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udkuobukn

作者:

世にも不思議なことが起きたのです

そのことはまだ誰にも言っていません

聞こえないふりをする人ばかりなので

誰にも伝えることないなと思えてしまうからです

でも、それは私の中にあって

誰にも言えないことでした

秘密でした

教えてはいけないことでした

夜空はまだ澄んでいて

太陽はまだ影も形も見えません

何て、美しいんでしょう

この世の中は欲しいものがいっぱいあって

そのどれもが手に入らないもので

私は退屈してしまいます

退屈して、世の中はきっとそういうものなんだな、と

思い込んでしまいます

でも違いました

私には、欲しいものなんてなくても

手に入るものなんてなくても

必要なことが、目の前に見えている

大切なことが、目の前に落ちている

それを拾い上げればいいだけのことでした

それを助けてあげれば良いだけ

世の中の形に私を合わせる必要はないのです

それは突然に訪れました

稲光のように

落涙のように

私には分かっていました

あるべきところに、あるべきように

正解などはないのです

でも、私には分かっていました



たちまち起こること

気がつくと過ぎ去ってしまっていること

そんなことばかりで、いつも困ってしまいます

そんなことばかりで、私はいつも悲鳴をあげています

驚きの声をあげています

誰にも気づかれないのですが

私には聞こえています

みんなの耳には聞こえていないことが

私の声が

私の耳には聞こえていて

それは信じてくれる人の耳には

聞こえてほしいと思うのですが

それも時々の話で

時々、私は、自分の声が聞こえなくなります

時々、私は、みんなの声に操られて

その時だけ、私は誰かの声を頼りにしてしまいます

正解を与えてくれる誰かの声を聞く時

私は後悔します

私は後悔して

誰かのこと恨みます

私は、私が頼りにできる人だけをそばに置いておきたい

でもそんな人いないのです

そんな人は夢の中か煙の中だけに存在するのです

そんな人は私の声で話すだけの、私の偽物です

私は、私の声で話す本物の私の声だけを聞きたいのです

でもそんな人がどこにいるでしょう

私の中に、あなたの中に

その人は、本当はどこにでもいるのです



知らない街

知らない風景

知らない温度

知らない歌

知らない懐かしさ

忘れているだけ

忘れていること

思い出して

忘れていること

今ではもう

考えられないことが

たくさん怒っていた

あの夢の続きを

もう一度見たいと思っても

知らない気持ち

知らない言葉

話す、君の目を見ていたら

心が、どこかにいってしまいそうで

捕まえたくても

呼びかけたくても

どうしたらいいかわからない

どうしたら、君に

君に

知らない君に

もう一度

夢の中で

思い出す

君のことを

知らないまま

もう一度

君に




嫌になる、気持ちが悪くて

誰のことも信じられなくて

自分が世界の中心であるかのような

世界に自分だけ居場所がないかのような

そんな気持ち

君にも、そんな時があるとしたら

きっと伝えたいことが

言葉の端に集まっているようなことがあるとしたら

目が覚めないまま

夢の続きばかり見ているような日々に

終わりが訪れる時

一人きりであるとすれば

君は居場所があるなんて言い切れるのか

君はそばにいてくれる人が

欲しいなんて思ったことが

この世の中に、二人といない君のために

誰の代わりになってもいい君のために

この歌は終わらない

この物語は回転を続ける





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