氷夢・炎夢とオルトロス
お待ちかねのキャラが登場します
ここは劉備(桃香)軍一行のいる益州
平原をモンスター達の手によって追い出された一行はこの地に来ており、その道中で董卓軍とエリスに遭遇して仲間となった。
そんなある日
桃香「ねぇねぇ愛紗ちゃん、ちょっといいかな? 」
桃香が愛紗に何かをお願いしようとするが
愛紗「ダメです 」
即座に断られてしまった。
桃香「まだ何も言ってないのに! 」
愛紗「長い付き合いです。どうせ街へ買い物に行こうとおっしゃりたいのでしょう。ですが桃香様、我々は遊びに来たのではないのです。一刻も早くこの益州を領地にしなければならないのに桃香様がそうやって遅くしているのと作者の展開が遅いせいで我々はいまだに益州を手にしていないのですよ 」
メタ発言をする愛紗
桃香「だって私達って益州に来てからずっと情報集めとかばかりで遊んでないし 」
愛紗「ダメです! 」
桃香「はぁ〜、こんなことなら翠ちゃん達に着いていった方がよかったなぁ 」
そう
現時点で劉備軍一行は董卓軍を除くと八人(桃香、愛紗、鈴々、朱里、雛里、星、翠、蒲公英)なのだが、翠、蒲公英、星、雛里の四人は翠が『ちょっと西涼に一旦帰らせてもらう』ということで同行していなかった。
愛紗「桃香様! 」
桃香「は…はい!? 」
朱里「はわわ〜!? 」
鈴々「愛紗は真面目すぎなのだ 」
するとその時だった。
男「大丈夫か?ずっと寝てないんだろ 」
男「大丈夫だって! 」
そんな日常的な会話が流れてきた。
ところが
ぴくんっ!
愛紗「一刀だとーっ!!奴は何処だぁーっ!! 」
突然愛紗の顔が夜叉のようになり、暴れだしたのだ。
以前愛紗は一刀に下着を盗まれた怒りから
『かずと』
という言葉を聞いただけで暴れるようになっていた。
朱里「はわわ〜!? 」
鈴々「愛紗、落ち着くのだ〜!? 」
ドタバタンッ!!
この時、皆は気付いていなかった。
桃香「(いまのうちに♪) 」
この騒ぎに紛れて桃香がこっそり抜け出したことを
そして桃香が向かった先は
桃香「うわぁっ!かわいい服がいっぱい♪ 」
服屋であった。
桃香「何だか見慣れない感じの服ばかりありますね 」
店員「えぇ、実は陳留に新しいデザインの服が流れましてこれがなかなか好評なんです 」
桃香「陳留…まさかね!? 」
まさかと思う桃香であったが
そのまさかの通り、陳留から流れた新しいデザインは全て一刀が流したものである。
桃香「う〜ん。色々あって全部欲しいくらいだけど考えてみたら財布は愛紗ちゃんが預かってるんだよね 」
今更ながらその事に気付く桃香
もしこのまま財布を取りに戻れば確実に説教を食らわされる。
それだけは食らわされないため
桃香「残念だけど今回は試着だけにしよう 」
買うのを諦めて試着するだけにしようと決める桃香であった。
シャッ!
桃香「ふんふ〜ん♪ 」
バサッ!
そして試着室に入った桃香は服を脱ぎ、選んだ服を着ようとしたその時
はぁ…はぁ…
何やら不気味な声が聞こえてきた。
桃香「だ…誰ですか!? 」
試着室には桃香だけしかいないはず
なのに不気味な声がする。
怪しげな雰囲気に桃香が驚いていると
ぼやぁっ
何やら人の形をした何者かが現れたのだった。
桃香「い…いやぁ…!! 」
変質者の出現に叫ぼうとする桃香であったが
ガシィッ!!
桃香「うぐっ!? 」
謎の人物に口を塞がれ声が出せなかった。
しかし、よく見てみると
?「お姉さん、いい体してるね 」
その人物は薄紫色をした目とロング髪で胸は桃香並はある女であった。
この人物、一刀達と同じく魔法世界からやって来た魔法使い。霧野炎夢であった。
炎夢「こんなとこに飛ばされてから数日間、試着室に隠れては女の子の着替えを覗いていたけどその中でもお姉さん、あなたが一番だよ 」
桃香「え…えと!? 」
完全なる変態である。
炎夢「さぁ、その体をもっと触らせて、揉ませて、吸わせて♪ 」
バッ!
桃香「きゃぁっ!? 」
あまりの変態行為に桃香が叫びそうになったその時
ふぁさっ
桃香の髪が炎夢の鼻に触れると
炎夢「は…は…ハックショーンッ!! 」
炎夢は物凄いくしゃみをしてしまった。
その直後
氷夢「んっ?何故私はここにいるんだ? 」
桃香「えっ? 」
さっきまでと態度が変わっていた。
実は炎夢は二重人格者であり、入れ替わったという自覚はあるが互いの記憶を共用していないため急に変わると混乱してしまう
ちなみにくしゃみする度に人格と名前が変わっていき
氷夢→炎夢→氷夢→…
というややこしい感じになる
氷夢「お姉さん、何故私はここにいるのか知らないか? 」
桃香「えぇと!? 」
何が起きているのかわからない桃香
氷夢と炎夢は性格や頭脳が正反対であった。
すると
店員「お客様、どうかなされましたか? 」
さすがに騒ぎの連続で怪しく思った店員が声をかけてきた。
氷夢「まずい!?このままここにいたら見つかってしまう!?こうなれば… 」
スッ!
