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最底辺のおっさん冒険者。ギルドを追放されるところで今までの努力が報われ、急に最強スキル《無条件勝利》を得る。  作者: どまどま@チートコード操作 書籍化&コミカライズ
【三章】 魔物界編 ~最底辺のおっさん冒険者。ギルドを追放されるところで今までの努力が報われ、急に最強スキル《無条件勝利》を得る~
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全員集合

 そういえば、とルイスは思う。

 無事に転移できたのは良いが、わざわざこの《霧の大森林》を選んだ理由はあるのかと。


 それをアルトリアに尋ねると、彼は「こっちに来なさい」と言って先に進んでいく。


 ルイスはアリシアと一瞬だけ目を合わせると、アルトリアの後ろ姿を追った。他の面々も後に続いてくる。

 改めて思うが、とんでもない大人数だ。いまは仕方ないが、この全員で行動するのはあまりに無理がある。下手に動けば帝国軍に見つかってしまうだろう。


 それぞれ別行動を取るのが得策かもしれないな……


 そんなことを考えているうちに、前方を歩くアルトリアの歩みがふと止まった。彼の眼前には巨大な岩があり――よくよく見れば、ギリギリ人が通れるくらいの穴が開いている。


「ここは……洞窟……か?」


 かすれ声を発するルイスに、アルトリアはうむと頷いた。


「避難している最中に偶然見つけての。緊急的に、ワシらはここを拠点としているわけじゃ」

「拠点……」

 その言葉にルイスは引っかかりを覚えた。

「ってことは……他にも誰かいるのか? あの皇帝に反旗を翻そうとする奴らが……」

「まあ、そういうことじゃな」


 にかっと快活に笑うアルトリア。その表情がどこか懐かしい。


「いくら長年敬ってきた皇帝とはいえ、突然の独裁政治についていけぬ者たちは大勢いる。誰かを犠牲にして得た幸福なぞ、空虚以外の何物でもあるまい」

「……はは」


 思わず苦笑を浮かべてしまうルイス。

 この絶望的な状況にあって、相変わらず凄いバイタリティだ。自分の理想を追うためならば、年齢など関係ないということか。


「ついてくるがよい。中はそれほど複雑ではないが、かなり細い通路じゃからの。注意して入りなさい」

 そう言うなり、アルトリアは再び前方へと歩みを進めていくのだった。




「おお……」


 すこし歩くと、大きく開けた場所に出た。ユーラス共和国の隠し拠点にも劣らぬほどの広さである。

 これだけのスペースがあれば、この人数も問題なく入るだろう。緊急的な拠点としては充分だ。


 ――そして。


「あ……あっ!!」

 隣を歩くアリシアが、その先にいる人物を見て、大きく目を開いた。

「お母さんッ! お母さんだよね!?」


「あら……?」


 フレミア・カーフェイは一枚の書面を黙読していたところだったようだ。さっと顔を上げ、こちらに目を向けるや、同様に目を開く。


「あら。あらあらあら……」

「お母さんッ!」


 そう言って母のもとに駆け込んでいく娘。

 フレミアも、そんな娘を強く抱き返した。


「アリシア……良かった……。無事だったのね……!」

「うん。お母さんも、会えて良かった……!」

「すごく心配してたのよ……。皇帝が共和国に戦士を派遣したっていうから、なにか大変なことになってないか……夜も眠れなかったんだから……」

「お母さん……」


 そう言って抱き合う親子に、水を差し挟む者は誰もいなかった。特にルイスら一行は、アリシアが家族のをずっと想っていたことを知っている。


 数秒後。

 抱擁を解いたフレミアが、ゆっくりとこちら側を見渡した。


「すごい大所帯……。アリシア、みんなあなたの仲間なの?」

「うん。色々あってね……」

「ふふふ……。最近まで小さい赤ん坊だったのに……成長したわね……」

 そしてフレミアは最後にルイスに目を留めた。

「ルイスさん……ありがとうございます。また娘がお世話になったようですね……?」

「いやいや。俺はなにもしてませんよ」


 ぶんぶんと片手を振るルイス。

 むしろこっちが助けられたくらいである。


「でも、これはいったいどういうことですか……? 神聖共和国党がいるように見えるのは、私の見間違い……?」

「はは。違いますよ。彼らも味方です」

「み、味方……?」 


 わけがわからないといったように首をかしげるフレミア。

 まあ、無理もあるまい。

 ルイスとて、神聖共和国党と初めて共闘したときはたまげたものである。

 黙りこくる一同に向けて、アルトリアがやや大きな声で言った。


「とりあえず情報共有といこうではないかの? 互いに聞きたいことが山ほどあるじゃろうからな」


 


新作を公開しました!


異世界で医者はじめました。 ~回復魔法を使えるのは僕だけ~


ぜひお越しください(ノシ 'ω')ノシ バンバン



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