である。

この男は今増加傾向にあるオタクと言う部類の人間であり。

男がスマホで見ているものはとあるフィギュアのオークションのサイトの落札状況を示したページであった。

彼の名は尾田 有斗、漢字は違うが歴史上偉大な人物である織田 信長とは似ても似つかない人物と思うかもしれないが。

尾田には野心があった、彼は世界一のオタクになると言う誰が聞いても馬鹿げていると思うかもしれない野心が。

実際彼はフィギュア、ゲーム、タペストリー等のレビューサイトを持っており。

そのサイトの人気は計り知れない物であるし、ネットだけなら友達はかなりいる方だ。

だが現実的に彼を見た場合コミュ障で現実では友達はほとんどいない。

大学も出席していないので今は秋であるが、取得単位数0がほぼ確定しており。

彼女は画面の中にいると自称している始末。

今は親からの仕送りと株で生活とグッズの購入をやりくりをしている。

尾田は秋刃原から乗ってきた総務線から、最寄り駅に降り。

駅前にある漫画喫茶へと向かっていく。


何故尾田は漫画喫茶に向かったかと言えば。

尾田は複数のネトゲーを掛け持ちしていて、その一つのネトゲーが漫画喫茶でプレイすると。

ゲーム内で使えるポイントが増えると言う特典を狙っての事だった。

尾田は店員に何時もながらの無愛想で会員カードを出し、そのまま席へと座ると彼はあるものを発見した。

「なんだ...これ?USBメモリーか.....」

尾田がPCの電源ボタンを入れようとすると。

緑色のUSBメモリーがPCにささったまま放置されていた。

仕方ないと思い店員に報告しようとしたが、尾田には好奇心と言うものが沸いてしまい。

「中身気になるし確認してみるか、忘れた奴が悪いんだし...」

USBメモリーを刺したまま、彼は電源ボタンを入れた。

PCが起動すると彼は、USBの中身を確認するためUSBを開くとそこには一つのアプリが入っているだけだった。

「なんだこれ....OTA-USB?、おーてぃーえー?、おた?どっちの読みなんだろうか。

 アプリが一つしかないってのも気になるしもう少し開いてみるか。」

彼がそのフォルダを開くとそこには、アプリを動かすプログラムファイルがごっそり入っており。

一番下にread meと書かれたテキストファイルとアプリを起動するexeファイルが入っていた。

ここまで来たら彼が最終的にexeファイルをダブルクリックするのは誰が見ても想像できる。

彼はこれを開く前に、read meファイルをクリックし、exeファイルも開いた。


   OTA-USBの使用方法


1.このアプリは[OTA]つまりオタクのために作られたアプリです。

2.このアプリの一番上の欄にオタク的願望を書いてEnterボタンを押すとその願望を叶える事ができます。

(例 ○○製の○○のフィギュアが欲しい、ネトゲで課金するための金が欲しい、○○のイベントに参加するためのチケットが欲しい。

3. ただし叶えられるのはオタク的願望のみです。

(例 フォアグラが食べたい→×、就職したい→×、3次元の彼女欲しい→×、金が欲しい→×(※4)

4.オタク的願望を叶えるためのお金を他の事に使おうとすると使う前にお金が消滅します。

5.................


4以降にまだ書かれているがここで、尾田は読むことをやめてしまった。

尾田は好奇心で開いた奴への悪戯をしていると考えたからだ。

馬鹿馬鹿しいと思いexeファイルを閉じようとすると。

ふと、スマホを取り出し総務線で開いていたページを開く。

そこに写っているのは、リリカルスターの鈴美と言うキャラのフィギュアで。

現在の最高落札予定額は200万円と言う状況になっている。

ここまで価値が高騰している原因は、このフィギュア自体生産数が少なく。

更に初回限定版でこの世で5体しか生成されていないものであり。

ヒロインのパンツの色が通常では普通に白パンなのだが、初回限定版ではレースの綺麗な水色の下着となっているのだ。

製作者側が普通なら見えない所で凝り過ぎるのは費用の無駄だと言う事で初回生産以来それをなくしてしまったらしい。

リリカルスターは2や3で有名になったが1作目の最初の発売時はほとんど売れなかったがため、1のグッズはファンでも幻の品として隠れた場所で取引されているそうだ。

「試しに書いてみるか、どうせできなくて釣り乙って状況だと思うけど」


リリカルスターの初回限定版生産の鈴美のフィギュアが欲しい [Enter]


