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最底辺のおっさん冒険者。ギルドを追放されるところで今までの努力が報われ、急に最強スキル《無条件勝利》を得る。  作者: どまどま@チートコード操作 書籍化&コミカライズ
【三章】 魔物界編 ~最底辺のおっさん冒険者。ギルドを追放されるところで今までの努力が報われ、急に最強スキル《無条件勝利》を得る~
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絶妙なるコンビネーション

 世界中に弾けるような金属音が響き渡った。


 ルイス・アルゼイド。

 レスト・ネスレイア。


 二人の命をかけた戦いに、いまこの瞬間だけ、世界が揺れた。


 そして。

 周囲にいた人々、全員が驚愕した。

 二千年もの間、無敵の神話を誇っていた絶宝球の壁が、粉々に砕けていったのだから。

 

 ★


「はぁ……はぁ……」

 レスト・ネスレイアの体力はとうに限界だった。

 絶宝球の尋常ならざる抵抗力に加え、スキル《ステータス・オールマックス》と、右胸の負傷……


 この三つが重なれば、いくら最強のSランク冒険者といえど、動けなくなるのが必然。


 ――ゆえに。


「くそ、あいつを殺せ!」

「疲れてるようだ! いまがチャンスだぞ!!」


 壁の向こう側にいた戦士たちを前に、レストは一歩たりとて動くことができなかった。


 当然だ。

 いくら絶宝球が比肩なき力を持っていたとしても、あの皇帝ソロモアのことだ。

 あらゆる事態を想定して、この場に監視員を配置しているだろうことは誰でもわかる。


 しかも奴らは全員、《無条件勝利》のスキル持ちだ。見たことのあるオーラを携えている。適当に戦って勝てる連中ではない。


 ――だが。


「へ、へへへ……」

 レストは自身の右胸を抑え、足をガクガクに震わせながら、それでも不敵に笑ってみせた。

「あんたらよう……。あんまりヴァイゼのジジイを馬鹿にしないほうがいいぜ……?」


「な、なに……?」

 戦士のひとりが目を見開き、そして――

「か、はっ……!?」

 一瞬だけ表情をひきつらせるや、無言で膝から崩れ落ちた。胸部を切り裂かれたようだ。見るに耐えない鮮血が周囲に飛び散る。


「ひ、ひえっ!?」

「なんだ!」


 なんだもクソもない。

 レストですら視認できないほど高速で動ける人物。

 思いつくのはひとりだ。


「やっ!!」


 同じくSランク冒険者――フラム・アルベーヌは、近くにいた兵士を次々と切り刻んでいく。相変わらずすさまじいスピードだ。いまのレストでは手も足も出なかろう。


「つ、強い!」

「ふざけんな! 《無条件勝利》使いの俺たちが負けてなるものかァ!!」


 そう騒ぎたてる戦士たちだが、フラムとて簡単にはやられない。戦士たちの攻撃を軽々と避け、そして的確な斬撃を浴びせていく。


「私が道を切り開く! ロア、あとは頼んだぞ!!」

「承知した!」


 どこか遠くで、前代魔王が返事をした――

 と思いきや。


 瞬時にして、多くの人々がこの場に姿を現した。

 神聖共和国党の面々。

 帝国のギルドメンバー。

 その他、黒装束の戦士たちなど……

 強力な味方たちがこの場に現れた。


「おうおう、ここが帝国かよ。変わったもんだなぁ」

「皇帝ソロモア……。やはり侮れない男だな」


 周囲を見渡しながら、バハートとヒュースが口々に言う。

 彼らとて長い間ここに住んでいた身だ。そんな故郷が知らぬ間に戦場にされているのだから、驚くのも無理はない。


「あ……あ……。こいつら、なぜここに……?」


 帝国の戦士たちが青い表情で後ずさる。


 言うまでもない。

 前代魔王の転移術を用いた形だ。

 ルイスとレストの共闘で壁を破った後、フラムが道を開き、ロアの転移術で一斉にワープする……


 これがヴァイゼ大統領の打ち出した策だ。

 もちろん簡単なことではない。絶妙なコンビネーションがあってこそ成り立つ作戦だ。そしてヴァイゼは、ルイスら一行が固い信頼で結ばれていることを知っていた。




さらに熱く、感動していただけるような内容に編集し、一巻を発売しております! ぜひお求めくださいませ!


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またいくつか新作も投稿しておりますので、よろしければそちらにもお越しくださると嬉しいです。

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