氷夢は杖を取り出すとあることを行った
それは…
氷夢「いまのうちにこっちへ!! 」
桃香「い…いいのかな!? 」
ダダダッ!!
急いで服屋から立ち去る二人
何故ならば…
男「な…何だこりゃ!? 」
カッチィーンッ!!
さっきまで二人がいた服屋が氷夢の魔法によって氷づけになっていたからだ。
クールだが頭の悪い氷夢は建物ごと人々を凍らせるという強引かつ無茶苦茶な方法で脱走したのだった。
それからしばらくして
氷夢「ごめんねお姉さん、驚かしちゃって 」
桃香「い…いえ 」
確かに驚きはしたが最近では慣れてきたりする
すると
桃香「あのぅ、失礼なこと聞くようですけど、あなたはもしかして魔法使いですか? 」
桃香が氷夢にそう聞くと
氷夢「!?。な…何故私が魔法使いだと!?もしかしてお姉さんも魔法使いか!? 」
そんなわけがなかろう
桃香「い…いえ!?うちにも魔法使いのエリスさんがいますし、一刀さんにも会いましたし 」
氷夢「エリスに一刀だと!?よかった。あの二人もここにいたのか、てっきりこの世界には私しかいないと思ってたからな 」
それはいきすぎな考えのような気が
桃香「(この人、無茶苦茶な感じだけど悪い人じゃなさそう) 」
彼女を見ていた桃香はそう思い
桃香「あのぅ、もしよかったら私の軍に… 」
このまま放置するのもあれなため、自軍へスカウトしようとしたその時だった。
男「早く逃げろ!怪物が追ってくるぞ!? 」
怪物。それを聞いた桃香は真っ先にモンスターを頭に浮かばせ
桃香「ちょっとあなた、一緒に来てください 」
氷夢「えっ? 」
ぐいっ!!
モンスターには魔法使いだと考えた桃香は氷夢を連れて現場に向かった。
そこでは
ギシャアァーーッ!!
ピキピキィッ!!
ゴガアァーーッ!!
ソニックバード
キラーマンティス
バーバリアン(オーガの亜種)
という強力なモンスター達が暴れまくっていた。
氷夢「ほぉ、この世界にもモンスターがいるのだな 」
桃香「驚いてないで何とかしてください! 」
氷夢「仕方がない。私の氷魔法で全員氷づけ… 」
と氷夢が杖を取り出したその時
氷夢「は…ハックショーンッ!! 」
氷夢はくしゃみをしてしまった。
その結果
炎夢「あれれ〜?試着室にいたはずなのに何で私はここにいるの〜? 」
氷夢から炎夢になってしまった。
桃香「ど…どうしよう!? 」
焦る桃香であったが
ギシャアァーーッ!!
炎夢は迫るモンスター達を見ると
炎夢「成程ねぇ 」
スッ!
赤と青の混ざった召喚リングを指にはめ
炎夢「いでよ!オルっち! 」
パアァッ!!
とある召喚獣を呼び出した。
それは…
オルトロス(右)「およびですかご主人! 」
オルトロス(左)「早く用件済ませて女の子と遊びたいよ 」
紫色の体をし、水色の頭(右)と赤色の頭(左)を持つドーベルマン
地獄の番犬ケルベロスと並ぶ存在のオルトロスであった。
オルトロス(右)「この野郎!久々に呼び出されたんだから真面目にしないか! 」
オルトロス(左)「いっそのことずっと呼んでくれなきゃよかったのに 」
この首はそれぞれ性格が違い、呼び出す度に喧嘩をするのだが
炎夢「いいから早く吠えて! 」
オルトロス(右)「しょ…承知! 」
オルトロス(左)「はぁ〜い 」
主人である炎夢に命じられ
ガルルウゥーーッ!!
オルトロスがモンスター達に向かって吠えると
!?
ぼぼんっ!!
オルトロスの叫びを聞いたモンスター達から煙が発生し
ポポンッ!?
ピューーッ!!
本来の姿である豆狸に戻って逃げてしまった。
豆狸
変身能力に長けたモンスターであるが犬系モンスターに弱い
氷夢より頭のいい炎夢はあれが豆狸が化けたものだと見破っていたのだ。
炎夢「よくやったよオルっち 」
オルトロス(右)「その呼び方はちょっと…!? 」
オルトロス(左)「呼び方なんていいじゃん 」
何はともあれ一件落着である。
桃香「(この人、使える)あ…あのぅ 」
炎夢「んっ? 」
騒ぎが収まり、桃香は炎夢にスカウトの話を持ちかけると
炎夢「いくいく!お姉さんと一緒にいられるのなら家来でも肉奴隷にでもなるからさ 」
桃香「に…肉奴隷って!? 」
それはいきすぎである
こうして劉備軍に新たな魔法使いが仲間になったのだが
桃香「あれっ?そういえば何か忘れてるような? 」
桃香はすっかり忘れていた。
愛紗「何処へ行きましたか桃香様!! 」
朱里「はわわ〜!? 」
鈴々「お姉ちゃん、早く出てくるのだ!? 」
自分が隙をついて愛紗達から逃げていたことを
この後、すっかり忘れていた桃香は偶然合流するのだが、愛紗に説教を食らわされ、皆に氷夢・炎夢を紹介するのだった。
だが
炎夢「桃香っち♪ 」
愛紗「変な呼び方をするな!! 」
真面目な愛紗とは口喧嘩ばかりするという
 




