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41話 円満解決(?)

あの空に向けての爆発は仲間を集める為の物だったらしくて次々と転移能力者に連れられて、バラムさんの仲間たちが集まってくる。

その数16人。


「今日の依頼は金仙瓜を探す依頼だ」


皆が大爆笑するが、金仙瓜とはどんなものか聞いたらとてつもないお宝の事をそう言うらしい。


「で、この綺麗な坊主が依頼主か?どうせ安いんだろう?依頼料代わりに何で金がいるか言ってみろ!」


「私の騎士達の自由の為に!」


「……誰がそんなこまっしゃくれた事言えって言ったよ!もっと普通に頼めよ!子供何だからよう!!!」


「……困ってるからお金を稼がせてください!お願いします!」


「ヨシヨシ!じゃ、オッチャンが背負って行ってやる!」


バラムさんがその勘違いを正す。


「カラン、そいつはそんなナリして冒険者始めたばかりのCランカーだから移動で置き去りにしないように気をつけてくれるくらいでいい」


「剣士か?」


「はい、今日は魔法はあまり使えませんから」


「……どこがお前のホームなんだ?坊主」


「幻惑森林ですけど、昨夜はフェアリーウイングにも会えなかったし、付いてなかったです」


「……いや、もっと金になるものを持って帰って来たんだけどな、支払いの期限が今日の夜までなんだってさ。仕方ないから待ち屋に2束3文で売られて行く所だ」


「オッチャンが買い取ってやろうか?」


「……アホォ。出来るなら私がやってる!今日中に金の支払いが出来ないからお前ら呼んだんだろうが!」


「幻惑リスの大群か?」


今まで気配を消していた黒髪の短髪の騎士が言うとバラムさんは渋々バラした。


「ポイズンバタフライだよ、しかも6匹も獲ってる」


「「「「「「「「「「「そりゃ無理だワ!!!」」」」」」」」」」


「オークションに出品したら1匹で豪邸が建つのに、付いてるけどついてねーな!!!よし!俺らに任せとけ!」


「……あの、宮廷騎士学校の高等科の入学金ってそんなに高いんですか?」


「「「「「「「「「「「払うのか⁉︎」」」」」」」」」」


「しかも2人分だ!気合い入れて行くぞ!」


「「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」


バラムさんの転移で薬草樹海前に来るとそこは戦場の本陣さながらの様相を呈していた。

そこら辺には身体の一部を激しく損傷した人達が地面にマントを敷いた上に寝かされていて宮廷魔道士が治癒魔法を必死に使っている。


「「「「「「「「「「「ギルマス!!!来てくれたんですね!」」」」」」」」」」


「どうした⁉︎」


「フォレストベアの5メートル越えの特殊個体【樹王】の討伐に来たんですが、5頭いたんです!!!その上ガイドのヤナさんが、迷って「何故!あの馬鹿について行った!!!ガイド資格を取り消させているんだぞ!」…知らなかったんです!!!初めて聞きました!」


「中に残ってる奴はいるのか!」


「居ません!」


「……薬草樹海を討伐隊が編成されるまで、立ち入り禁「待ってください!バラムさん。私は8メートル越えのフォレストウルフを1人で討伐した事がありますし、3メートル越えの個体なら10日に1度くらいは倒していました!」……本当か?ケイトス」


「そんな命がけのウソつきませんよ。だからバラムさんがガイドやって下さい!」


黒髪の騎士がバラムさんを背負って薬草樹海に入って行く。

私も足だけに身体強化をかけてその後に続く。


他の人達が入ってこない。


話す為に黒髪の騎士の横に並ぶと騎士が理由を説明してくれた。


「アイツらは薬草採取専門なんだ。Aランクなら何とかなるが、ランク外魔獣なんて物に会ったことが無いついてる奴らなんだ」


ヤバい!私は全身に身体強化をかけて黒髪の騎士さんをバラムさんごと蹴り飛ばし回転しながら双剣を抜きウインドスラッシュを乗せて大きく挟むように刈った。フォレストベアの手首から先が落ちて来た。


ウゴァアアアアアアアア!!!


「……サイアク!」


フォレストベアの5メートル越え個体を1頭ずつ相手取る事は想定してたが、いきなり全部かよ⁉︎

手負いのフォレストベアがもう片方の手を私に向かって振り下ろして来た。

先程と同じように刈って両手首を失わせたら今度は足で蹴って来た。

サイドステップで避けて足が戻って来た所に乗り足首の腱を切るとメチャクチャに暴れ出して森林破壊をし始めた。

他の個体も巻き込んでの大騒動の中、私は他のフォレストベア達にもアプローチをかけて盲目にするという成果を出した。

後は手首と足首を切って転がしたらウインドスラッシュの最大値を心臓に木の上からお見舞いする。

ここまでに大体2時間はかかった。

最後の一体は魔力が足りなくて闇魔法のグラビティを剣に帯びさせて真っ逆さまに心臓に向かって落ちた。


グオォオオオオ!!!


フォレストベアの最期の足掻きで腕に弾き飛ばされて木の幹に顔面からストライクした。

まだ、これは痛くない!

しかし、気が遠くなっていた。

何とか次の一撃を避けた。

剣が両方ともフォレストベアに刺さっているまんまで魔力もない。

でも、攻撃は避けるように身体が動く。

ありがたい。師匠の特訓のおかげでギリギリですが生き延びています!

