表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/137

拠点7と悪魔転換病

悪魔転換病(あくまてんかんびょう)


別名:デビルウィルス


悪魔族に続いて魔力が高いとされる魔法使いが生涯において必ず発症する(やまい)である。


この病は悪化すると最終的に魔法使いが悪魔になってしまうという恐ろしい病なのだ。


普通は0〜5才くらいまでに発症するのだが、ごくまれに青年期〜高齢者までの間に発症することがある。


彼もまたそのうちの一人であった。


それは一刀が劉備軍の元から帰ってまもなくのこと


ぽりぽりっ


一刀「ん〜… 」


きっかけは一刀が尻をかいていたことから始まった。


季衣「兄ちゃん、お尻なんかかいてどうしたの? 」


一刀「いや、ちょっと痒い(かゆい)んだよ 」


香風「虫刺され? 」


一刀「さぁな、後でちょっとばかし見てみるか 」


この時の一刀は自分に何が起きていたのかわからなかったのだが、実は…


※悪魔転換病の症状:その1


・突然尻が痒くなり、悪魔の尻尾がはえる


が始まっていたのだった。


そして翌日


スッ!


一刀は城の中だというのに帽子を被っていた。


流琉「どうかしたんですか兄様? 」


一刀「いや、実は頭にちょっとばかしハゲができてな、ハゲ隠しだ 」


桂花「ププッ!いい気味よ。そのままツルツル頭にでもなっちゃいなさい 」


一刀を見て笑う桂花だが


もちろんハゲ隠しのために帽子を被っていたわけではなかった。


その理由は…


一刀「はぁ…、まさか俺の頭に角がはえるだなんてな 」


バァンッ!!


一刀の頭に悪魔風な角がはえていたからであった。


※悪魔転換病の症状:その2


・頭に悪魔風な角がはえる。(形は人によって様々)


一刀「これってやっぱ悪魔転換病だよな!?いままで発症しなかったから安心しきっていたのに!? 」


ここまでくれば一刀とて自分に何が起きていたのか理解していたのだが


一刀「だが、薬だけは受けたくない!薬を食らうくらいなら悪魔になってやる! 」


悪魔転換病には治療薬があるのだが、一刀はある理由からそれを拒否しまくっていた。


そしてさらに翌日


一刀以外全員『・・・ 』


軍議が開かれようとするなか、警邏に出ている凪達三人以外の全員があるものに注目していた。


それは…


バァンッ!!


全身包帯グルグル巻きの一刀がそこにいたからだ!


華琳「ど…どうしたの一刀!? 」


この華琳の問いに対し、一刀は…


一刀「ふぁいじゃんきゃらほろんじゃ(訳:階段から転んだ) 」


あきらかに嘘をついた。


この場にいる魔法使いが一刀だけならここで話は終わったのだろうが


マリア「一刀、あんたまさか!? 」


残念ながら陳留にはもう一人魔法使いがおり、マリアは一刀の様子に心当たりがあった。


一刀「ひゃ…ひゃぱい!?(訳:や…やばい!?) 」


スッ…


すぐさま逃げようとする一刀であったが


ガシッ!!


マリアに包帯をつかまれ


マリア「てぇーいっ!! 」


しゅるしゅるーーっ!!


一刀「のわぁーーっ!? 」


包帯を勢いよく引っ張られ、一刀は独楽のように回転していき


しゅるりっ!!


包帯が全て外れた時には


一刀・マリア以外全員『えぇっ!? 』


一刀とマリア以外の全員が驚いた。


何故なら一刀の姿が…


バァンッ!!


色黒になり、牙まで生えていたからだ。


※悪魔転換病の症状:その3


・肌の色が黒くなり、牙が生える


春蘭「ほ…北郷!?そ…その姿は!? 」


一刀「ひ…日焼けだよ!? 」


春蘭「何だ日焼けか、驚かすな 」


桂花「そんなわけないでしょ!この馬鹿!! 」


簡単に騙される春蘭であった。


マリア「一刀、あんたデビルウィルスにかかってるでしょ!! 」


一刀「(ドキィッ!?) 」


華琳「何なのそれ? 」


マリア「魔法使いにのみ発症する病でほっとけば悪魔になっちゃう病よ 」


華琳「何ですって!? 」


話を聞いて華琳は驚いた。


マリア「でも生涯で一度しか発症しない病だし、一刀はまだ発症していなかったから… 」


スッ!


