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金仙瓜と一緒に!

◆○◆○◆sideファイン


最初の頃はたまげていたが、今では幻惑森林を躊躇無く歩き回るのが俺達でも出来るようになった。


「ちょっと待ってて!お掃除するから」


幻惑森林の植物も油断出来ない。

襲いかかる吸血イラクサをあっという間にみじん切りして、獣道から綺麗に退ける白い長髪の小さな冒険者。

 こちらを振り向いてニコッと笑う。


「いいよ、通って!」


その後ろからデスセンチピードの群れがケイトスに襲いかかる。

振り向きもせずファイアウォールで燃やす。俺達は慌てて異常耐性ポーションを飲み干す。


「「「「「「「「ケイトス!!」」」」」」」」


「ごめん、アイツらは剣が折れちゃうんだ。群れは魔法使わないと無理!」


樹液で服に穴が空く。今日は樹液の量が多い。夜になるからだろうか?

皆に暗視の魔法を掛け、デスセンチピードの死体をアイテムボックスにしまい込み魔法でヘブンズマンティスとブラッディウルフの群れを事も無く片付けアイテムボックスにしまうか捨てるか考えてるので、俺達が油で燃やして魔石だけ集めた。

やっと、魔蜜の大木の下に来たら何と、冒険者達が魔蜜を採っている。しかも、昼に追い払ったアイツらだ!

皆でサウスを睨む。

 採取場所をベラベラ勝手に話してんじゃねえ!

転移能力者を雇ったのか、昼間とは逆に俺達を追い払った。


「弱ったね?ま、あの花抜いて見よう!」


道を少し戻り、メリエレさんが採取した花を三度摘む。

バースデートーチのある沼の方から魔ミツバチの群れが来た。


「そんなに無いね!仕方ないか!」


ケイトスが剣を一振りしただけで魔ミツバチの群れを討伐出来た。衝撃で森が揺れてる。

 メリエレさんが俺の後ろから囁く。


「かなり、怒ってるぞ。アレ」


やっぱりそうか。


「じゃ、魔蜜採りに行くよ!」


一見ニコニコしてるが、眉間にシワが出来ていて、夜にはアクティブなはずの魔獣が逃げて行く。

 本人は冒険者のつもりだが、もう幻惑森林の主だ。

 どう考えても、魔獣が可哀想。

そんなわけで、前は1時間かかった道のりをたった15分で進む。

バースデートーチを取ろうとしたら、止められた。


「夜は止めた方がいい。沼の底から何か出てきたら対応出来ない」


体中に鳥肌が立った。俺達は大人しくうなずくと魔ミツバチの巣をライトの魔法で明るくして、探した。

 デススパイラルスネークの子供が成ってる木を見つけたケイトスは、デススパイラルスネークの子供を片っ端から討伐し始めた。


「財布かバッグの工房に頼まれてたのか?ケイトス」


ケイトスは討伐しながら、叫んだ。


「この木の上に魔蜜がある!」


サウスとメリエレさんが討伐を手伝って、俺が確認したら、デカい蛾が蜜を吸ってる。


「ケイトス!!もう一匹討伐してくれ!」


「蛾かぁ。もったいないけど焼き殺そう」


ファイヤーボールで一瞬で討伐して木を登ってきた。


「大っきい巣だね!どうやって壺に入れる?ファインさん」


「一人が壺を抱えてもう一人が魔蜜を入れる。ここからは任せとけ!やるぞ、皆!」


皆、不安定な足場にも慣れてる。デススパイラルスネークの皮で木と自分たちを固定して壺を抱えて魔蜜の穴を開け採取する。壺いっぱいになったら、アイテムボックス持ちがしまう。壺は次々ケイトスが出してくれた。

50壺にはあと11壺足りない。

メリエレさんが適当に木を蹴ってるがそんなに都合良く魔蜜は手に入らない。仕方なく最初に採取出来た場所に行って何とか50壺採取出来た。朝焼けの中バースデートーチを焼いて芽だけを採取しているとシャドースワンの群れが向かって来て何故か去っていく。

 メリエレさんが殺気だった素っ裸のケイトスを指差す。確実にられるな。

ヘブンズマンティスの群れも虐殺の対象になっただけだった。怖い怖い!


「ごめん、パフュームバタフライ採って来たいからちょっと離れるけどいい?」


「「「「「「「「「いいぞ!」」」」」」」」」


ケイトスの機嫌、ちょっとは治るといいけど。サウス達にはこれっきりにしてもらうか。


30分後に転移して帰って来たケイトスは、大激怒していて、メリエレさんが異常耐性ポーションを飲ませてやっとのことで落ち着いた。


「金毛猿がう○こ投げて来るんだけど、当たったらバーサーカー状態になるんだよね」


「「「「「「「「「それで怒ってたのか」」」」」」」」」」


原因がわかって皆ホッとした。


「1000万個採れた?」


「十分だ!帰るか」


……しかし、それで指名依頼は終わらなかった。

バラム様に呼び出された俺は信じられない依頼失敗の報告を受けた。

 もう、ケイトスもメリエレさんもヘキサゴナルに行ったから俺を呼び出したのだろう。


「魔蜜が受け取り拒否された。仕方ないからオークションにかけたが、この前大量購入があった後だから、落札価格は下がるぞ」


「何で受け取り拒否されたんですか?!」


「それがな、お前たちに頼まれて魔蜜を集めて来たと言ったらしい。お前たちが50壺集められないからと!汚え真似しやがって!サウス達から事情は聞いてる。アイツには1カ月の謹慎処分を言い渡した。他人のメシの種をしゃべるなんてどうにかしてる!実行犯の【黄金の頂】には真の幻惑森林を体感させてやれ」


「へい、了解した!」


汚れ仕事は俺の領分だ。

キャラに相談したら、怒り狂って直に殺しに行くところだったけど作戦を作り込んでとある大富豪に協力してもらった。

 わざわざアイツらの目の前で魔蜜の大量購入をほのめかしたのだ。

 ヤツらは面白いほど簡単にからくりに引っ掛かった。

俺達は、ヤツらが魔蜜を例の木から採り始めたのを見て魔法を使いヘブンズマンティスをけしかけた。俺の奥の手の結界魔法で仲間は囲っているから問題ない。幻惑リスが獲物を見つけて走ってゆく。俺達はジェラルドに頼んで幻惑森林から出た。


「「「「「「「「「ああ、すっきりした!」」」」」」」」」


運び屋のジェラルドも恥をかかされて随分と腹がたってたようで、処分出来てよかったと喜びあった。


明日はヘキサゴナルに旅行に行く日だ。

今から帰って荷作りして2~3時間寝たら起床だ。

 メリエレさんとケイトスにはバレないようにしないとね!

100話目だったので、誰かから見たケイトスをお楽しみ頂けたでしょうか?

ザマアもありのファインさん視点。職人さんってステキ!

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