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65話 大人の珍味

テーブルの上には、肉料理と野草のサラダしか無い。


「さぁ、好きなだけ食え。作法は気にしなくていい!」


招待受けたのは私だけじゃなかった。

メリエレさんの取り巻き全員とギルドでも古参のメンツが集まっての飲み会。

シャンパンや、蒸留酒しかないから、屋敷から、黒ビールと赤ブドウ酒を5樽づつアイテムボックスに入れて転移して持って行くと黒ビールに皆、群がっていた。


「そうか!酒は飲み慣れた方が良いよな。気を遣わせたな、ケイトス」


もう出来上がっちゃってるバラムさんとウィルソンさんは皆と飲み比べした後のようだ。

バラムさんはビールは飲めないらしい。

蒸留酒を氷で割って飲んでいる。

私はデススパイラルスネークの焼き鳥を食べながら、バラムさんとウィルソンさんのお酒のお世話係になっている。

 いろいろ冒険者ギルドのグチを聞いてごちそうを持って来ると、今度はお酒を差し出し時々デススパイラルスネークの血をショットグラス一杯分飲む。

毒消し作用があるのだ。

ま、咬まれて大丈夫だったから大丈夫だと思うのだが、周りが心配するので飲んでおく。

それほどまでにデススパイラルスネークは美味しかった!高級な生ハムって感じで、野草との蒸しデススパイラルスネークのサラダは一人で大きなガラスの器に盛ったのをペロリと食べた。

一人一皿片付けていると皆、酒が飲みたくなり騒がしくなる。

メリエレさん達も盛り上がってる。

バラムさんが降参した。


「悪い!もう私は寝るけど無礼講だ!朝まで飲みまくれ!料理は全部喰ってけよ!」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「ハイ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」


私は皆のお世話係として朝まで、奔走した。

寝た奴らはウチの屋敷の客間のベッドに放り込み、洗い物をメイドさん達に渡して片付け残った料理を分けて無理矢理食べさせる。

いわゆる、あーん。だ。

酔ってるから幸せいっぱいでモグモグ食べている。

後はお酒でダウンさせて一人ずつ沈めて行く。

それは、真剣勝負に似ている、訳がない!

メリエレさん、お酒強いなぁ。

ウィルソンさんは途中で逃げた。

今、立っているのはメリエレさんと私だけ。


「ねぇ、メリエレさん、もう寝ようよ!」


「眠いのか?」


「そんなには。昼まで寝てたし」


「座れよ、お前も飲め。シャンパンなら飲めるだろう?」


「お腹いっぱいで入らないよ!」


「ケイトスの作る“ショッピングモール”にはもっといろんな店がいるな!靴屋、帽子屋もそうだが、薬屋があってもいいし、子供向けの服屋や、騎士服の専門店、調理雑貨店、後は所々に菓子屋や食べ物の小さな店があればいい」


おお!メリエレさんが饒舌だ。

これが噂の「酒の勢いを借りて」って奴かぁ!

メモしとこう!


「所々に小さな食べ物屋はどうしてですか?」


「あれだけ広い建物だ。休憩場所が女、子供には必要だ。その時ジュースや、ちょっとした菓子を座って摘まめる場所があれば、また、儲けられる。広い廊下の真ん中にベンチを幾つか所々に置いてもいいだろう。うん?眠いな。ケイトスんちまで送ってくれ」


「メイドさーーーん!片付けお願いします!ご迷惑お掛けします!ありがとうございます!」


「ケイトス様、お酒の残りはいかが致しましょう?」


執事さんに言われて赤ブドウ酒3樽の使い道は一つだ。


「よかったら、皆さんでお飲みください。そんなに残って無いんですけど」


「ありがたくいただきます!空の樽はどうしますか?」


「ん、取って帰ります!メリエレさん!帰るよ!」


返事が無い。ただの酔っ払いのようだ。

屋敷に転移したが、メリエレさんの部屋を知らないので、客間のベッドに転がしておく。


私の部屋に帰ったら、待ち疲れたハッシュが私のベッドで眠っていた。


もう夜明けだ。私は服を着替えてハッシュの隣りに潜り込んで寝た。


昼に起きるとメイドさん達に囲まれてお説教された。

客間に酔っ払いがたくさん居て驚いたらしい。

ごめんなさい。

メリエレさんが説明して、やっと、ちゃんとしたお客様だとわかって今、昼食中だという。

幌馬車で冒険者ギルドまで一緒に行く。

ハッシュには、銀貨3枚を待っててくれたねぎらいを込めて渡した。


「服、皆に好評だったよ」


「そうですか!よかったです!今日はもらっておきますが、次からはいりませんから予定通りに帰って来て下さいね」


「今日から3日以上ヘキサゴナルに行ってくるから、留守を頼んだよ、ハッシュ」


「ハイ!正装を5着程お持ち下さい」


緑に赤に、青。シャンパンゴールドに紫。全部めっちゃ派手だ。

しかも、着けるアクセサリーまで、図案にしてある。

それとは別に1週間お泊まりセットを渡されて侍従愛を感じた私はハッシュにフォーリデンス侯爵家にヨランの焼き菓子を屋敷の使用人達も食べられるくらい作って届けてくれと言って幌馬車に乗り込んだ。