そう言いながらマリアはマジックバッグに手を入れると


マリア「万が一に備えて薬を持っておいてよかったわ 」


ジャーンッ!!


マリアはバッグから薬を取り出した。


悪魔転換病というが実は食らえば一発で治るちゃんとした特効薬が存在するのだ。


マリア「さぁ一刀、私が治療してあげるからこっちに… 」


一刀「い…嫌だ!? 」


マリア「えっ? 」


一刀「それだけは嫌だぁーっ!! 」


バビュンッ!!


薬を食らうのを嫌がる一刀はその場から逃げ出した。


マリア「こら待ちなさい!! 」


華琳「全員に伝達!直ちに一刀を捕らえなさい!国から逃げ出さないよう門も閉じておきなさい! 」


こうして陳留国による一刀捕獲作戦が開始されたのだった。


それから少しして


ドンッ!!


陳留の外へ出るための門の前には一刀の脱出を阻止するため屈強な男達が数十名配置されていた。


一刀「くそーっ!!華琳の奴め、こういう時だけ真面目になりやがって!! 」


外へ脱出できないことを悔しがる一刀


半悪魔となった今の一刀は箒を出すことができないのだ。


一刀「穴を掘って外へ出るか、それとも… 」


一刀はどうやって脱出しようか考えていると


ザッ!


真桜「あれが隊長かいな!? 」


沙和「聞いた通り全然姿が変わってるなの!? 」


一刀「げげっ!? 」


警邏をしていた凪達に見つかってしまった。


凪「隊長、お話は華琳様やマリアさんから聞いております。大人しくこちらに… 」


と凪は言うが


一刀「嫌だぁーっ!! 」


ダッ!


一刀は聞く耳も持たず、その場から逃げ出した。


だが


真桜「甘いで隊長!みんな、出てきてや!! 」


一刀が逃げた先には


隊員達『イエッサー!! 』


ザザッ!!


一刀「なっ!? 」


既に数名の隊員達が待ち構えていた。


真桜「甘いで隊長 」


沙和「隊長の行動なんて沙和達なら予測できちゃうなの 」


凪「大人しく捕まってください 」


一刀に近づいてくる三人に対し、一刀は…


一刀「こうなれば!? 」


ビビビッ!!


一刀は両手に魔力を込めると


一刀「接触厳禁!! 」


ドドドンッ!!


真桜「へっ? 」


沙和「何なのこれ? 」


凪「何やら嫌な予感が!? 」

凪達目掛けて個人魔術・接触厳禁(ノータッチ)を繰り出し


パチンッ!!


指を鳴らした瞬間!


バババッ!!


真桜「何やねんこれ!? 」


沙和「きゃーっ!!見ちゃダメなのーっ!! 」


凪「うわぁーっ!? 」


ぷりんっ♪


三人の服が弾き飛ばされ、三人はパンツ一枚の姿になってしまった。


そして


隊員達『おほぉっ♪ 』


真桜「このど阿呆!何ボサッと見とんねん!! 」


凪「み…見るなぁーっ!! 」


沙和「きゃーっなの!! 」


隊員達は一刀のことを無視し、半裸になった凪達に注目した。


その隙に


一刀「さらばだ!! 」


ビュンッ!!


凪「あっ!! 」


一刀はまんまと逃げたのだった。


本当は一刀だってガン見したいのだが、捕まってしまうリスクを恐れ、悔しいが今は逃げるしかなかった。


だが


ゴロゴロッ…


ビッシャーーンッ!!


