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78話 ショッピングモール着手

夜中過ぎに起きたメリエレさんにナジムさんを紹介すると知っていた。


「貴方がご高名なナジム=タルド様…。御不幸は聞いております。御家族は今どちらに?」


「宿場町で宿やる予定です。どうぞナジムと呼んで下さい。まずは、貴方の商品を見せてもらいましょうか」


「ハイ、ハイ!それよりもやることがあるから、2人とも耳かっぽじって聞いてね。

ヘキサゴナルで一番大きな市場が、隣り合わせのチャトン伯爵領の青証の市場で出店数1万店舗だそうです」


二人が目を見張る。


「え、じゃあ、紫証の市場って?」


「無いですから紫証に相応しい市場を作って下さいとの事です。まず、黄証からの店をバンバンこの屋敷の1階に入れます!連れて来るのナジムさんに任せる!」


「……オーガか?!若様は!」


「そのオーガ騙して金貨360兆枚払わせたの誰?」


「360兆枚?!なんだ、それ!」


「メリエレさん、ナジムさんも同じ穴のデススパイラルスネークだから、こき使っていいからね!」


「貴方もですか、どうぞよろしく」


「こちらこそ…。おい、ケイトス!前庭は邪魔じゃないか?」


フェイさんになんて言おう?


心配したが、そのまま言えばよかった。


「幾らか馬車で通るのに抜こうと思ってたから今言ってくれてよかったよ。ホラ、土柔らかくしてよ」


兵士も動員しての撤去作業は2日かかった。

その間に宿場町の住民を庭に放して遊ばせたり、メリエレさんとサイナムを採取組合に連れて行って商業ギルドへの寄付をさせてドーピングして橙証にさせたり、ロトムに連絡を取って青証のコックさんを確保したと言ったり、母屋の1階を店が入れるよう改造したりした。要するに扉を取っ払ったのだ。

兵士も500名に増員した。

騎士服が足りないので1つ見本を持って帝国のローズ工房に転移した。

1日待つよう言われたのでアクセサリーショップに顔を出すともう商品があまりない。


「仕入れて来てくれてもよかったんですよ?」


「手作りだから、無茶言わないで下さい」


舌打ちして追い出された。

エメリヒ工房に行くと入金されて無いと言われて金額を聞き出して冒険者ギルドで振り込みを済ませる。

公用金貨4000枚とかなり高額だったのはたくさん作ったからだろう。

あんまりヒマだったので幻惑森林で、ポイズンバタフライとバースデイトーチを採って持って行ったらルメリーさんにベルリーナ2号店が開店したのを聞いた。

そのまま食べに行くと満席で、入店出来なかった。

屋敷でひと眠りして朝食にフワフワ食パンをいただく。

そのままローズ工房に行くとザトー子爵が、山盛りの騎士服を見せてお支払い。

公用金貨70枚と特急料金で倍額の140枚の支払い。

アイテムボックスに騎士服を入れると直ぐにヘキサゴナルへ転移してバフォア公爵領の領都リオラでナジムさんの泊まる宿のロビーに行くと誰かと商談中。

邪魔しないように片隅の椅子に座って待つ。


「坊やもナジム様に呼ばれたのかい?」


いきなり声を掛けてきた裕福そうな商人は私の隣に座ると自己紹介して木札を渡して来た。


「ハッサム商会のハッサムです。以前は藍証の商人だったんだけど、マルカン公爵の商売に関わってしまっていてね、青証に降格処分になってるんだ」


「ご丁寧にどうもありがとうございます。リダル商会のルークシード=クロスディアです」


こちらも木札を渡して挨拶する。


「君、リオラから急いで離れた方がいいよ。クロスディア家に逆恨みしてる者もいるから」


「いや、そんな奴らはぶちのめせるので問題無いです」


「それでも仮の名を告げるようにしなさい。身内に危険が迫るかも知れないでしょう?」


「わかりました。私の事はケイトスとお呼び下さい。まだ、橙証の商人で至らぬ所だらけですが、よろしくお願い致します」


「所でどんな話で呼ばれたのかわかるかい?」


「紫証の市場がバフォア公爵領に出来るんです」


「……出店しろと?光栄な話ではあるが、私は店を開くのかと思ってきたのだが、さて、どうするかな」


「ホロイ邸行ったことある?ハッサムさん」


「ああ、あるよ。庭園と建物が見事だったね」


「建物の一室を自分の店にしないかって言う話をしてるの。市場は前庭とホロイ邸を店にして、開くのです」


ハッサムさんは黙り込んだ。


「一室を買うのかね?」


「いや、借りるの。安いよ」


「受けると伝えておいてくれ!仕入れに行って来る!」


「ヒマだから手伝うよ!空間魔法使い何だ」


「商談が終わったら頼むよ!」


商談が30分後に終わった。

良い取り引きだったようで、ナジムさんの顔も輝いている。


「ハッサムさんお久しぶりです」


「出店する!どの部屋が空いてるんだね!」


「1階は待合室も埋まりまして2階は後半分になってます」


「何とか1階が空かないか!今の私の商っているのは家具何だ!」


「ルークシード様さえ、良ければ1階のロビーが空かない事もないんですが」


「ああ、ね。ダンスホール使うからいいよ」


「何を出店なさっていたので?」


「道場だから、気にしなくていいですよ」


「譲って下さってありがとうございます!このお礼は必ずやしますとも!」


「んじゃ、仕入れ行って来るから今日は迎えには来られない」


「3階も埋めて良いんですね?」


「いいけど、露店の勧誘活動もしてね?」


「既に2000店舗以上の出店があります。これ以上やるとリオラの市場に影響が出ます」


「じゃ、それで良いです。明日迎えに来ます」


私たちの会話を聞いたハッサムさんが目を白黒させている。


「じゃ、ハッサムさん家具仕入れに行きましょう!」


「ああ、頼むよ!」


仕入れは銀冠山脈の麓のリップル男爵領まで、足を伸ばしすと、その辺り一帯が家具工房で、ハッサムさんの仕入れる工房の家具は、優美でかなり値段が高かったがこの家具なら仕方ないかと言う感じだった。

