朝から騒がしい人達
小鳥の小さな鳴き声で起きることはなく、煩いアラーム音で目が覚め、イライラするノイズをすぐに消した。少しの間自分の今の状況を把握しようとしていた。そうか、もうここが自分のお家だったまだ慣れない。しょうがないよねと寝起きの声で呟き洗面台の方に向かって顔を洗う。洗っている時に鏡を見ると髪が少し跳ねていたのを見て髪を解かした。自分の自慢のサラサラの髪に寝癖が付いていると笑われるうえになんか違う感じがする、自分じゃないみたい。そんな意味不明な説明は忘れて制服に着替えよ。階段を上る際に蓮兄さんが下りてきたのでおはようのキスをしてそのまま部屋に戻った。袖に腕を通してネクタイもきちんと結んで鏡を見てみると完璧だった。スクールバッグに荷物ちゃんと全部入っているか確認してから再び降りた。
リビングのドアを開けるとコーヒーの匂いとバターの匂いが鼻を擽る。そしてお母さんとお父さんに蓮兄さんと同じくおはようのキスをし、テーブルの前の椅子に座る。そしてお母さんが自分の目の前にバタートースト二枚とジャム、そしてコーヒーを置いてキッチンへ戻った。お父さんは紅茶を飲みながら新聞を読んでいた。政治や小さな出来事が書かれているのを見てここはまだ平和な方だなぁと感心していた。外国、特にヨーロッパやアメリカはテロ事件や殺人事件が多いから余計そう思うのだろう。そういえば、最近フランスで話題になっていた差別的な女性がいたらしいんだけど、あれ結局どうなったんだろう。後でスマホで調べておこう。
食べ終わったら洗い物を流しに置いて歯を磨きに行った。まだ眠い目を擦りながらシャカシャカと手を進めていた。この疲れは多分時差ボケだろうと思いながら今日一日の気合を入れていた。リビングに戻るとお弁当が用意されていてありがとうと言いながら鞄の中に入れた。そしてもう一人の兄の棗兄さんが下りてこないことに疑問を持ちお父さんに聞いてみるとまだ作業が残っているらしくそっとしろとのこと。まだここに来て一日しか経ってないのにもう勉強あるとか凄いなと思いながら靴を履いていた。
菖蒲が準備ができるのを待ち、できた時は玄関のドアを開けながら行ってきますと言った。そして最初に見えるものは蘭ちゃんだった。蘭ちゃんはおはようと言ってきたから返したけど、なんでここにいるのだろう。そう聞くと待っていたとのこと。知らなかったとはいえ、女の子を待たせるとなんか恥ずかしいなと顔を少し赤らめると可愛いと言われ少し拗ねた俺だった。少しして蘭ちゃんと菖蒲が仲良く話しているのを見てコミュ力の塊と呟いていた。そして自転車に乗っている見覚えのあるシルエットを見かけたら蘭ちゃんが真守くんと叫んでいたので真守先輩だと分かった。彼は俺等を見たらこっちに向かって漕いできたので思わず横に移動した。そして元気よく挨拶してきたから蘭ちゃんの時と同じく返した。そして彼は昨日のテレビ番組の話をしていた。俺は生憎昨日は早く寝てしまったのでテレビを見ていない。菖蒲もそうだったのかちょっと困っていたがそれを察したのか先輩は話題を変えてくれた。気も使えるとか流石ですと褒めるともっと褒めてもいいんだぞと調子に乗ったので適当に流した。そして校門前に天使の汐音ちゃんがいたので声を掛けたら微笑んで挨拶した。そんなところも可愛いという本音を心に置いて挨拶した。後は生徒会長先輩だけだと思った瞬間前の方からドドドドドドと言う音がしてちゃんと見てみるとこっちに向かって走っている生徒会長先輩がいた。怖い怖いと叫んで菖蒲は俺等から離れた。そして自分の前で旧ブレイキをかけて呼吸を整えていた。呼吸が正常に戻ったら彼は俺に布か何かを渡してきた。それを観察すると生徒会という文字が入れてあり、これは生徒会の紋章だと短時間で分かった。
「今日から君は正式に生徒会の一員だよ、これが証だからなくさないでね。」
「流石になくしませんよ生徒会長先輩。」
と少し呆れた感じで返したら紋章を右腕に付けたら生徒会の皆に褒められていた。こういうのに慣れてない俺は少し下を向いて顔を真っ赤にした。そしたら心配されてこの天然共めと少し睨んで顔から熱が引くのを感じてまた前を向いて歩いた。歩いていると俺を見て驚いてる生徒が数人いた。いきなり編入したばかりの奴が生徒会に入っているのは少し不振だと感じるのはしょうがないよね。皆が楽しく騒いでいるのをバックにうんうんと一人で頷いていた。
今日からニュースクールライフだ。