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物の声  作者: むく
39/40

ゴミ箱

むしゃむしゃむしゃ・・・


むしゃむしゃむしゃむしゃむしゃ・・・


何かを食べているような音が聞こえてきたので、音が聞こえる方へ行ってみると、そこにはゴミ箱があった。

銀色の、足でペダルを踏むと蓋が開くタイプのゴミ箱で、そこから音が聞こえてくるようだ。


ゴミ箱「あぁ、今日もオイラお腹がいっぱいだぁ!」

  私「おいしいの?」

ゴミ箱「おいしいかって?いんや、美味しくはないさ。ただ、お腹がいっぱいなだけだね。」

  私「そうなんだ。いつもゴミをいっぱい捨てちゃってごめんね。」

ゴミ箱「うんにゃ。何も謝るこたぁねえよ。オイラ、好きでやってるんさ。それに、オイラが食べてるのは、ゴミだなんて一度も思ったこたぁねえよ。」

  私「ありがとう。」

ゴミ箱「礼を言われる程のこたぁねえよ!」

ゴミ箱「でもオイラ、毎日満腹で苦しいんだわ。」

  私「・・・そうだよね。」

ゴミ箱「ほら、何事も腹八分目って言うだろ?」

  私「うん。」

ゴミ箱「それがオイラは、毎日満腹ってぇわけよ。」

  私「うん。」

ゴミ箱「分かるか?オイラの気持ち。」

  私「うん。」

ゴミ箱「あんた、本当に分かってるんか?」

  私「・・・。」

ゴミ箱「はぁ・・・。」

  私「ごめん。ガッカリさせてしまって。私に何か出来ることある?」

ゴミ箱「うんにゃ、何かしてもらおうだなんて、思っちゃあいねえよ。ただ、分かって欲しかったんだ。」

  私「君がいつも満腹だってことは分かった。なるべくゴミを少なくできるように頑張るよ!」

ゴミ箱「だから、ゴミじゃねぇんだよ!」

  私「ごめん!じゃあ、何なの?」

ゴミ箱「みんなオイラの仲間なんだ!」

  私「仲間?」

ゴミ箱「そうだ。オイラ、毎日仲間を食べてるんだ・・・。」

  私「それは・・・複雑な気持ちだろうね・・・。」

ゴミ箱「そうなんだ・・・。捨てられた仲間たちも、みんな複雑な気持ちで、連れていかれる日を待っているんだ。」

  私「そうだったんだ・・・。私、全然何も考えずに捨てちゃってたよ。」

ゴミ箱「それにオイラ、満腹だと何だかイライラするし、いっぱいいっぱいになっちまう。余裕がなくなっちまうんだよ・・・。」

  私「うん・・・。分かった。」

ゴミ箱「分かってくれたのか?ありがとうよ。」


それから私は、少しでもゴミ箱の気持ちがゆったりできるように、なるべくゴミを減らすように心がけた。

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