後は2~3軒無難な家具工房で安い家具を仕入れたら、アイテムボックスがいっぱいになった。

幻想庭園の母屋まで転移してロビーをクリーンで掃除してハッサムさんの指示通りに家具を置き、また仕入れに行くのを繰り返し夜中過ぎロビーは立派な家具屋さんになった。ロビー自体が広いので、兵士を2人見張り役に立てた。

ハッサムさんが2人にチップを渡していたから、頑張るだろう。

他の工房も大工さんや内装屋さんを連れて来て自分達に割り振られた部屋を改装している最中だ。

最もそんな事をしてるのは裕福な店だけだが。

食べ物屋さんだけは、厨房をこちらで付けてあげてるようで黙々と作業が進んでいた。

ハッサムさんを離宮ホテルに泊めた。

もう、魔力が限界だったので。

母屋の4階の自分のベッドに転移すると気を失うように眠りに付いた。

起きたのは昼前で、着替えたらメイドちゃんに髪を結って貰って大食堂に行くと知らない人でごった返していた。

どうやら500ステラで1食食べられるようになってるらしい。

私も500ステラ出して食事を食べる。


「坊やも商人かい?どこから来た?」


商人さんは皆が気易い人なのかな?


「帝国から出稼ぎに。まだ、橙証なので建物の中に入れません」


「おじさんと一緒だな!もっと、早く知っていたら、バフォア公爵領でも商売してたのに!おじさんは王都で紫証の商会をやっているんだ」


「大口露店ですか?」


「いや、おじさんは小商いでね。チーズとベーコンとハムを売るお店何だ」


「買いに行きます!」


「おお、おいで。幾らか安くしてあげるよ」


木札を交換して食事を終えた。

ヤコフ商会さん!店ごと買いに行くから待っててね!

ナジムさんのお迎えに行くとナジムさんはご機嫌斜めだった。


「コラ!遅いぞ!」


「ごめんなさい。魔力枯渇で倒れてたの」


「大丈夫か?!」


「うん、もう大丈夫。寄るとこある?」


「大体の用は終わった。帰るぞ!」


ナジムさんを連れて幻想庭園に転移するとナジムさんはさっさと母屋の中に入り、入口にあった大きな待合室を事務所へと改造していた。

よく見るとメリエレさんとサイナムが書類に埋もれている。

私も手伝おうと思ったら、母屋に入った店の荷物運びを10万ステラでやる羽目に。40余りの店の荷物の搬送に使われて魔力枯渇で倒れた。

次の日も、次の日もこき使われ、ようやく、各店の看板が出来てきた。

母屋のショッピングモールには、【幻想回廊】の大きな看板が掲げられた。

菱形のとても美しい看板でこれを見るだけでも一見の価値あり、だ。

事務所は、ナジムさんの部下たちが合流して無事に、メリエレさんとサイナムが解放されたが、明日はもう市場開きの日で、続々と場所取りの露店主達が東門に行列を作っていて、兵士達が職種別に捌いている最中だ。

結局大口露店は、50に上り屋根付きでは足りなくて巨大な天幕が2つ前庭に張られた。

最初に場所取りした私たちリダル商会とドラゴンフレーバーは前庭の一番目立たない場所に店を出すことになった。

銀細工を仕入れにデルフィ工房に行くと安い商品しか渡してくれなかった!


「万引きされたら、イヤ!建物に入ってからなら渡す!」


マリスは残酷なくらいハッキリしている。

ニカレさんは、アミュレットを進めてくれた。


「露店だと、3000ステラくらいが、売れるギリギリの線かな」


アイルは私が約束を破ったので口も聞いてくれなかった。

しまった!忙しくて忘れてた!

緑証の子の事!


「ごめんなさい!お詫びとしてその方の商品全部買い取ります!」


「……仕方ねーな。今回限りだからな!この箱の商品全部買い取れよ!」


「はい!拝見させていただきます!」


「120点で、公用金貨1枚!支払ったら帰れ!」


木製のアクセサリーボックスと一緒に店内から追い出された。

仕方ない。帰ってから見よう!

持って帰ったらメリエレさんが興味津々だったので私の部屋のテーブルでアクセサリーボックスを開けたら、花のアクセサリーがこれでもかと入っていた。


「良いけど使っている宝石の質が悪いのが、残念だな」


「それも味わいがあって悪くないよ。私は好きだな」


「……悪ぃ訳じゃねえよ。俺も好きな方だが見事に女性向けだな」


「ま、置いといて見ようか」


後は倉庫から布をだしたり、服を出したりしてマネキンに着せアクセサリーや帽子、カバン、靴を履かせてメリエレさんが得意気に私に見せる。


「メリエレさん、意外な才能だね!」


「ま、小さな頃からやってるから、それなりだ」


お人形さん遊びするメリエレさん…計り知れない。


遅い夕食を食べると眠りに付いた。


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