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楽しき混沌の生徒会万歳!!  作者: 小野寺のウサギ
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授業かったるい…

俺は教室に着き皆に挨拶をしてから荷物を置き、一息ついた。勿論質問攻めになったが一瞬で収まった。そして一人のクラスメイトが一時間目は英語だと教えてくれて感謝する。そうか、英語か。どんなものだろうと少し、いやかなり馬鹿にしながら教科書を取り出す。少しして呼び鈴が鳴り響き、昨日の担任が教室に入ってきて日直が号令をかけた。担任が今年の学費等のプリントを渡して適当にホームルームは終わった。そして入れ替わりに今度は厳つい雰囲気の先生が入ってきた。そして英語で自己紹介してきた。名前、今年の目標と自分の学歴を語られたけれど軽く聞き流した。東京大学卒業生とかエリートだとか自慢してくる正直言って苦手なタイプの先生。他の皆も気づいたのか自慢話だけで十分以上かかっているというか。話にならないなと思いながら窓から外の様子を見ているといきなり俺のことを指さして英語で自己紹介しろとのこと。嫌、めんどくせーよこのやろー何て言えるはずもなく渋々席を立ち息を吸った。


「My name's Tsubaki Amamiya. I was born in Norway. My objective for this year is to make a lot of friends. Nice to meet you, mister teacher.」

と小さなため息を最後に零し席に座った。先生が自分より発音が良いと嫌味を加えながら話し始めた。まぁ、確かに自分の発音は少し訛っているが、彼が言っているようにそこまで酷くないはずなのだが。菖蒲も呆れた顔をして白目剥きそうになっている。

授業内容は正直簡単だった。先生が自分を恥じかかせようとしていたのかほとんど俺だけ当てていた。勿論全問正解だったがな。その度に苦虫を食い潰したような顔をしていてとても面白かった事は内緒。隣の席の滝沢(たにざき)もひっそりと笑っていた。

滝沢は少し筋肉がついている感じの体系の男子だ。身長は自分より低いがクラスの中だと高い方に入る。おっとりとした感じで顔はとても整っている。イケメンの分類に入るだろう。髪の方を見ると少し寝癖っぽい跳ね方をしている髪の毛が少しある。意外と面白い髪型をしていると最初思っていた。コミュ力もあるらしく人望も厚い。友達を沢山作りたい自分は羨ましいなとも思ったこともなくはない。それにさっき当てられて隣をチラッと見たら答えが大体全部あっていてノートの取り方がとても上手だった。これこそドラマとかで出てくるクラスの人気者キャラ、実物初めて見た。

なんて呑気に考えていると授業終了のベルが鳴り挨拶して先生が出て行った。良かった、これ以上この先生の顔は見たくないと思った。だがよく考えたらこの先生を一年中、最悪この学校にいる限り毎日会う事になると察した自分は自分の机にうつ伏せでだらんとした。滝沢はそんな自分を見てドンマイと声をかけて次の授業の社会の教科書とノートを取り出した。社会は意外と簡単で暗記だけだというが、自分は苦手なものは苦手だ。何というか、社会自体に興味がないからつまらなく感じる。

先生の声が廊下から聞こえてきて急いで教科書とノートを出して体を起こしたら教室に入ってきたのは女性の先生だった。綺麗な女性用スーツの後ろに軽く結んでいるお団子。ナチュラルメイクの効果なのか皺がとても少なく見える。年齢は二十代前半あたりだろう。彼女はとても綺麗な女性だと思う。先生は今年から入ってきたみたいで歳も近いから仲良くしようと言ったらクラス全員いい返事をした。

そして先生は授業を始め自分は軽くノートを取りながら外の様子を見ていた。校庭の方を見ると違うクラスの女子達がグラウンドを走っていた。朝から御苦労だことと呟いたら走っている女子達の中に汐音ちゃんがいたことに気が付き授業をしている先生の声も雑音も聞こえなくなった。制服姿の汐音ちゃんも可愛いけれど体操服姿もとても可愛い。まだ余裕そうな顔をしているから体育得意なのかなと見つめていたら頭に痛みを感じた。横を見たら教科書を丸めて少し怒っている表情の先生だった。あ、やべぇ、これやらかしたっていう顔をしながら謝ったら先生が問題を解いてといったから問題を見るけれど、答えが全く分からない。え、どうする自分、終わったやん自分等プルプルしながら先生の様子を伺っていると先生がため息をつきこう言った。


