表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死有生無  作者: ベルベル
1/2

序章 悪夢

 

 序章

 

 何時からだろう? あの夢を見るようになったのは……

 蛍光灯の光で照らされたフローリングの部屋、奥のほうのキッチンからは湯気が立っている。

 家族四人ぐらいが一緒に食事を取れそうなテーブルが真中にあって、その上に幾つかの料理が並んでいる。

 

 ―――そして床には赤い水溜りが出来ていた―――

 

 僕の足元まで流れてきている。その赤い水を目で辿っていくと、部屋の隅のドアから流れ出していた。

 それを見た僕は、そのドアに向かって、ゆっくりと歩き出す。

 頭の中で嫌というほどの警鐘が鳴り響いているのに、足は僕の拒絶を無視して歩いていく。

 

       ―――赤い道を辿って―――

 

            ―――赤い水に誘われて―――

 

                  ―――理性を無視して歩いていく―――

 

 ドアに一歩、近づくたびに何なのかも解らない。恐怖が心を侵食していく。その恐怖が心を全てを侵食しようとする寸前で、僕はドアの一歩手前まで辿り着いた。たった一歩足を動かせば、首を動かすだけでドアの奥を見える。それなのに体は動かない。

 ただゆっくりと俺の目線は、下に降りていく。嫌だ、嫌だと、頭の中では警鐘が鳴り響いているはずなのに目線は下へと下がっていく。そうして僕は見てしまった。

 ドアの方から少しずつ出てくる人間の指を……それは段々と僕のほうに伸びてくる。

 手は赤い液体で染められていて、その手からはポタポタと血が滴る。

 それが僕の足を掴んで、僕は夢から覚める。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