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邂逅③

アレン隊長の一言により、全員真剣な顔つきになる。

地球へと復讐を誓い反撃に出るか、それともこのまま争いから遠ざかり現状を甘受し生きていくか、選ばなければならない。

今後の人生、いつか子供が出来た時の事も考えなければならず誰もが真面目に考える。

死にたくないという気持ちが勝るのあれば、戦いから身を引く選択をするだろう。

だがここにいる者達はほとんど、戦闘に特化した精鋭ばかりだ。

死を覚悟していない者などいなかった。


「僕は、ゼクトらと協力し軍司令部を叩く事に賛成です。軍司令部を制圧し力を蓄えて地球へと帰還することを望みます。」

僕が最初に発言すると、アスカにリッツ、リコは賛同する。


「アタシもマリスきゅんと同じ考えかなー。じゃないと今まで戦ってきた意味がなくなるしねー。」

ザラさんも同じ意見のようだ。

他にもゾロゾロと手を挙げ始め、ガロンさんを除いた全員が賛同した。


そうなると手を挙げなかったガロンさんに目が行くのは自然な事だ。

全員の視線を浴びやっとガロンさんは口を開く。


「俺はまだレオン隊長を殺された事を許した訳じゃない。ただ俺達がやってきた事も理解しているつもりだ。だから、俺もやろう。この悲劇を生んだ奴らに鉄槌を食らわせてやる。」

これで全員が賛同した。

外にいたゼクトを呼び寄せ先程話し合った結果アーレス星人と共に軍司令部を討つと決めた事を話す。

そうなると今度は作戦を立てなければならない。


今ここにいる者達は前哨基地に残してきた仲間の意志も継いでいる。

故にここで決めた事に異論はないということだ。

なのでここにいるメンバーとゼクトらで話し合う。

軍司令部の戦力、こちら側が用意できる兵器の類い、人員など。

どうやっても人数差は負けてしまうが、個々の戦闘能力という面だけで見るなら軍司令部など相手にならないはずだ。


「我が知っている彼らの技術は数百年前の物だ。今では更に進化していると考えていい。それとこの星に来る際に使った輸送船は軍司令部の司令塔となる部分が全てそうだ。船をそのまま基地にしたようなものだからな。もしも動かせるのであればそれを使って地球へと向かう事が出来る。」

「俺達の使うサウズは近接戦闘にこそ特化しているが中距離になれば途端に使い物にならなくなる。ただ銃弾程度ならば交わすことは容易だ。攻撃手段がもう少し欲しい所だが。」

「それなら大丈夫ですよ!機工隊の試験運用で少しだけ参加してましたけど携帯式中距離炸裂砲みたいなやつがありました。ビリー隊長なら恐らく把握してるかと。」

各々が情報を出し合い、会議を進める中リコは興味津々といった様子でニアを見つめていた。

ニアが最初に現れた時は全員等しく驚いていたが喋れば意外と人当たりのいいアーレス星人だと気づきそれ以降はそこまで気色がられることはなかった。

リコも驚きはしたが特段嫌悪を表す事はなかった。


「ん?なーにリコちゃん。ウチの事ジーっと見つめて。」

「ニアさんってすごい綺麗だね!!足はともかく顔がめっちゃ可愛い!!!」

「えー!?まじで!いい事言ってくれんじゃ~ん!!リコちゃんも可愛いけどね!」

会話の節々が聞こえてきたが、仲良くやっているようで良かった。

アスカはやっぱりというかニアから一番離れた所で会議に参加している。

どうしても虫嫌いには克服できない部分というのがあるのだろう。


「もしも相手が威力の高い兵器を使用してきた場合どうするかだが……」

「そん時は俺がぶっとしてやるぜ。見ろこのでっけぇ金棒を。これでガツンとぶっ飛ばしてやらぁ。」

「ふっ、流石は赤鬼のガルムと呼ばれるだけはあるな。これほど頼もしいと思ったのは久しぶりだ。」

「へっ良く言うぜ。お前の事も知ってるぞ。対アーレス星人最強って言われてるらしいじゃねぇかアレン。そんなちいせぇナリしてんのによく俺らみたいな化け物と張り合えるもんだ。」


会議は順調に進んでいく。

どこから攻め立てるか、部隊の配置をどうするかなど、上手く連携しつつ作戦を立てていく。

切り札になるのはやはりゼクトだ。

アーレス星人側の総大将は黒狼のゼクト一択であり、人間側総大将はアレン隊長に決まった。

ただ、やはり争いを好まない者もいる。

アーレス星人で協力を申し出たのは全部で500人。

どうしても人間と協力することに嫌悪感を示す者が多かったのと、わざわざ戦場に行きたくないと言う者もおりそれだけしか集める事は出来なかったとゼクトは言っていた。

出来れば全員参加が好ましかったが無理強いは良くないと、希望者のみ募ったらしい。


しかし全人口が1000人程しかいないというアーレス星人の約半数が参加すると言うのはかなり大きい戦力となる。

そもそもが一人一人の戦闘能力が高い彼らは我々人類火星連合軍としては最大の攻撃力となるだろう。

特に特殊個体がほとんど参加を申し出たのは大きい。

人間が束になってかかっても敵わないほどの強さを誇る特殊個体は我々の切り札となり得るからだ。


「一番の問題は軍司令部の現総司令官が何を考えているのかだ。もしも過去に使われた凶悪な威力を誇るミサイルがまだ現存するのであれば我々に勝ち目はない。そこのところどうなのだリクリット。」

「ご安心を。もうあれは一発も残っていませんよ。色んな所から情報を入手してその情報だけは仕入れました。」

核ミサイルと呼ばれる人類最大の兵器の事だ。

過去、その兵器によってアーレス星人のほとんどが死滅したと聞いている。

もしそんな物が未だあるのであれば、既に前哨基地は破壊されていてもおかしくはない。


着々と進む作戦会議であったが、一つだけゼクトが懸念点を示した。


「これだけが不安要素になる。死神のエイレンについてだ。」

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