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王国への挑戦②

すみません!

毎日投稿するつもりが、昨日投稿予約を忘れておりました!

「ば、バカな……何故生きているのだ、オスカー・ハインリッヒ!」

ゼクトの驚きようは今までに見たことがない程だった。

それもそのはず、今駆け寄って来た白衣の男は、カイルの友人だった者だ。

すなわち、400年以上前の人間である。

ゼクトは人間の寿命を知っている。

技術が進歩し寿命が伸びたといっても、よくいって150年生きられれば長生きだ。

400年生きる人間などいるはずもない。


それも見た目は40代くらいだ。

どういうカラクリなのか僕も理解できず、呆然としてしまった。


「久しぶりだな、ゼクト!」

笑顔で手を挙げ、そう声を掛けてきたのにも関わらずゼクトは未だ驚きが勝っているようで、何の反応も示さない。


「おいおい、俺の顔忘れたのか?」

「いや……覚えている……。しかし……何故まだ生きているのだ。あれから何年経ったと思っている……。」

「ああ、それで言葉が出なかったって訳か。いいぜ、教えてやる。付いてきな、そっちのボウズもな。」

手招きされて、宇宙開発研究所の敷地に足を踏み入れた。

僕とゼクトは顔を見合わせ何が何やら分からない状態だがとりあえず着いていく事にした。



案内されたのはある研究室だった。

人が1人入れるようなカプセルがいくつも置いてある。

当たりにはコンピューターがズラッと並んでいて僕は触れないようにそっと部屋の隅にあった椅子に腰を下ろした。

ゼクトも出来るだけ触れないよう地面に伏せた。


「ここは冷凍ポッド室。人間を凍らせて眠らせる部屋だ。冬眠状態にして何十年何百年後に起きるんだ。そうすると、俺みたいな過去の人間が未来にいきなり現れるって寸法だぜ。俺は40歳の時にこれに入ったんだ。起きたのは今から2年前だったかな?今の俺は400歳超えの老人ってやつだな!」

ガハハと笑うが、どんな原理が働いてそんなに長生き出来るか理解できず僕も愛想笑いを返した。


「なるほどな。あの時とほとんど変わらないお前を見た時は大変驚いたぞ。まさか生きていたとは。」

「そうだろ?俺も成功するかは未知数だったんたがな、やってみたら案外いけたぜ。」

死ぬかもしれない実験を自ら進んで行うオスカーは流石は研究者といったところか。


「っと、そういやボウズには自己紹介がまだだったな。俺はオスカー・ハインリッヒ。カイルとは腐れ縁だった。」

「僕はライル・カーバイツです。貴方に分かりやすく説明するならベータの子孫ってやつですよ。」

「ベータ!そうか、火星から何者かが来たって聞いたがお前らの事だったか。ようこそ、地球へ。それと君らには苦労をかけさせてしまったな、許してくれとは言わないが、俺達も上には逆らえなかったんでな……。」

オスカーさんは申し訳無さそうな顔を見せる。

遺伝子改造の研究を主導していたとはいえ、この人の意思ではない事はもう知っている。

王国に脅されてやったことだ。

この人も言わば被害者だろう。


握手を終えると、オスカーさんはゼクトの方を見て思い出したかのように話しだした。

「で、カイルの最後はどうだったんだよ。ゼクトともし会えたらそれを聞きたくて仕方がなかったんだ。」

まあその質問が来るだろうとは思っていた。

オスカーさんはカイルの最後を知らないし聞いてもいないはずだ。

あの真実は火星にいた者しかしらない話だ。


「……ディランを覚えているか?」

「ディラン?それってあの皇帝の右腕か?」

「そうだ、カイルは彼に殺された。」

「……ちょっと詳しく聞かせてくれや。」

そこからゼクトは出来るだけ詳細にオスカーさんに話した。

時たま相槌を打ち、悲しそうな顔や怒りに満ちた顔を見せたが会話を途切れさせるような事はせず静かに聞いていた。

ゼクトが全て話し終わると、オスカーさんは口を開いた。


「そうか、カイルはお前を助けたかったんだな。アイツは昔からそうだった、優しすぎたんだろうな。」

「しかし、カイルが居なければ我もあの時に殺されていた可能性は高い。そうなれば今ここに我とライルが来ることもなかっただろう。」

「聞かせてくれてありがとう。アイツは良く頑張ったってもんだ。次は俺の出番だな。」

出番?

何をするつもりだろうか。


「お前らがここに来たのは復讐なんだろ?元凶を叩くんなら俺も1枚噛ませてくれや。王国には煮え湯を飲まされてきたんだ。ここらで一矢報いたいってもんだろ?」

「そう言うと思ったぞオスカー。我からも頼みたい。お前の持つ技術知識を貸してくれ。」

「僕からもお願いします。貴方のような最新の技術を知り尽くした方が手を貸してくれるに越したことはありません。」

オスカーさんは今この国で最先端の技術を開発する部署にいる。

それも所長というではないか。

そんな方に力を貸してもらえれば、百人力になる。


「もちろんだ、で、まあ俺も王国にはいずれ報復してぇって思ってたからな、内密に開発を進めていた物がある。こっちだ。」

また別の場所へと案内され、着いたのは普通の事務所に入るような扉がある所だった。


「案外普通に見えるだろ?これはブラフってやつだ。まあ中に入れば分かるぜ。」

オスカーさんが扉を開け、中に入るとそこには明らかに他の研究室にあった物とは雰囲気が違う物が並んでいた。


ゼクトもホォと溜め息を漏らし辺りを見回していた。

兵器のような物ばかりが棚にズラリと並んでいる。


「ここは俺が秘密に開発を進めていた兵器研究室。どうだ?ここにある兵器で王国を打倒してやろうじゃねぇか。」

やはりというか見たままであった。

どれも見たことがない兵器で使い方も分からない。

ただ一つ言えることは、強力そうな兵器に見える事だ。

使い方を間違えれば自分も危ないだろう。


「お前らの拠点は、あのでけぇ船だろ?そこに持っていってから説明してやるからさ、運ぶの手伝ってくれや。」

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