冒険者ギルドに到着するまで、皆、二日酔いがスゴイのか、口数少なく過ごした。


「なあ、ケイトス。お前んちって、バラム様んちと同じくらいデカかったけど、侯爵なのか?」


「いやいや、私は田舎貴族の次男だけど、一緒に住んでる人が公爵家の人だから、分不相応な屋敷を紹介されて今に至る」


「なんだ!ホッとした。実はスゴイ身分の人かって思ったから」


「それで、静かだったの?!なんだ!父上も“分不相応な屋敷で驚いた”って言ってたから皆もびっくりさせちゃったね。ごめんなさい」


「親父さんも、孝行息子を持って幸せだろうよ!」


幌馬車を屋敷に返し、カルトラの冒険者ギルドの中に入ると事務員さんに捕獲されて応接室行きに。

ルメリーさんが、書類片手に応接室に入って来た。


「昨夜はお疲れさま。これ、オークションの落札価格ね。先ずは読んでちょうだい」


*****

☆☆☆☆☆オークション☆☆☆☆☆

【魔獣名/ランク/出品数/落札価格】

☆パフュームバタフライ/C/1026匹/公用金貨30枚/大金貨7枚/銀貨8枚

☆黄金猿/S/50頭/公用金貨75000枚

☆花蝶/A/20匹/公用金貨200枚

☆デススパイラルスネーク/S/15頭/公用金貨450枚

【合計*公用金貨60544枚/大金貨6枚/銀貨2枚/大銅貨4枚(なお、手数料として公用金貨15136枚/大金貨1枚/銀貨5枚/大銅貨6枚を差し引く)】


またの出品をお待ちしています。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆ミストオークションギルド☆☆☆

*****


手数料の2割きついなぁ。


「そう言えば冒険者ギルドのオークションでは、手数料引いてないけどいいの?」


「君は特例だから、手数料しばらくは引かないよ!何てったって幻惑森林に唯一行って帰ってこられる猛者だからね!

それに商会立ち上げたでしょう?1年間は手数料無料だから、バンバン持って来るのよ!」


「はーい!」


メリエレさんに聞いてメモしたショッピングモール構想をルメリーさんに渡すと「考えておく」と言って書類鞄にしまい込まれた。


「食彩館の隣の土地がやっと買えました!しかし、公用金貨12億枚と高額でした。公用金貨12億枚増額して頂いてもいいですか?」


「建物の代金それで足りるんですか?公用金貨1兆枚くらい、足しといて下さい」


ルメリーさんにテーブル越しに抱きしめられた。

ムググ!胸に埋もれて息が出来ない!

腕をタップして放してもらった。


「5兆枚までなら建物の建築費用に好きに使って下さい」


「話が早くて助かる!これで雪が積もるまでに建てられる!」


「他に何かありますか?」


「後は任せておきなさい!」


「では、ヘキサゴナルへ行きます!3日は帰りません」


「はい、はい。心折れないでね!」


それはわからない。

私はバーガーをギルド併設の酒場で10個買うとアイテムボックスに入れてサレタ村へと転移した。

リンディーとコリンズが村の広場で鍛練しているようで、宿にはダンしかいなかった。


「お身体はもう大丈夫ですか?若様」


「治ったよ。心配かけたね、ダン」


「若様、金策はわかりますが、危険な目に合わぬようお願いいたします」


「わかったよ。2人はどこの広場にいるの?」


「その前に宿の清算をしますね。少々お待ち下さい」


「これで清算して」


大金貨1枚を渡すとダンは清算へ。

ロビーで待っているとリンディーとコリンズが玄関から駆け込んで来た。


「「やっぱりそうだった!」」


「転移して来たのわかったの?」


「魔力が金色に輝いて見えたから、もしかしてと思って来たら、そうだった!綺麗な魔力だけど、ヘキサゴナルに着いたら隠蔽して下さいね」


「じゃ、行くから集まって」


「荷物取って来る!」


リンディーとコリンズがばたばたしてる間に清算を済ませたダンが、旅行鞄片手に宿の前に出て行く。私もそれに続く。

リンディーとコリンズが直ぐに、出て来た。

私たちは手をつなぎ合わせヘキサゴナル王都の屋敷へと転移した。


転移して直ぐに隠蔽魔法を自分に掛けた。

アスターが転移して来たが服はよれよれ、顔には疲労が溜まっている。


「今夜、グレンシード様が到着なさるんですが、部屋の準備が全く出来て無いのです!ダン、助言を下さい!アレク様、家具は押さえてありますから、資金を金貨500枚程下さい!」


端数は5000枚程持って来たので1000枚渡してアスターと一緒に家具屋に連れて行ってもらい、キングサイズの天蓋付きのベッドとタンスなどの家具や、文机と椅子、応接室のテーブルセット。

大食堂のテーブルと椅子を下取りして良いものに買い替えた。各会議室にあったベッドの山を空き家になっていたお隣さんを購入して一部屋に、絨毯を敷き、2つづつ置いてカーテンを付け、成人前の弟子達をそちらに移す。

前庭は、採取組合から人を雇って人海戦術で何とかした。

アスターは転移の使いすぎで魔力枯渇でダウン。

アスターの部屋のベッドに転がしておく。


後はダンの指揮でラプナーと私が買い物に行く。

いつもならうるさく言うダンも仕方な~く私たちにお願いしている。前庭を花で飾れた頃、父上達が到着。

何故か、ランドルフお父様とエイリーン兄上までいるし、メイドさん達もハンパなくいる。

メイドさん達は屋敷に入ると手慣れた様子で、指示を出して散開してそれぞれの受け持ち場所に散って行く。

リョウちゃんにはコックをドラゴンフレーバーから2~5人父上達がいる2週間余りは増やしてもらうよう言ってあるので問題ない。

また、隣の家を使用人棟とした旨を伝えると母屋に当直室を作って良いかと聞かれたので良いと答えたら小会議室が乗っ取られた。まあ、仕方ないか。


何だかんだで夕食は22:00までずれ込み、仕立て屋を呼んだりしてたから、結局寝たのは真夜中過ぎで、朝早くドゥルジー市国へと父上を転移して送って行き、力尽きて、昼まで寝た。




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