カタツムリ君とカエル君
物の声が聞こえるようになって慣れてきた頃、庭で草刈りをしていたら、近くの草村から小さな声が聞こえてきた。
「どうしてかなぁ・・・」
草村の中を目を凝らし、声の主を探してみると、小さなカタツムリ君を見つけた。
私は物の声だけじゃなく、虫の声も聞こえるようになったようだ。
カタツムリ君「どうしてなのかなぁ・・・」
私「カタツムリ君、どうしたの?」
カタツムリ君「・・・!?君は僕の声が聞こえるの!?」
カタツムリ君は、ビックリして触覚が一瞬で引っ込んでしまったけど、すぐ元に戻った。
私「うん。私、君の声が聞こえるみたい。」
カタツムリ君「人間と話したのは初めてだよ。」
私「私も、カタツムリと話したのは初めてよ(笑)何か悩んでるようだけど、どうしたの?」
カタツムリ君「うん・・・。どうしてカエル君は、いつも楽しそうなのかなぁって・・・。僕は何をやっても上手くいかなくて、すぐに落ち込んでしまうんだ。」
私「カエル君?」
カタツムリ君「そう。レモンの木の近くに住んでる、カエル君だよ。」
私の家の庭には、レモンの木があって、その近くにカエル君が住んでいるらしい。ちょっとレモンの木まで行って、カエル君を探してみることにした。
レモンの木に到着したので、声をかけてみる。
「おーいカエル君、いますかぁ?いたらちょっと出てきてもらえるかな?」
声をかけてしばらくすると、レモンの木の根元あたりから、ぴょんっ!とカエル君が飛び出してきた。
カエル君「なんだい?」
私「突然ごめんね。カタツムリ君が、君に質問したいことがあるんだって。一緒に来てもらえる?」
カエル君「カタツムリ君が?いいよいいよ!なんでも聞いて!」
私はカエル君を手のひらに乗せ、カタツムリ君がいる草村まで運んであげた。
カエル君「やあ!カタツムリ君こんにちは!」
カタツムリ君「カエル君、来てくれたんだね!ありがとう。」
カエル君「僕に質問したいことって、なんだい?」
カタツムリ君「カエル君は、どうしていつも楽しそうなんだい?」
カエル君「ああ、僕は毎日が楽しくてしょうがないよ!どうしてか?・・・どうしてだろう・・・。」
カタツムリ君「僕は何をやっても遅いし、失敗したらどうしようって、いつも悩んでしまうんだ。」
カエル君「僕は、あんまり考えないな。」
カタツムリ君「えっ?カエルなのに?」
カエル君「カエルだからって、常に何かを考えているわけでわないよ。」
カタツムリ君「そうなんだ・・・」
カエル君「考えないで跳ぶんだ。」
カタツムリ君「じゃあ、失敗した時はどうするの?」
カエル君「ケロっと忘れるのさ。」
カタツムリ君「なるほど・・・。ケロっとね。」
カエル君「カタツムリ君には、立派な殻のお家があるじゃないか。」
カタツムリ君「僕の殻のお家の何が良いの?」
カエル君「暑い日には、殻のお家で快適に過ごせるじゃないか。僕なんて暑い日は干からびてしまいそうになるよ。」
カタツムリ君「そうか・・・。僕のお家なんて、生まれた時からあったから、全然気にしたことがなかったよ。」
カエル君「君のお家はとっても素敵だよ!」
カタツムリ君「ありがとう。もっと僕のお家を大切にしてみるよ!」
カエル君「うん!・・・ところで、僕は何しにここに来たんだっけ?」
カエル君は、またケロっと忘れてしまったみたい。
みんな、自分の良さに気づいてないだけなのかもね。