でも師匠、頭が段々とぼんやりして来ました。

お迎えですか?

さあ、私の最期の魔法受けてみろ!


「……アースクエ【キャンセル!!!】」


バラムさんが転移して来た。


「おま、お前、よくぞ、大魔法を使おうとした!!!後は私の騎士に任せて休め。よくやった!」


バラムさんらしくない涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔で私をどこかに転移した。


私が目覚めたのは夕方だった。

というのも、私の騎士達が学校から帰って来て私の顔を覗き込んで居たからだ!


「アレク様!!!この指が何本か、分かりますか⁉︎」


ロベルトの元気な声とアホみたいな質問にまともに「4本だ」と返すと皆が喜ぶ。


「アレク様が居なくなってから2日後の16時です!」


思わず起き上がろうとして抑え込まれる。


「……私は最低の主だな」


結局、皆を自由にしてあげられなかった。

そう呟くと3人の騎士は泣きそうな顔をした。

リンディーが少女めいた顔に涙を浮かべ私の手を取る。


「入学金と半年分の授業料の支払いありがとうございます!3人とも学生でいられます!なんの縛りもなく!アレク様のお陰です」


「……え!、誰がお金届けてくれたの?」


「匿名で宮廷騎士学校の口座に入学金の振り込みがあったけど、帰って来たらギルドの人がアレク様を背負って来てお前ら3人の為に無茶なことしたんだから起きたらありがとうぐらいは言え、って」


違う!多分それは私の報酬では無い。

私の報酬ならそうだと言うハズだ!

私はゆっくりと起き上がり自分が夜着で寝てた事に気がついて外出用の服に袖を通して1階に降りてお父様とお母様の部屋に行き心配を掛けた事と約束を2日続けて破ってしまったのを詫びると、お父様が私を片手で追い払い大変ご機嫌ナナメのお母様をなだめている。

好都合だ。


私はカルトラの冒険者ギルドのギルドマスターの部屋に転移した。


「……私は呼んでない!帰れ!!!」


私はツンデレさんの為に子供らしく駆け寄り抱きついて大きな声で言う。


「ありがとうございます!バラムさん!!!」


「……私、だけじゃなく、ルメリーの所に行って聞け!!!」


私だけルメリーさんがいる応接間に転移させられた。

目の前にはルメリーさんの顧客と思われる高位の冒険者。2人とも私を気にせず会話を続けているので、いろんなイタズラをして見たが2人とも見えてないのか爽やかに会話している。


そこで師匠から聞いたレディに絶対してはならないことを実行した。

レディの胸を揉む。


「きゃあ⁉︎何するの」


パチン!!!


「……クソ!それはいいな。叩かれなかったらあやかりてぇ!」


「……ごめんなさい!ルメリーさん。でも何で私を無視してるのですか?」


「明日の朝まできちゃダメ!今日は帰りなさい!」


謎の命令発令中!


「でないと、私の胸を揉むいやらしい冒険者だって張り紙をケイトスくんの名前入りでするからね!」


いやらしい行為なんだ。

私はうなづくと家に帰ってお母様が食べている隣に行き胸を揉んだ。

3人の私の騎士達は真っ赤になり、お母様は食事をやめて、私を膝に乗せて私に思い切り胸を触らせてくれた。


「お母様、いやらしいんですか?これは」


「あら、子供返りじゃないならこの胸はお父様の物なの返してちょうだい!」


「わかりました。レディに失礼をして申し訳ございませんでした。お父様、お母様をお返し致します」


「……何でそんな真似をエイベルにしたのだ?」


「ルメリーさんに鼻に指を突っ込んで変な顔をして見せても笑わないから胸を揉むといやらしいって言われたんでお母様なら何て言うかなって」


「まあ、どんなお顔したの?」


やって見せたら皆が大爆笑している。

そうだよね!師匠もアゴが外れるくらい笑ってたもん!

お父様は私を手招きすると真面目な顔で言った。


「紳士たるものレディの身体にダンスのレッスン以外では触ってはならない!ぷっ!もうその顔はいい!」


「お詫びに何したらいいですか?お母様」


「そうねえ、アレクは冒険者なんだから、珍しい物があった時にあげたら良いんじゃないかしら!ルメリーさんは貴族なんだし、良い品を探して差し上げるのよ!香水は絶対ダメですからね!女性に香水をあげるのは【貴女はクサイ】って意味ですからね!」


ヤバかった!あげようと思ってた!


「……フェアリーウイングの襟巻きとか?」


「「まだ、持ってたのか!」」


「いえ、旦那様に仕立ててもらってくださいってアスコット男爵に渡したら予想以上に喜んでくださって驚きました!」


何故かお父様とお母様はホッとしてるようだった。


「季節の変わり目だから毛皮物はやめた方が良い」


「やっぱり魔石が良いんじゃない?」


コリンズに言われたが、魔石の値段までバレちゃう人に何か贈るのは難しい。


「じゃあ!この前行った雑貨屋で買って持って行けば⁉︎」


コリンズは友達に初めて羨ましがられたと胸を張って言ってるが。


「……ごめんなさい。そこを私に教えてくれた人なのです」


「「「うわ!難しいよ!それ」」」


うん!私もそう思います。




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