一刀「ぎゃあぁーっ!? 」


接触厳禁の罰による落雷が一刀に直撃した。


いつもならばすぐに倒れる一刀だが


一刀「ま…まだ俺は倒れるわけにはいかぬ!! 」


火事場の馬鹿力が発動し、一刀は倒れずそのまま逃げていった。


一刀「しかし、今の落雷で俺の居場所がバレてしまった。どうしようかな? 」


一刀が次なる手を考えながら走っていると


?「そこの人、ちょっと聞いてもいいか? 」


赤毛の髪をした男に呼び止められた。


一刀「何だよ?っていうか、あんた誰? 」


赤毛の男「俺か?俺の名は華佗。医者だ 」


男は名を華佗といい、医者を名乗った。


一刀「い…医者だと!? 」


華佗「旅の途中でこの国にやって来たんだが、入った途端に門を閉められて出られないんだ。あんた、この国で何が起きてるのか知ってたら教えて… 」


華佗が言い終える前に


一刀「医者は敵だぁーっ!! 」


ドカァッ!!☆ミ


華佗「がはぁっ!?何で…!? 」


バタンッ!!


一刀に殴られ、倒れる華佗


今の一刀に医者という言葉は禁句だったりする。


そうこうしている間に


マリア「見つけたわよ一刀! 」


華琳「観念なさい! 」


一刀「げげっ!? 」


バァンッ!!


一刀は凪達以外の陳留軍全員に囲まれてしまった。


マリア「早く薬を食らわないと二度と戻れなくなるわよ! 」


華琳「男ならさっさと食らいなさい! 」


追い詰められた一刀は


一刀「嫌だぁーっ!! 」


ドドドンッ!!


華琳「なっ!? 」


華琳達目掛けて魔力弾を放ちまくった。


一刀「あんな薬を食らうくらいなら悪魔になってやるーっ!! 」


ドドドンッ!!


魔力切れになろうがお構いなしに魔力弾を放ちまくる一刀


確かにこのまま繰り出せば一刀の魔力が尽きてしまうのだが


それより先に…


スゥッ…


一刀の目が徐々に白目に変わっていた。


※悪魔転換病の症状:その4


・重症になると徐々に目が白目になり、完全なる悪魔族となる


マリア「あのままじゃ一刀が完全な悪魔になっちゃう。どうしよう!? 」


どうしようとマリアが悩んでいると


華琳「私に策があるわ 」


マリア「えっ!? 」


華琳にはある策があった。


一刀「よしっ!あと数分で俺は薬を回避し、悪魔族となる!逃げきったぜ!! 」


ドドドンッ!!


相変わらず魔力弾を放ち続ける一刀


するとその時


ふわっ!!


一刀「んっ? 」


一刀の目に


バァンッ!!


巨大ブラが入った瞬間!


一刀「巨大ブラーっ!! 」


バッ!


一刀は魔力弾を放つのをやめ、巨大ブラ目掛けて飛び出していった。


だが


ギュギュギュッ!!


一刀「げげげっ!? 」


巨大ブラに手が触れようとした瞬間、一刀の手足を銀の縄が縛り上げた。


華琳「罠にかかったようね一刀 」


一刀「華琳!? 」


こんな手に引っ掛かるのは一刀くらいだが、もちろん巨大ブラは華琳の仕掛けた罠である。


銀は悪魔族の力を封じる。


以前華琳が悪魔化した時も銀の縄で縛ることにより動きを封じたのだった。


一刀「放せーっ!! 」


銀の力によって逃げることができなくなった一刀


そんな一刀の背後に


マリア「か〜ず〜と〜!!大人しく薬を食らいなさい!! 」


一刀「嫌だぁーっ!? 」


マリアが忍び寄り、一刀に治療薬を食らわしたのだが


その時、皆は見てしまった。


ぐいっ!!


華琳「えっ? 」


マリアが一刀のズボンを無理矢理脱がし


マリア「てぇいっ!! 」


ブスゥッ!!


一刀「あんぎゃ〜〜っ!! 」


一刀の尻の穴目掛けて薬を食らわすのを


実は悪魔転換病の治療薬は座薬しかないのだった。


これが一刀が薬を食らいたくなかった理由である。


そして


シュウゥッ…


何とか間一髪薬を食らったおかげで悪魔になるのを防げた一刀であったが


一刀「うぅっ…!?もうお婿にいけない… 」


代わりに何か大事なものを失った気がする一刀であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