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22話 初めての魔獣狩り

足をサテルに治療してもらい、ハンナには靴の新しいのをもらった。

2人にお礼を言うと魔獣のいる森、幻惑森林にアスコット男爵達と転移した。

アスコット男爵は戦えないと戦力外申告すると転移していなくなった。

バフォア様が簡単に説明する。


「女魔法使い殺しの森だから、魔法の攻撃はできるだけするなよ?」


言われた側から攻撃したら、服だけ溶かす樹液を森の木にかけられたけども私は男だし、気にしない!

出て来る魔獣をウインドスラッシュで首を刎ね飛ばすと、全部アイテムボックスに入れるのを繰り返し綺麗な蝶々も両手で捕まえて入れた。

アイテムボックスがそろそろいっぱいなので森から出て外で待ってた親父様とバフォア様に格好を見て笑われた。


「アンデットみたいな服になってる」


バフォア様が男でも見えたらいけない領域があるとか言うと騎士団のマントを私の身体にバスタオルみたいに巻き付けた。おかしいな?股間は守ったのに。


いざ、アスムの街へ転移!


街へと入って行く貴族はおらず親父様の貴族証で敬礼されながら検問を抜けた。

冒険者ギルドでは私は話のネタにされると諦めて居たのだが様子が違う。


「……見てみろよ!幻惑の森で魔法使いやがった奴がいる」


「「「「「「「「「「「スゲーな!生きてる!」」」」」」」」」」


女の子が困るだけでしょう?なんか、他にもあるのかな?

小声で親父様に聞くと苦笑しながら教えてくれた。


「幻惑の森にいる魔獣は魔力の気配に敏感で魔法を使ったらたくさん集まってきて大概、魔獣に囲まれて死んじゃうから、魔法使いは行かないんだよ」


「たくさん出て来たけど、弱かったよ?」


「おかしいな?あそこはAランクの魔獣が多いんだけど。…どんなのが討伐出来たの?」


親父様に一生懸命に思い出して伝える。


「んーと、ねぇ、いっぱいいたのは黒くて毛が逆立ってる赤い目のオオカミ!!!」


「「「「「「「「「「「Bランクのブラッディウルフだろ!!!それ!」」」」」」」」」」


教えてくれた人達に一礼する。


「親切に教えてくださってありがとうございます」


「「「「「「「「「「お、おう!」」」」」」」」」


「へえ、あんまりお金にならないねぇ。他には?」


「おっきいリスみたいなの!めっちゃ睨んでた!」


「「「「「「「「「「「Aランクの幻惑リス!!!それ、精神魔法かけられてたんだよ!」」」」」」」」」」


精神魔法は私には効かないし。

バフォア様が嬉しそうに聞く。


「毛皮が金になるな!何頭倒した?」


うわ!嬉しい!


「いっぱい!!!騎士学校の入学金払えるかな⁈」


「まあ、いっぱいが、何頭いるかにもよるからな」


「40頭くらいかなぁ?いつまで経っても攻撃して来ないから簡単だったよ!」


「…幻惑リスが可哀想になってきた。それなら、入学金は大丈夫だな!」


「ホント⁈カーメルさん家に牛買ってあげたいんだけど、ウロコがめっちゃ綺麗なヘビさんいたから巣を探して討伐して来たけど売れるかなあ?」


「…ケイトス?そのヘビ、さんは めっちゃ、おっきいんじゃないかな?」


「うん!お父様、よくわかりましたね!ウロコ1枚がお父様の手のひらサイズですよ!!!虹色のウロコが落ちてたから拾うのに夢中になりました!