尾田は何時もタイピングをやっているせいか、凄い勢いでこれを書き、Enterボタンを押した。

その時だった、ふと尾田が横を向くとそこには夢にも見た初回限定版生産の鈴美のフィギュアがあった。

尾田は何が起こったのか、物理法則はどうなってるのか、様々な事が頭を巡ったが。

最終的には歓喜して、そのフィギュアとUSBをそのまま持ち帰り、心をウキウキさせて家へと帰っていった。

漫画喫茶のネトゲーの特典は完全に忘れてしまったようだった。


そのまま彼はマンションの自分の部屋へと入ると。

そこは彼だけの天国、夢の楽園が広がっている。

玄関に所狭しと並べられたタペストリー、埃を避けるために透明なケースに入れられたフィギュアの数々。

寝室は抱き枕が2つくらい置いてあり、シーツも添い寝シーツとなっている。

そして今日手に入れたフィギュアを持ちながらPCに近づくと。USBを差し込んだままにして。

フィギュアを開封し、その魅力に酔いしれていた。

嘗め回す様に、ニヤニヤした気持ち悪い目で視姦し。

下から除きこみ水色のレースの下着である事を確認し。

そのまま、悶えて床を転がり始める。

この自室でのオタクの生態を曝け出している尾田であったが、突然誰もいないはずの自室に突然尾田以外の声が響いた。

「よう!待たせたな」

「へっ?うわああああああああああなんだおまえ」

そこにはコスプレをした30台くらいの男がいた。

魔法使いの様な格好でマントを羽織り、杖を持っている。

「安心しろ、盗み目的で入ったわけでもないし、痴態を見て引いてもいない。

 俺は魔法使いでマジシャン・ソルトだ、お前がさっき手に入れたこのUSBの元持ち主さ。」

突然の来訪者に動揺が隠せない尾田だったが、さっき起きた不思議な事よりはまだ現実味があったので。

すぐに平静を取り戻し。

「おまえは何者だ?」

「だから言ってるだろう、俺は魔法使い、ただし童貞魔法使いだ!

 おまえも都市伝説のようなもので知っているだろう、30まで童貞や処女を貫いた人間は魔法使いになれる。

 あの都市伝説は本物だ、ただしなるのはその人間が死んだ時だがな、おまえもいずれなる事になるだろう。

 つまり俺は幽霊とも言えるべき存在だ、まぁ成仏もしないし不死身だしお前の部屋に気づかれずに入れるくらいの能力は持っている。」

とソルトは尾田の問いに対して詳しく答える。

幽霊、30まで童貞を貫いた人間は本当に魔法使いになる事実。

正直尾田は信じ切れていないが、目の前で起こったあの現象を思い出すと、真っ向から否定するのは無駄であると悟り。

それよりもこのソルトと言う童貞魔法使いから情報を引き出すことを優先した。

「目的は何だ、USBを取り戻すためか」

「いや、USBは元々人間に渡すつもりであそこに置いておいた。

 それはもうおまえのものだ、好きに使え」

あのUSBが自分の物になると言う喜びを尾田はかみ締めようとしたが。

その前に、この魔法使いの目的を聞きだすことを尾田は優先するため質問に質問を重ねる。

「ならここに来た目的は何なんだ?」

「その前にUSBと俺たちの世界について話そう。

 魔法使いになるべき人間は死ぬと自動的に魂が、秋葉のとある裏店の2階にゲートがある異世界へと旅立つ事になる。

 そしてそこで俺たちは体を与えられ魔法使いとして、その世界で永遠の生を受ける事になる。

 そこを取り仕切っている今の王と呼ばれる人物がいるそれが童帝様だ、この方が初めてこのOTA-USBを作った。

 OTA-USBは童帝様の意思でしか増やせない、その上データのコピーも特殊な魔法がかかっていて不可能。

 とりあえず童帝様の優しさでUSBは全員の魔法使いに配られたのだが、何故か魔法使いは全員使えなかったんだ」

「おまえには使えない?じゃあ何故俺は使えたんだ」

「それは分からない、しかし使えるのは童帝様と一部の人間だけだ」

「話を続けよう、正直に言うと俺は魔法使いの世界に退屈していた。

 魔法使いになった人間は大きく分けて2種類いる。

 今の状況に満足している向上心のないオタクか、本当に人生の負け組みで屑みたいな奴しかいない。

 向上心の欠片もない、ただ毎日生前持っていたゲームやフィギュアを眺める生活はそろそろ嫌になっていた。

 そこで俺は人間の世界にUSBを持ち込み、それを拾って使えた奴についていくのが面白いと考えた。

 実は俺と同じ事を考えた奴が先月いてそいつが人間の一部に使える人間がいる事を証明してくれたからな」

尾田はソルトの目的を聞きしばらく黙り。

そして考えたすえこう言った。

「つまりおまえは、俺にUSBを使わせる代わりに俺と行動を共にさせろって事か」

「簡単に纏めればそういう事だな」

「おまえも俺に拾われたのがラッキーだったな、俺は世界一のオタクになる事を目指してきた男だ!

 そしてこのUSBがあればその夢にかなり近づくだろう、おまえは俺がこのUSBで俺が世界一のオタクになるさまを傍観しているといい!

 俺が伝説になる!おまえはその伝説の目撃者だ!」

俺の力説にソルトは若干吃驚して引きながらも。

「お..おうキャラ変わったな、しかしそうこなくては面白くない

 これからよろしく頼むぞ、尾田 有斗」

ソルトが握手を求め尾田もそれを返す。

この日から、自称世界一のオタクを目指す男尾田と童貞魔法使いソルトのコンビが誕生し。

しかしこのコンビの結成が、これから巻き起こる壮絶な戦いの幕開けである事を。

この二人はまだ予想もしていなかった。


続く


「あっ!その前に鈴美ちゃんをケースに入れなきゃ、今日から宜しくね鈴美ちゃん」


「最後かっこよくナレーターが決めたのに台無しにしたな.......」



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