始まりの朝
今回が初投稿です。完結まで書き切りたいと思いますのでよろしくお願いします。
この物語は小学校の頃からアニメや漫画にはまりオタクとして生活を送っている俺、倉敷透の日常の話である。
「透、もう7時よ!早く起きて学校に行きなさい!今日から高校生でしょしっかりしなさい。」
「んー、もう起きてるよ。今日は入学式だからそんなに急がなくてもいいじゃん」
「またそんなこと言って、いくら入学式が10時からだからといってゆっくりしている余裕はないんだからね。昨日の夜だって早く寝なさいと言ったのに、アニメ見て夜更かししてるから眠いのよ!早く顔洗ってご飯を食べなさい。」
そう昨日の夜は今季やっているアニメの中で一番好きなアニメの最終回でどうしてもリアタイで見たかったのだ。
「それにしても、昨日の最終回のヒロインが主人公に告白するシーンは良かったな……」
「アニメの事ばっかり考えてないで、現実を見なさい!あんた顔は悪くないんだからしっかりすれば彼女だって作れるでしょ。部屋にアニメのポスターや女の子の抱き枕なんて置いていないで現実の女の子でも連れてきなさい!そんなんじゃあんたの将来が心配よ。」
そう、俺はオタクであり、正直言って周囲が引くくらいのアニメオタクである。部屋には本屋から貰ってきたアニメのポスターが飾ってあるし、ベットの上にはお気に入りのキャラの抱き枕だってある。本棚の中はラノベと漫画がぎっしりと詰まっており床には入りきらない本が平積みになっている。
俺だって彼女が欲しいし、恋愛がしたい。中学の頃、好きな女子がいた。席も隣になり、よく話をするようになった、なんならその子の家にも遊びに行くくらい仲良くなった。しかし、中学の卒業式の1週間前その子に告白をした。その時あっさりと振られてしまった。その子が言うには「友達としてはいいけど彼氏がオタクっていうのはちょっと」という事だった。それから、春休みの間ほんとう落ち込み、もう恋愛なんかしない!オタクの道を突き進んでやると思ったほどだ…
「母さん、俺だって恋愛がしたい、けどオタクをやめるのを天秤にかけるとオタクのままで居たいんだ。」
「そんなことばかり言ってないで、そろそろ時間だから行くわよ!高校生なんだからだらしない格好をしない!早くしなさい!」
「わかったよ!」