「今回はデコピンで許すから次はちゃんと先生の授業聞こうね?」

と言ってデコピンをしてきた。いてっと少し額をさすったら皆笑っていた。席について滝沢の方を見ると羨ましいじゃねーかこの野郎と腕に軽く叩いてきた。暴力反対と吐き捨てながらノートを取り始める。意外とこれ恥ずかしいぞとさっきから桃色に染まっていた頬を抑えながら今度は真面目に授業を聞いていた。

二時間目も終わり号令をかけて先生も教室から出て行ってしまった。クラスの男子が自分の方に向かってきた。


「椿いいなぁ。あんな美人に怒られてデコピンとか。恋人かよ。」


「美人だよな!俺狙っちゃおうかな。」


「お前なんか眼中にねーよ。」

と笑っていた。それは流石にねぇだろと笑って返したら担任が入ってきた。担任は数学担当だと思い出し国語の教科書をサッと仕舞って数学の教科書を出した。それからは簡単でわかりやすい授業が続いた。クラスメイトの集中が切れないように面白いコツや覚え方を教えてくれた。あれは確かに覚えやすいと感心しながらノートにサラサラと書いた。数学の時間がとても楽しく感じたのが今日からっていうのはもっと先の事。校庭の方は相変わらず汐音ちゃんが体育をしていた。目が会う事はなかったけど見れただけで満足していた時分だった。その後に自分が変態みたいだなと少し絶望したのは嫌でもちゃんと覚えている。気づいていたら汐音ちゃんの可愛い似顔絵がノートに描かれていたので急いで消しゴムで消し、ペンで描いてなくてよかったと安心していた。

数学の授業も終わって少ししたら菖蒲がお腹をさすっているのを見てお腹すいているのと聞いたら睨まれた。それもあるってシクシク泣きながら女子達の所へ行った。それもあるっていう事は…………察した。察した自分は半分白目で自分の席に戻ってさっきのことを必死に忘れようとした。妹のそんな事情お兄ちゃん知りたくなかったよ…最初から聞いていたのか滝沢はそれはマズいぜ兄としてと言ってきた。お前も察したのかと白目剥けて答えた。

静かにと声をかけたのは国語の先生だった。頭が少し寂しい人、一言で言うとハゲた先生が入ってきた。うん、まだ若そうなのにご苦労様ですと心の中で唱えた。国語の授業はどの授業よりも長く苦痛に感じたのは自分だけじゃないと自分に言い聞かせ、授業が無事に終わった。お昼ご飯だと全員机移動したり購買へ昼ご飯を買いにしていたり皆バラバラになった。菖蒲を誘おうと思ったがさっきのをまだ根に持っていたのか今日は嫌と言われた。え、妹に振られた感じなんだけど、まるで娘を嫁に出すお父さんみたいな感覚に襲われた。しょうがないと思って滝沢を誘って学食に向かった。

意外と席が空いていたから好きなのに座った。彼は購買で買ってくると言って一回席を外した。他の学年の人達に見られている感じがしていた。皆自分の右腕を見て直ぐに分かった自分はお弁当箱を開け始めていた。流石お母さん、バランス良い上に色鮮やかで目でも楽しめる。そんなこと考えていたら滝沢も戻ってきてパンを二個買っていた。おかず一個寄こせと言われたから少し悪戯してやろうと思って箸を口に持ってきてニヤニヤしながらあーんって言ったら見事顔がトマトのように真っ赤になって食った。クックッと笑ってお弁当をまた食べ始めた。美味い。お母さん様様だね。暫くしてお弁当を食べ終えて片づけ終わって教室に戻ろうとしたら汐音ちゃんと同じクラスだろう女子が自分に声をかけてきた。


「雨宮君だよね?」


「え、えーと、そうだけど?」


「今から二階の空き教室まで来てくれないかな?」


「い、いいけど?」

何だろうと思いながら滝沢に謝ってその女子についていった。




ある人は分からず、ある人はストーカーする。

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