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脱走

「早く!気づかれる前に!」

そこには、一隻の船があったが、ここに乗ってきた船ではなかった。その船に全員が乗り込んだ瞬間に、出発した。ホムンクルス神が気づいた時には、既にこの空間にはいなかった。


「とりあえず、評議会図書館に向かいます。あそこは、宇宙文明人との第1回目の契約に基づいて、ホムンクルス神は手出しができません」

「分かった」

「あなた達は大丈夫なんですか?」

「私達は、ホムンクルス神に対抗する勢力の幹部です。自己紹介が遅れました。自分はオメトル神族第2位神官のオメトル・スタディンです。自分の横に座っているのが、自分の妹の、オメトル神族第3位神官のオメトル・クシャトルです。自分達は、オメトル神族内にある、反体制グループの幹部をしており、そのためには、あなた達が必要なんです。すいません、この無礼は平にお許しを」

「気にするな。それで、何をするつもりだ?」

「質では自分達は劣ります。ホムンクルス神は、古来のオメトル神族で、神の力を手に入れ、当時の神々を超し、世界を創る許可を受けたと言われています。それ以来、あの人は、宇宙を作り続け、それぞれに神を配置しました。最初の頃は、それでも良かったのですが、徐々に、最初に意気込みを失い、今では、あのようになっています。現在では、最大の禁忌である、神を喰らうと言う行為に走っています。誰かが止めないと、世界は本当に崩壊します。メフィストフェレス神が、世界を崩壊させようとした事も知っていますが、彼は、ホムンクルス神の手先として活動していただけなんです。現在も、ホムンクルス神の側近中の側近として、実質第2位の勢力を誇っています。一方で、全世界正史委員会中央評議会主戦力部隊は、あなた達だけです。特に、今分かっているのは、スタディン神、クシャトル神、マギウス神のみです。後の、4名については、新興神のため、情報自体がありません」

「とりあえず、評議会が、本拠地になるんだな?それと、他の宇宙文明人は、どこにいるんだ?」

「空間として成立しているのは、オメトルと、新興神の出身地と、あとは、全世界正史委員会中央評議会だけです。さらに、新興神の出身地の空間に、宇宙文明人はいません」

「全世界正史委員会中央評議会にしか、もう生きていないんだな」

「後は、自分達、オメトル神族だけです。全世界正史委員会中央評議会にいる大半の人は、宇宙文明人です。彼らは、魔法を使う事ができ、さらに、神に永遠の忠誠を誓う事によって、神の気から自らを守っています。あの空間は、さまざまな神々の気が融合しています」

「着陸します、みなさん、衝撃に注意してください」

冷静に、オメトル・クシャトルが言った。

「本人とも良く似ているな」

「それは、どういう意味でしょうか?」

操縦しながら、彼女は言った。

「いや、いいんだ」

そして、着陸した。


「全世界正史委員会中央評議会は、もともと、複数の宇宙又は銀河に設置された正史委員会を束ねる組織だった。しかし、今は、オメトルに対抗する唯一の組織だ。さて、この空間で、どうしようか?」

スタディン神が考えた。

「とりあえず、ここにいる全ての人達を集めてきます。神々は、どこにいますか?」

「中央会議室だ」

そして、スタディン神とクシャトル神を先頭にして、一行は、二手に分かれて、行動した。


「さてと、まずは、君達を本当の神々にしておかなければならない」

大きな扉を抜け、半円状のテーブルと、それに沿って置かれている椅子が並んでいる、そんな部屋に入った時、スタディン神が、雪野雄一、平水智弘、加賀彩夏、宮崎幸琥に対して言った。

「俺達を?」

「そうだ」

「いったいなんのために」

雪野が言った。

「正式な神として認められない限り、神としての権利その他もろもろが受けられなくなる。その中でも、一番の理由は、今回の戦争は、空間同士と言う、今までなかった戦争になるだろう。一般人は、空間の間、何もない虚数空間に放り出されたら、一瞬で魂ごと消滅する」

