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物の声  作者: むく
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苺のキャンディ

私は、恋というものをしたことがない。37年間。お恥ずかしい限りです。どうすれば恋ってできるのかな。

37歳にもなれば、そりゃあ何度か男性と食事に行ったり、結婚を意識して紹介を受けたりはしたこともあるけど、どれも上手くはいかなかったな。で、今ですよ・・・。

今日は頭が痛くて、何か甘いものが食べたいな。なんて思っていたら、苺のキャンディが声をかけてきた。



苺のキャンディ「甘くておいちいよ。」

      私「ありがとう。ちょうど甘いものが食べたかったから、嬉しい。」

苺のキャンディ「あたち、恋がちてみたいな。」

      私「!?何ですか突然!?」

苺のキャンディ「恋って、甘くて酸っぱいんでちょ?食べたことあるんでちか?」

      私「食べたこと・・・、ないでち。」

苺のキャンディ「・・・。」

      私「いや何とか言ってよ恥ずかしいから。笑。」

苺のキャンディ「あっ!ごめんなちゃい!まさか食べたことがないなんて、思わなかったから・・・。」

      私「そうよね・・・。37歳にもなって、恋の味が分からないなんて、恥ずかしい限りよね・・・。」

苺のキャンディ「そっ、そんなことないでちよ!良い人にまだ出会えていないだけでち!」

      私「慰めてくれてありがとう。優しいね。」

苺のキャンディ「甘くて酸っぱい恋、してみたいでちね。」

      私「そうだね、してみたいね。でもどうすれば恋ってできるんだろうね・・・。」

苺のキャンディ「とりあえず、あたちを食べてみたらどうでちか?」

      私「苺のキャンディちゃんを?」

苺のキャンディ「そうでち。あたちを食べて、味わってみてくだちゃい!」

私「うん、分かった。じゃあお言葉に甘えて食べてみるね・・・。」


私は言われるがままに、苺のキャンディを口に入れて味わってみる。


      私「・・・甘酸っぱい。」


苺のキャンディ「たぶんそれが恋の味でちよ。」


恐れずに、とりあえず口に入れて味わってみる。素直な心で・・・。色々考えないで、素直に口に入れて味わって見ればいいってことかな・・・。


なんだかまだちゃんと分かった訳ではないけど、味わって見なけりゃわからないってことか・・・。


恋をする気持ちとか、よく分からないけど、どんな気持ちも、神様が与えてくれた素敵な気持ちだと思うから、楽しんで味わってみればいいのかもね。


ふと思い浮かんだあの人の顔。

自分から、ちょっと話しかけてみようかな。

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