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最底辺のおっさん冒険者。ギルドを追放されるところで今までの努力が報われ、急に最強スキル《無条件勝利》を得る。  作者: どまどま@チートコード操作 書籍化&コミカライズ
【三章】 魔物界編 ~最底辺のおっさん冒険者。ギルドを追放されるところで今までの努力が報われ、急に最強スキル《無条件勝利》を得る~
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「はは。変わんねえよなぁ、あんたもよ」


 片腕で額を覆いながら、レストがおかしそうに言った。ミューミも同様の反応を示している。


「仕方ないですよ。これがルイスさんですし――はむっ」


 横から茶化してきたアリシアの頬をつまむ。


「おまえだって、そのすぐ遊びだす性格、変わってねえだろが」


「あ! ひどい! ルイスさん言いましたね!」


「あーもう。いちいち騒ぐなよ」


「ばーかばーか。ルイスさんのばーか」


「て、てめェって奴は……」






「は、ははは……」


 ルイスとアリシアが言い合っているのを、Bランクの冒険者――バハートがどこか懐かしむような瞳で見つめていた。


「どうした。バハート」


 そんな彼に、ひとりの帝国冒険者が話しかける。かつてルイスたちを馬鹿にした冒険者のうちひとりだ。


「いや、まぁな……。あの二人、いまでも変わんねぇんだなって思ってよ」


「ん?」


「ルイスもアリシアも、ただひたすらに前向きだったよな。俺たちがなにを言っても……自分なりにこなせることをやろうとしてた」


「ああ……うん。そうだったな……」


「絶宝球なんて、俺なんか怖くてしょうがないのによ。でもあの二人は、相変わらずあんな調子だ。……はは、そりゃ、差つくよなぁ」


「…………」


「ああ、悪い悪い。しけた話はなしだ。いまは俺たちも頑張ろうぜ。あの二人のようにな」






 ――数分後。


おのおの、話はまとまったかな」


 ヴァイゼ大統領が声を張り上げ、一同が静まり返る。

 しん、と落ち着いた空気のなかで、ヴァイゼはこくりと頷いた。


「全体の指揮は私が取らせてもらおう。あの狡猾なるソロモアのことだ。こちらの動きなどとうにお見通しであろう。各人、油断せぬようにな」


「おう!」


 威勢のよい返事を投げる一同だった。


 ★



 ――同日、午後四時。

 帝都サクセンドリアの王城、謁見の間にて。


「ご報告申し上げます!」

 兵士の声が大きく響き渡る。

「ユーラス共和国の制圧は、ただいま四割がた完了しております。抵抗する者もいるようですが、帝国側の犠牲はほぼ皆無となっております」


「……ふむ」


 頬杖をつきながら、無感情に頷く皇帝ソロモア。


「なお、ヴァイゼ・クローディアやレスト・ネスレイアなど、要注意人物はいまだ姿を見せぬ模様。一部では、すでに自害したのではとも囁かれております。報告は以上です!」


 ――なんとも稚拙だ。

 ソロモア皇帝は眉をひそめながら、ぎろりと兵士を睨みつける。


「奴の策にはまるな。ヴァイゼがそう簡単に引くわけがなかろう」


「も、申し訳ありません。ただ、そういう話が広まっているのは事実でありまして……」


「それが危険だと言っているのだ。油断は敗北を生む。貴様が他の兵士に発破はっぱをかけよ」


「し、承知致しました! 申し訳ございません!」


 そう言うなり、そそくさと退散していく兵士。


 ソロモアはふうとため息をつくと、ちらりと窓の外を見やる。


 帝国の外周部に広がる闇の壁。

 これがある限りは、何人たりとて自国に侵入することはできない。

 よしんば突破できたとしても、数々の《無条件勝利》の使い手や、他の中小国の兵士、そして絶宝球がこちらの手にある。


 これだけの好条件が揃っている以上、負けるわけがない――


 自国ではすでにそんな空気が蔓延しているようだが、これこそが危ないのだ。たった一瞬の出来事で、形勢が一気に逆転することもありうる。そんな民衆どもを正しく導くのが、皇帝の役目でもあるのだが。


「皇帝陛下……」

 ふいに、隣に立つ大臣が眉間に皺を寄せながら言ってきた。

「静かすぎるとは思いませんか? あのヴァイゼがなにもしてこないとは考えにくいのですが……」


「うむ。必ずなにかしら手を打ってくるはずだ。おまえも万全の体制を――」


「ご、ご報告申し上げます!」


 ソロモアの言葉を破り、さきほど退散した兵士がまたしても姿を現した。心なしか、さきほどよりも表情に焦りが見て取れる。


「…………」


 その様子に、ソロモアは否応なしに嵐の予感を覚えた。


「国境付近で、最重要人物が現れました! ルイス・アルゼイドです!」


さらに熱く、感動していただけるような内容に編集し、一巻を発売しております! ぜひお求めくださいませ!


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