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74話 出動

冒険者ギルドの応接室でルメリーさんに私とメリエレさんは目から火が出る程怒られた。

その後すぐ3人でアクセサリーショップに手伝いに行くとお客さんも商品もなくなって店は終業してたので裏口から入って行くとヘブンズマンティスが10匹待っていた。


「オーナー、よくも逃げたわね?」

「許すまじ!」

「卑怯者ぉおお!」

「1度1人で接客しますか?」


私はルメリーさんに渡すはずだったハムとチーズを大皿に一口サイズに切り分け赤ブドウ酒も炊事場で見つけたマグカップに注いで皆に銀貨3枚づつのご祝儀を巾着に入れて渡し謝った。


「ごめんなさい、もう、逃げません!」


「チッ、仕方ないわね!今回は許してあげる」


「…うん、この味のチーズなら許せる」


「でも、明日から営業できないじゃない?」


「あの、仕入れてきました!」


「「「「「「「「「「さっさと出しなさい!」」」」」」」」」」


250点余りを出すと10人の女性達は早速並べ始めた。

店長さんとおぼしき女性が次の仕入れの日を聞いたがサッパリ解らない。

ルメリーさんが予定を明日の朝言うからと言ってマーズ建築事務所に転移した。

下町のハンナの家から5軒隣だったから楽々転移で行けた。

マーズさんは私が来るなり聞いた。


「さあ、どんな市場にする?!」


そこからか…


「すみませんが、市場は採取組合の紹介で建てなきゃいけなくて、マーズさん達に作って欲しいのは、市場に出品する人が泊まる宿舎何ですよ。何棟かあるし、以前からある宿舎もあんまりいい建物とは言い辛い物なので、出来ればリフォームして欲しいのです」


「うむ、問題無い!図面を簡単に引こうか」


よかった~!怒るかと思ってたぁ。


「孫夫婦がの、銀細工の結婚指輪が欲しいんだと言うから、ヘキサゴナルに行けるならどうでも良い!」


「良い工房を知ってますのでお連れしますね」


「うむ、希望はあるか?」


「荷車がそのまま入るような広さの部屋で、1階と2階がつながってる部屋にしたいんですけど」


「つまり、1軒づつ建てろと?」


ああ、説明が難しい!


「それが何軒もくっついて1棟になってる感じです!」


「まあ!メゾネットね!マーズさんこういうことです」


閃いたルメリーさんに助けられて無事に会議は終了したかに見えたがルメリーさんに突っ込まれた。


「でも、食材売っている人は毎日仕入れに帰るからこんな部屋要らないんじゃない?」


「うぐっ!」


盲点だった。

そしてルメリーさんは止まらない。


「どっちかというと大口露店が泊まる可能性が高いから1階が倉庫、2階が何人かが泊まれる大きな1棟貸しにすべきじゃない?市場に行ったなら大口露店も観たでしょう?どうだったの?」


「…大口露店、観てませんでした!」


ルメリーさんに軽蔑の目で見られた。

そしてルメリーさんは言う。


「危なっかしいから、私が付いてってあげるわ!他に作って欲しい建物の希望はないの?」


「ちょっと大きめの部屋の普通の2階建てを2棟作って欲しいんですが、何部屋ぐらい、いけますか?」


「土地の大きさ次第だな。それならば簡単だから、ヘキサゴナルに着いてから考えよう。それと1棟貸しか?作っても、3日もかからん。木材加工に1日、観光に2日で6泊7日見とったらいいだろう。出発はいつだ?」


「明日の昼過ぎに来ます。朝は仕入れに行くので昼食を食べた後ぐらいに来ますね」


「では、1日目は市場を視察して、情報を集めましょう!」


皆さんやる気満々です。

冒険者ギルドにルメリーさんを送って行くとまたそこで一悶着あり、ルメリーさんの出張は3日間になった。

バラムさんにチーズをお土産にする事を条件に何とか1週間に延ばしてもらった。

ルメリーさんの引き継ぎが上手くいってるから、許可が出ただけだ。

私は、このチャンスを活かさなければならない。


「メリエレさん」


「おう、何だ?」


「次でメリエレさんとサイナムさんを連れて行くのでエメリヒ工房の服と布を用意しておいて下さい」


「わかった!このまま工房に送ってくれるか?」


「了解!」


メリエレさんをエメリヒ工房に転移させると、1日の疲れがドッとやってきた。屋敷の私の部屋のベッドの上に転移すると、そのまま朝までぐっすり眠った。


起こされたのはメリエレさんにだった。


「なにぃ~?」


「ケイトス、用があるんだろう?もう9時だぞ?」


「何で起こしてくれなかったの?!あー!ヤバい!」


「落ち着け。用がある奴は来て、今メシ食ってるから」


服を着ながら問いかける。


「誰が来てるの?!」


「ヒュージ、ハンナ、マーズさん達魔法建築士が3人、ルメリー嬢だ。お前、隠ぺい魔法やめておけ。あんなにたくさん運べなくなるぞ?」


「ん?…ハンナも行くの!?」


「荷物持って来てるからそうだろ。顔洗ってからにしろよ?」


隠ぺい魔法を止めると身体が軽い。


「キャサリンに皿買うの手伝ってって言って来て!」


「そこら辺にいたな…」


部屋からメリエレさんが出て行くと私は大急ぎでハッシュに髪を結ってもらい、顔を洗ってから大食堂に転移した。


「ハンナ!ハンナも旅行に行くの?」


「ケイトス、アンタね!何で昨日来たのに声掛けなかったのよ!ベーコンありがとう。美味しかった!」


「やれやれ、昨今は婚約者にベーコンが手土産か。嘆かわしい事よのぅ」


マーズさん達爺さま魔法建築士さん達が何か言ってるが、聞く必要は無い!