「「「「「「「「「「「 Sランクのデススパイラルスネークじゃないですか!ウロコ1枚で銀貨1枚しますんで奢って下さい先輩!!!」」」」」」」」」」


「…お父様、銀貨って何?」


お父様は私に目線の高さが合うようにしゃがんでくれた。


「…そうか、お金にはね、種類があって1番皆が使うのが大銅貨、1枚あれば1食食べれるくらいだよ。わかるかな?」


大銅貨を冒険者達が皮の巾着から出して私に見せてくれる。ありがとう。


「次が銀貨、大銅貨10枚で銀貨1枚だよ。銀貨10枚で大金貨1枚だね」


ん?


「公用金貨はどこですか?」


「大金貨10枚で公用金貨1枚だよ。デススパイラルスネークは1頭で大体公用金貨30枚くらいだよ」


アンデットの魔石は小さなの一つで公用金貨3枚…

10粒でキラキラの大きなヘビさん1匹???


「頭がおかしくなっちゃいます!父上!!!」


思わず叫んだ。バフォア様がうなづきながら私の頭をなでなでする。

親父様はクスクスと笑ってる。


「じゃ、こっちに行くか!まずは、ここ、受け付け窓口で討伐完了を言うと、この白い紙を渡されるから、このまま解体受け付け窓口でこの紙とギルドタグを提出する!」


「ハイ!お願いします!」


窓口の人は魔法使いの黒いローブを着ているめっちゃ筋肉質のおじさん。


「……ケイトス、か。そこの搬入口にアイテムボックスの入り口を付けてから出せ。出したら、呼ぶまで来るな!」


銀色の四角い箱の上に「搬入口」と書いてある。

私はアイテムボックスの入り口が搬入口に触れるようにして入れた。

「搬入口」に穴が開いてどんどんアイテムボックスの中身が入って行く。


「ん???んんーーー!!!何だこりゃあ⁉︎」


解体受け付け窓口のおじさんが後ろを振り返って驚いている。


「親方!!!解体手伝って下さい!私達これ初見です!」


「よし!リタ代われ!ウデが鳴るぜ!」


窓口には血しぶきが顔にかかった黒いローブのお姉さんが立った。


「冒険者ギルドさん、お金足りるかな?」


換金してくれないんじゃないかと言う不安をバフォア様が笑い飛ばしてくれた。


「なかったら、カルトラでオークションに出品するから心配すんな!」


「……オークションって何?」


バフォア様が言葉に不自由してるうちに親父様が説明してくれる。


「珍しい値段が高くてつけられない物を集めて欲しい人達が『自分はその商品にこんなにお金が出せますよ』って自慢しながら値段をどんどん高くして行く大人の遊びだよー。真似しちゃいけないからね」


「それって、勝つまでやるの?」


「自分が持ってるお小遣いの範囲でやるんだよ。だから、お小遣いの少ない人は負けちゃうね」


「……へえ!大人の人でもお小遣いあるんだ!」


「……何、子供に教えてるんだよ!エイリーン!」


親父様はエイリーン=ラムズ次期公爵!

名前呼びされても、気にならない友達らしいバフォア様は、どうにか、私に説明しようと頑張った!


「……つまり、1番高い値段をケイトスの商品につけた人が勝って、その金額から手数料を冒険者ギルドが引いた値段がそのまんまケイトスのお金になる!よし!わかったな⁈」


「手数料って何?」


「ああああっ!!!4歳だった!エイリーン!!!後は頼んだ!」


「……いつも頼まれてばっかりなんだけどね?付け届けはいつ来るのかな?フェン」


楽しそうにバフォア様をイジメる親父様。

バフォア様は上唇を噛んで涙目で親父様を睨んでいる。


解体受け付け窓口からおじさん解体士が身を乗り出してこちらを見てる。


「ケイトス、その2人の保護者も来い!オークションの正しい説明はこっちでする!何だかわからない子供の遊びと一緒くたにされてたまるかよ!」


親父様を見上げたら顏が赤くなってる。

その隣りのバフォア様も真っ赤な顏をしてる。


「……ウソだったのですか?お父様」


「……1部の貴族はそう言う感じだ」


「ウソじゃないならいいです」


それは親父様の考え方。私如きが口出しすることではない。


解体士のおじさんはローブを脱いで貴族のシャツとズボンを身につけていたが不思議と馴染んでいた。

ムキムキなのに!


