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7話 父上にお土産

朝も早くから風呂に入りラッカ仕立て店で買った衣装に身を包んで部屋でアスターと朝食を食べる。

サラダが出て来た!

嫌がってると部屋付きメイドの1人が今、王都で流行ってるというマヨネーズなるものを持って来た。

アスターも私も興味津々だ。

黄色がかった白いポッテリしたタレを付けて食べると未知なる味がして美味しい!


「ほしいんですけど、どこでうってるんですか?」


「採取組合がレシピを売ってますよ!」


「アスター、かいにいこうね!」


「……それはいいんですけど、野菜お嫌いじゃないのに何故嫌がってらしたんですか?」


それは、言えない。

ここに来るまでの半年あまり、具のないスープと生野菜のサラダしか食べさせてもらえない日が続いてたなんて。

だから、師匠に狩していいか聞いてここ2〜3カ月はマシだったが、私が居ない今、父上はまた同じ生活に戻ってるだろう。


「ただのワガママだよー。おうとのしょくじ、おいしいから あれ?やさいだけっておもっちゃった!ごめんなさい!マヨネーズさいこう!」


そうフォローすると皆さんニコニコしてる。

食べたら、ヤだけど王都の辺境伯邸へ転移。

また、門番と不毛なやり取りするのかと思ってたらすんなり通してもらった。


「アレク、もう来たのかい?まだ、母上も起きてないから、あと1刻半してから来てよ。サヴァン、お風呂用意して」


私達はもう一度来る事にして先に採取組合に行ってマヨネーズのレシピを買った!

金貨1枚とお安かったが、どこで使うのか登録しなきゃいけなくて窓口で説明してもらった。


「1カ所で一口の契約となっております。使いたい場所が3つのお店なら3口買って登録します。

違反しますと罰金金貨1000枚支払って頂きます。2口お買い上げですか?ありがとうございます!」


「1つはクロスディア辺境領のクロスディア辺境伯邸で、もう1つは王都のラフネ男爵邸で、お願いします」


アスターが言うと窓口のお姉さんは「少々お待ちください」と答えた。

そして身体強化を使って奥の部屋に行くとボコボコにしたヨザック兄上の片足を持ち引きづって持って来た。


「……えっと、わたしが、ヨザックさまのところにいそうろうするから、そこでたべたくて、とうろくしにきました!ごめんなさい!」


「……だから、言ったじゃねーか!濡れ衣だって!」


「こちらのお部屋へどうぞ」


また個室に案内された。

ドラゴンフレーバーのドーナツと紅茶をサービスされてありがたくいただく。


「私、カリナと申します。実は組合で働く職員は新しく商標登録された商品を1年間買ってはいけないのです」


あー!だからボコボコにされたんだ!


「正当な理由があるなら、いいのですがそれ以外は全て違反になります」


なるほど!


「アスターみみふさいでて。でなかったらこのへやからでていって」


「……わかりました!耳を塞ぎます!」


耳を塞いだのを確認してカリナさんだけに聞こえるように小声で話す。


「……はずかしいんですけど、わたしのじっかでは、ぐのないスープに、なまやさいのサラダだけのしょくじが、はんとしいじょうつづいて、いまでは、なまやさいのサラダがたべられなくなって…マヨネーズがあればたのしみになるからいいかな、って」


「辺境伯様も同じ食事で?」


「はい、ちちうえはやさいきらいなんで、スープしかのんでなくて、だんだんやせてきて…」


父上、大丈夫かなぁ?


「「ぶっ殺してやる!」」


ソファから立ち上がって叫ぶヨザック兄上とアスター。

カリナさんはヨザック兄上を座らせ、私はアスターを座らせた。


「アスターきいちゃダメだっていったでしょう?」


「聞いてません!口の動きでわかりました!」


「……アスターには、しられたくなかったな」


モンタナ男爵家はクロスディア辺境伯家の寄り子である。他にもいくつかの領地持ち貴族の寄り親であるウチの家計事情がバレてはマズイ。

そう、言外に匂わせるとアスターは熱く語った。


「むしろ半年も知らずに過ごしていたことが悔やまれます!何でも相談してください!いくらでも一緒に最適解を探しましょう!」


「……それはアスターだけのきもちでしょう?モンタナだんしゃくりょうをまきこんじゃダメだよ」


「何を言ってるんですか⁈霊害が古戦場跡地だけで食い止められているのは、クロスディア辺境伯家のおかげです!どの寄り子もわかっています!」


「……だといいんだけどね。このはなしはこのばかぎりにしてください。さんにんとも」


「まあ、そういう話はここで言わなくても広がる物ですが、私は黙ります」


「カリナさんありがとうございます」


「いいえ、総組合長も黙らせるからご心配無く!」


そして私とアスターの2人きりにされた。

気まずい。


「僕は、お父さんには話して情報を共有します!アレク様は何を恐れているのですか?」


私とアレクの入れ替わりがわかって、父上が罰せられる事かな。


「……ここじゃはなせない」


「……僕がアレク様を守ります!」


「ちちうえは?」


アスターを見つめるとアスターは額を押さえて、ため息をついた。


「それは、難しいです」


「わたしをたすけるのもむずかしいとおもうけど?」


「何とかします!僕は貴方の騎士ですから!辺境伯様のことは辺境伯様の騎士が何とかします!

それに、辺境伯様は大丈夫でしょう。クロスディア辺境領を守れるのはあの人しかいませんから!」


それを聞いてホッとした。


「ありがとう、アスター」


「まだ、時間がありますから、食料品を調達に行きましょう!」


「そうだね!」


ヨザック兄上が部屋の外で待っていて私達が食料品の買い物に行きたいというと店に連れて行ってくれた。


紅茶も、お菓子の材料も充分にある。父上がパンに塗るジャムを山程買い、チーズ、ハム、ベーコンを在庫がある限り買い占め、小麦粉と砂糖や塩、乾燥ハーブなどの調味料も異空間蔵に入る限界まで買い求めた。

気がつくと金貨300枚も使っていたが、クズ魔石を売ったお金が入金されてて、収支ゼロで事なきを得た。

モンタナ男爵に返す分の小麦粉もアスターに渡したし、これでいい。


「野菜は王城から帰ってから買いましょう!僕が持ちます」


「おねがいします!」



時間になり仕方なくエメラダ親子が待つ屋敷へ転移したら、エメラダ様に扇で殴られた。


「痴れ者め!ルーク様を待たすとはどういうこと⁉︎」


「母上、アレクを怒らないでください。アレク、お祖父様に会わせてあげる」


「……おくれてしまい、もうしわけありません。あにうえ、ははうえ」


アスターが殺気を放っているが、我慢してくれたようだ。


エメラダ親子はサッサと馬車に乗って待っている。

私はまた殴られない内に馬車に乗る。アスターも乗り込んだ。


「母上、どんな宝石がいいですか?」


「そうね、真珠のネックレスがいいわ」


「……わかった?アレク。真珠のネックレスだよ!」


「はい!あにうえ」


吐き気がする。この欲に凝り固まった親子に!

お読みくださりありがとうございます!

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