ヒュージさんが声を掛けて来た。


「おいおい、俺を無視するなよ?あのベーコンどこで買った?兄貴がもっとハンナに買って来させろってうるさいんだよ」


「任せて下さい!お昼まで屋敷に居て下さい!ちょっとお皿買って来るので!」


「買い物?手伝うわよ」


「私も一緒に行ってもいいかしら?お昼までただ待つのは退屈だもの」


ハンナとルメリーさんが同行者になった。

朝食の終わりにキャサリンが来て、同行者3人で冒険者ギルドでお金をおろしてから、問屋街へ転移したら、3人の女性達が話し込んでいたので問屋街のカフェへと入ってお茶と焼き菓子をごちそうした。

話が1時間続いていたがカフェをでると、食器店を数軒覗いて気に入った食器を根こそぎ買って行くのであっという間に木箱だらけになった。

もちろんアイテムボックスの中に仕舞う。

木箱が17個になったのでトレーとカトラリーの事をそれとなく言うと、グラスも買ってなかったときゃあきゃあ言いながら買い物してるのを眺めて2時間。

ようやく買い物が終わった!

Bランクになったので幾らかお安く買えた。


屋敷に帰ったら酔っ払いが4人出来ていた。

昼食の氷河エビフライとコロッケをボリュームサラダと一緒に食べて食事を終わらせる。

倉庫に行って便壺を全部持って行く。ルメリーさんが例の魔導具を持って来たらしい。

大食堂に転移して、そのままヘキサゴナルのホロイ邸の離宮へと転移する。


手前の部屋から酔っ払いを詰めて行き、便壺を魔導具を入れて設置すると、ルメリーさんがそれを見て納得してくれた。


「なるほど。これだけ綺麗なら壺と間違っても仕方ないわね。調度品が見事に無い部屋ね。帝国に帰ったら見繕ってあげる」


「お願いします」


もう、ルメリーさんに頭が上がらない。


「すみませんが女性の部屋は2人部屋しか空いてなくて、一人づつ使う事も可能ですけど、どうしますか?」


「一緒に泊まりましょ!ハンナちゃん」


「はい!ルメリーさん」


部屋に入るとハンナは天蓋付きの寝室に大はしゃぎ。ルメリーさんは、やっぱり調度品が足りないと渋い顔をしている。

しかし、フリル付きのカーテンはよかったようで、応接室のソファに座って庭を眺めている。


「食器置いてきます!」


「「はあい」」


母屋からロック達を離宮の厨房へとさらってきて、皿とグラス、カトラリー、トレーの入った25個の木箱を出すと半狂乱になって、熱湯消毒していた。

ちなみに便壺は、離宮の大部屋に全部出して仮置きした。

ルメリーさんとハンナの部屋に転移すると、二人はお出かけの用意を調えて待っていた。


「じゃあ、チャトン伯爵領の大市へ行きます!」


二人は私と手をつないでご機嫌だ。

早速転移すると、ルメリーさんは大口露店に突進して行った。

東南諸国連合国から来たと言う独特の民族雑貨店で、ルメリーさんに帝国語で何か買え!と指示されたので部屋に敷く絨毯を見ることにしたら、ハンナが選んでくれるらしい。


「青と緑で迷ってるんだけど、どっちがいいと思う?ハンナ」


「部屋に多い色はどっちよ?」


「水色」


「じゃあ、水色が織り込んであるこの緑色の絨毯がいいと思う!」


ルメリーさん店主とガチで商談中。

緑色の絨毯お買い上げ。

ハンナが玄関に敷くマットが欲しいというので二人で山になってるマットをあれでもない、これでも無いと物色してるとルメリーさんが来た。


「次行くわよ!」


「ハンナ、また連れて来てあげる」


「わかった!行こう!」


ハンナと手をつないで服飾品店へ。

ハンナの顔が険しい。

市場を行き交う人達を眺めてポツリと言う。


「ホントにこんな服の色こんな触り心地の悪い服しか着られないんだ…」


ルメリーさん大激怒で次の店へ。

大口露店でルメリーさんが交渉してる間に私とハンナはお買い物デート。

夕方に、ルメリーさんがバフォア公爵領の市場に行きたいと言い出した。

領都リオラに転移。川岸の大市に行くともう店仕舞いしてる。


「明日の昼過ぎに来るわよ!」


ついでに採取組合に寄りたいと言うのでそこら辺にいた人達を捕まえて聞くと、バフォア領の採取組合は取り潰されて、そのままだという。

ルメリーさんが爆発寸前だ。

王都の採取組合に殴り込み、いや、特攻をかけてイキニシア組合長をタジタジにさせて、王都の私の屋敷で夕食を食べたら、疲れたらしい。

ホロイ邸の離宮の2人が泊まる部屋に送るとハンナが額にキスした。

私はハンナの手の甲にキスすると、真っ赤になって頷いていた。


「ハンナ、おやすみ」


「じゃ、お昼過ぎに、ね」


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