「さて、早速報酬だが、幻惑リスはオークションに出品させてもらう!その方がコートなんかになった時のお知らせになるからだ。欲しがる工房が多いから、騎士学校に行って牛を何頭買っても大丈夫だ」


「工房さんもオークションに行くの⁈」


「工房さんはオークションのいつものお客さんだ。ケイトスは工房さんが好きか?」


「はい!工房さんは頑張ってるもの!だから、あんまり高い値段にならないといいなぁ…」


「……今回だけは、オークションに出してくれるか?幻惑リスのコートは高位貴族しか買わないから大丈夫。工房さんが頑張った分だけ商品にしたら、高く売れる。お金が取り戻せるんだよ。わかるか?」


「わかりました!オークションに出してください!」


解体士のおじさんは優しく笑って私にお菓子をくれた。


「餌付けされてるぞエイリーン」


「黙ってろ。フェン」


1枚の焼き菓子を3つに分けて一欠片づつ親父様とバフォア様にあげると、親父様は私に食べさせて、バフォア様は自分で食べた。


「これが今回の討伐の幻惑リス以外の報酬だ。わからないところがあったら聞いてくれ」


******

アスム街冒険者ギルド所属

ランク D

冒険者名 ケイトス


【魔獣名/ランク/討伐数/換金額】


○パフュームバタフライ/C/153匹/公用金貨2枚/大金貨5枚/銀貨2枚

○ブラッディウルフ/B/126頭/公用金貨1枚/

大金貨5枚/銀貨3枚

○エルダーフラワー/B/30個/公用金貨6枚

○ヘブンズマンティス/B/43匹/大金貨4枚/

銀貨3枚

○アングリーアント/A/1007匹/公用金貨50枚/

大金貨3枚/銀貨5枚

○デススパイラルスネーク(小)/ A/21頭/

公用金貨105枚

○デススパイラルスネーク/ S/35頭/

公用金貨1050枚


【合計*公用金貨1215枚大金貨8枚銀貨3枚】

☆オークション☆

○幻惑リス/A/40頭/後日支払い


******


そしてテーブルの上に下にソファの周りに持って来られる公用金貨達の入った袋。

私は、350枚づつ数えて3つの山に分け、入れられる様な袋をアイテムボックスの中を探して出した。


「「……」」


親父様達は固まっている。


「……魔獣って安いんですね」


私はアンデットの魔石で大富豪になってたんだなあ。


「……ま、魔獣って弱いから仕方ないですね」


「…オマエ本当にただの平民だったのか?」


頭を抱えているバフォア様に公用金貨350枚をハンナがくれた靴が入ってた袋に入れて渡すとキョトンとしている。


「護衛代です」


親父様にもスカーフに包んで350枚渡す。


「お父様、私を養子にした事で褒賞金がもらえないでしょう?受け取ってください。家宝が無い貧乏な屋敷はみすぼらしいですから!あと、これをアスコット男爵に、お願いします。もし、褒賞金がもらえたら返してくださいね」


バフォア様は私に抱きついて号泣しているし、親父様もうつむいて、漢泣きしてる。


「「ありがとう」」


「いいのです!えっと、解体士様のお名前を教えていただいてもよろしいですか?」


「……ガハトだ。すまん!まさか、やると思ってなかったからアングリーアント安く買い取った!街の警備兵達の鎧になるんだ!今度はちゃんと買い取る!

そのお詫びというか、ギルド長の権限でDランクにあげてある」


あー!本当だ!!!


