第三話「愛が足りない」
Sr「ねぇ、愛を頂戴?」
澪「私に求めないで下さい。私はもう長い時間愛を貰ってない。」
Sr「じゃあ要らないわね。」
風の刃が此方に飛んで来る。当たったら致命傷だ。
Sr「愛愛愛愛」
愛とか知らない!!
Sr「ねぇ、誰なら愛をくれるかな。楓さまならくれるかな。くれるよね!
だって、ずっと愛してくれて――た…よね…?」
楓さんの名前が出るとは思ってなかった。
慕われているんだな。
Sr「そうだった。あの人は、最近元気が無くて…!でもだいじょうぶ!わたしが居る!」
なんか幼くなっている気がする。
ずっと考えながら避けるのは辛い。
早く誰か来てくれ。
―――――――首領室
コンコンコン
?「蓮です。首領、子供部屋でSが暴れていますが、どうしますか?」
首領?「嗚呼、大丈夫だよ。世話係が向かってる。」
蓮?「そうですか。…楓様に執着している様ですが。」
首領?「まぁ、嬉しい事だよ。一人の人間として見てくれているのだから。」
蓮?「そうですか。」
蓮と言った少女は、部屋を出て行った。
首領?「…僕はあの子以外に執着されるの、あんまり好きじゃないなぁ。」
――――――――――子供部屋
澪「っ…危ない…。」
だいぶ消耗してきた。
そろそろヤバい。
?「お座り。」
綺麗な女性の声が部屋中に響く。
サリーさんは急に正座をした。
?「手足を動かすな。」
?「すみません。維紫埼さん。」
黒髪でシトリンの様な瞳の女性が現れた。
澪「誰ですか?」
?「ああ、すみません!子供達の世話係の椎谷椿です。」
澪「椿さんですか。今回はありがとうございます。」
椿「いえ。今回、愛が足りなかったので、サリーさんの能力が暴れてしまって。」
澪「そうですか。」
椿「きちんと愛をあげるので、安心して下さい。」
澪「はい。」