表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
物の声  作者: むく
40/40

クッション

「何がそんなに不安なんだい?」


リビングのソファーに座りながら、水色のカバーの大きめのクッションを抱きしめていると、クッションが話しかけてきた。


    私「えっ何が?何でそんなこと聞くの?」

クッション「だって、こんなに強く抱きしめられたらねぇ・・・。」

    私「あぁ、そうだよね・・・。」

私は少し、クッションを抱きしめる手をゆるめた。


クッション「で?」

    私「うん・・・。なんか、苦しいの。」

クッション「どんな風に苦しいんだい?」

    私「うん・・・。息が苦しいの。」

クッション「息が?それは辛いだろうね・・・。病院には行ったのかい?」

    私「うん。でも、原因が分からないの。」

クッション「そうか・・・。」

    私「どうしたらいいのかな。」

クッション「そういうときは、自分の心を見詰めるんだよ。」

    私「心を?」

クッション「そうさ。身体の調子が悪いってことは、自分で病気を引き込んでいるんだよ。その根本的な原因を直さなければ、病気も治らない仕組みなんだ。」

    私「仕組みって、人間はそういう仕組みだってこと?」

クッション「そうさ。人間はそういう風に仕組まれているんだよ。」

    私「じゃあ、心の中の根本原因を見つければ、私の息が苦しいのも治るんだ・・・。」

クッション「ああそうさ。でも、見つけるだけじゃダメだよ。見つけてそれを直そうと努力しないと。」

    私「うん・・・。分かった。」


私は、なぜ息が苦しいのか、考えてみた。クッションが言うように、心を見詰めてみた。

 どうして息が苦しいんだろう?ゆっくり考えてみると、そういえば、息が苦しい苦しいって、その事ばかりに集中して、不安でいっぱいになってしまっていた。息が吸えなくなって、苦しくて死んでしまったらどうしよう・・・と、パニックになっていた。


クッション「何か見えてきたかい?」

    私「うん・・・。私、考え過ぎて、不安になっちゃってたみたい。」

クッション「そうかい。いつもそうなんじゃないかい?」

    私「うん、私いつもそうだ・・・。」

クッション「そうだろう。それは君の心の癖なんだよ。」

    私「心の癖?」

クッション「そう、みんな心には癖があるんだ。そいつがなんとも厄介なんだよな〜。」


すると、クッションから手が伸びてきて、その手が私をギュッと抱きしめてくれた。

私は少し驚いたけど、なんだかホッとした。


クッション「大丈夫。君は心の癖に気がついたんだから、あとは直せばいいだけさ。」

    私「うん・・・。でも、どうやって直したらいいの?」

クッション「簡単さ。心の中で、まず願えばいい。こういう心の癖が出てしまいました。もっとこういう心になれますようにって。」

    私「そうすればすぐに直るの?」

クッション「もちろんすぐには直らないさ。なんせ今までに積み重ねてきた心の癖だからね。だから、何度も何度も、出てくる度に願うんだよ。そうすると、少しずつ直ってくるんだよ。」

    私「そうなのか・・・。分かった。やってみるね。」


クッション「おっと!もう一つ大事な事を言い忘れていた!」

    私「えっ、なぁに?」

クッション「家族に何でも話してみて!」

    私「何でも?全部?話すの?」

クッション「そう。心配な事も、気になる事も、嬉しい事も悲しかった事も、とにかくぜーんぶさ!それが健康の秘訣さ!元気になりたければ、家族と仲良くすること!」

    私「家族とは仲良くできてるんだけどな・・・。」

クッション「本当に?心配をかけないようにとか、我慢したり遠慮したりしてないかい?」

    私「あ・・・してるかも・・・。」

クッション「やっぱりね。それじゃ、応援してるよ!」


そう言うとクッションは、私の背中を優しくポンポンと叩いてくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