「……フゥ〜、まだ雑魚か」


ガハトさんにゲンコツされた。

慌ててバフォア様が今の発言を説明。

ますます怒られた。


「……ヒュージ流の剣聖とオマエじゃ実力が違う!勘違いするな!死ぬぞ!」


「申し訳ありませんでした!慢心しておりました!考える機会を作ってくださってありがとうございます」


「……わかったらいい!2度と言うな!」


「はい!」


「……それから、魔獣の素材のどこが必要かくらいは調べて行け。もったいなくて涙が出そうだった!あのデススパイラルスネーク、首に毒袋があるんだが、全部首で切ってるから、買い取り額が2割になったんだぞ!せめて尻尾を切って血抜きしろ!

パフュームバタフライはどうやって捕まえた?」


「……蝶々と一緒ですが?手でパッと!」


捕まえて直ぐに死んじゃって罪悪感ハンパ無かったな。


「アレは幻覚作用がある鱗粉を振り撒いてるから普通の冒険者達はそんなマネできるか!」


「じゃ、帰ります!」


「ええい!!!待て!!!指名依頼出すからちょっとだけ待て」


ほんの少しだけ待ったら指名依頼書を渡された。


******

【指名依頼書】


依頼主 アスム冒険者ギルド

指名者 アスム冒険者ギルド所属ランクD/ケイラス


○依頼内容○


○場所 幻惑森林

○依頼 パフュームバタフライ(Cランク)の採取

○ 数 獲れるだけたくさん

○依頼額 1匹につき銀貨1枚と大銅貨2枚

○依頼達成までの日数 7日間


******


「……たくさんって1000匹ぐらいですか?」


「1万匹でもいいくらいだ!獲りに行った日は必ずココへ持って来てくれ!アスム中の香水工房が待ってるんだ!」


工房さんが待ってる!


「わかりました!お任せください!」


「……あ〜あ、あんな途方も無い依頼受けてどうすんだよー?」


「ま、いいんじゃない。本人が楽しいなら」


2人が何か言ってるけど親父様にお願いがある!


「お父様!!!」


「おわっ⁉︎びっくりするだろ!!!ケイトス!!!」


バフォア様が何やら言ってるけどこれだけは言わねばならない!


「肉牛2頭と乳牛1頭と小麦とか、保存出来る野菜とか、野菜の種とか、チーズとか欲しいです!!!お金は出しますから明日空いて無いですか?」


「それよりも入学金を払ってください!今すぐココで!」


「……でも、カーメルさんち、もう食べる物が無いんです。私がいたから、皆さんの予定が狂っちゃって」


「大丈夫だから入学金の支払いをしなさい!書類は今夜直ぐに「伝達」で提出しますから」


「わかりました。いくらですか?」


「公用金貨150枚です」


や、ヤバかった!公用金貨165枚しか残って無いよ!

私が入学金の振り込みをするとガハトさんが私に提案した。


「牛は大金貨8枚するから、公用金貨2枚は使わずに取っておけ。それで食材も買っておいてやろうか?何人家族なんだ?」


「大人が4人ですけど、買い物は私もしたいです!」


「ン〜!9時に解体受け付け窓口に顔を出せ。服は必要じゃないか?」


「姉さんが服飾職人なんで、そこら辺は大丈夫ですよ!」


「ほお、稼ぎがありそうなのにな」


「……私が手伝ってあげられたら良かったんですけど、家事が苦手で、姉さんに負担が掛かって納期が遅れているんです。姉さんの服は布を織ることから始まるんで」


「ハンナだろ?それ!なるほどね!ヒュージの所に来た坊主か!」


何で知ってるの???


「俺とヒュージは宮廷騎士学校の同期生なんだぜ!この前、ウチの子スゴいんだぜ!宮廷騎士学校入学できるかもしれないから、推薦してくれって手紙が届いてたんだけど見てみなきゃわからないって返してから音沙汰がなかったから何かあったのかと思ってたら、入学金がなかったのかよ!水臭いヤツめ!

よし!明日は奴らの好きな物買うぞ!!!」


「……ハイ!」


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