そして、スタディン神とクシャトル神は、手を重ね、剣を取り出した。

「なにより、神器を使えないのが辛い」

「その、剣は…」

4人は、驚いた声をあげた。

「これは、当時いたイフニ神の神器だ。彼から、自分達に授けられたもの。名前は"光輝剣"と言う。これは、光の力で闇をなぎ払う退魔の力が宿っている」

「僕達も持てるんですか?」

「ああ。ただ、こんな剣じゃないかもしれない。神器は、神の力によって形が変わるんだ」

「神になるために儀式とかはあるんですか?」

「本当はある。ホムンクルス神に会いに行くのが、本当の儀式だが、今回は、その道は閉ざされている。よって、マギウス神、あなたがこの中で最も年長ですので、代理を申請します」

「神の宣誓か…久し振りになるが、まあ、やってみよう」

「では、これから、彼の後から、同じせりふを言ってください」

マギウス神は、咳払いをしてから始めた。それは、スタディン神も、クシャトル神も聞いた事も言った事もある宣誓だった。

「我、古来よりの神々に宣誓す。我、神の一員に新たに加わり、我、全ての法則を信じ、我、全ての人を信じ、我、全ての心を信じ、我、全ての古来の神々に対し、敬意をもって接する」

「…これだけ?」

「いや、宣誓が終わったところだ。これから、神器授与を行う事になる。さあ、利き手を前に突き出して、手のひらを上にして、それで、自分が欲しいと思うものを、その上に出るように想像して…」

そして、ゆっくりとだが、実体化し始めた。数分が経過したころ、完全に姿を現した。

「それぞれの手のひらに乗っているものが、それぞれの神器となる。そのままの姿勢を維持してくれ」

そして、スタディン神は、同時に、何かを詠唱し始めた。

「古来の神々よ、今我に力を与えよ。新たなる神の神器を、雪野雄一、平水智弘、加賀彩夏、宮崎幸琥に対し与えよ。全ての魔力よ、彼らに、何不自由なく神器を出す力を与えよ。全ての精霊よ、我らに、新たなる神に対する祝福を与えよ。いかなるものに対しても不可侵である神よ、新たなる神の神器を、謹んで上奏します…」

その瞬間、神器が一瞬消え、そして、戻った。

「これで、それぞれの神器は、それぞの自由に出し入れをする事ができる。やってみて」

4人は、まず、神器を消すところからしていた。しかし、加賀が選んだ、銃と言う選択は、神器を隠す意味がなかった。


こうして、準備ができた頃、別行動を取っていた、オメトル神族が、中央会議室にやってきた。

「すいません、ちょっと手間取りました。これで、いけますよ」

その中には、あの人達がいなかった。

「ちょっと待て、アダムとイブは、どこにいった?」

「彼らは、作業中だったので、ちょっと待っているところです。自分達は、先を急いでいる身であることを、お忘れなく…」

その目には、何か敵意も感じられるものがあったが、スタディン神は、気にしなかった。

「そうか、では、ちょっと待っていてくれ。調べ物をしてくる」


それから、たっぷり1時間は経った。スタディン神は、誰かを連れていた。

「紹介しよう。本名、エア・アダムとエア・イブだ。ちなみに、アダムはクシャトルの夫で、イブは、自分の妻だ」

「本当ですか。これは、どうも、お目にかかれて光栄です」

「いえいえ、こちらこそ」

「さてと、とりあえずメンバーも揃ったし、行くとするか」

「目的地は?」

「オメトル中央惑星内神殿だ」

スタディンが言った。こうして、ホムンクルス神とその他の生き残ったわずかな神々が、対峙する事になった。これは、歴史が刻まれるようになってからなかった事である。世界が、いや、全ての宇宙がどうなっていくか。それは、誰にも分からなかった。

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