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言えない真名と同行

陳留に突然モンスターから逃げるため通行許可をもらいに劉備軍が現れ、最初は通行料として関羽(愛紗)を要求する華琳であったが劉備(桃香)の仲間は誰一人として失いたくないという戦乱の世の中にとって甘すぎる考えを聞いて考えを改め、無償で通すことになった。


だが劉備軍が陳留を越えた頃、モンスターのワイバーンが劉備軍を襲撃し、桃香が連れ去られそうになり、落下したその時!


何と!?陳留にいるはずの一刀が桃香を助けたのだった。


一方その頃


マリア「はぁ〜 」


劉備軍が出ていった直後にため息を吐くマリア


秋蘭「どうしたのだマリア? 」


マリア「モンスターから逃げてる劉備さん達が心配になってるのよ 」


一般人がモンスターを倒す


スライム等の低級モンスターならばそれも可能なのだが、もしオーガ等の上級モンスターならば魔法使いでもいない限り倒すことは不可能である。


マリア「一刀、あんたはどう思う? 」


マリアは同じ魔法使いである一刀に聞いてみると


一刀「えっ!?さ…さぁ、わからないな!? 」


一刀はマリアから目をそらしながらそう言った。


マリア「どうしたのよ一刀?いつものあんたなら『あんな巨乳さんを置いていけない!俺が今すぐ行ってくるぜ!』とかでも言うのに 」


さすが一刀の幼馴染み


考えを確実に読み取っていた。


だが


一刀「じ…自分…いや、俺が陳留を離れるなんてあるわけないじゃないですか!? 」


あきらかに一刀の対応はおかしかった。


すると


華琳「一刀、私の真名を呼んでみなさい 」


華琳がそんなことを言ってきた。


一刀「そ…それは!? 」


華琳「あら、あなたには真名を預けてるんだから言えるはずでしょ。それとも私の真名が言えないの 」


真名を教えたにも関わらず真名を言わない


それは余程の理由がない限り侮辱行為にあたった。


すると


一刀「す…すいませんでした!! 」


一刀がいきなり華琳に対して土下座し


バサッ!!


兵士「自分は隊長じゃないんです!? 」


カツラを外すと、そこに一人の兵士が現れた。


春蘭「北郷、お前ヅラだったのか!? 」


秋蘭「姉者は黙ってろ 」


華琳「それでどういうことなのかしら? 」


兵士「じ…実は… 」


それは前話にて一刀が(トイレ)に向かったと言った際


一刀「おいお前、俺は劉備軍のとこに行ってくる。お前は俺と背格好が似てるからちょっとの間、俺に化けててくれ 」


兵士「えぇっ!? 」


一刀は一人の兵士に自分の身代わりを頼んだのだった。


髪はカツラを、服は同じような服を着せ、外見では判別できないくらいに


兵士「自分は隊長に脅された(おどされた)んです!申し訳ありません! 」


100%一刀が悪いように言う兵士であったが


華琳「ふぅん、それじゃあ、あなたの懐にあるこれは何なのかしら? 」


シュバッ!!


兵士「あぁっ!? 」


華琳は兵士の懐から一枚の紙を取り出した。


それは数え役満姉妹公演会の最前列チケット(握手券付き)である。


実は一刀に脅されたと言いながら、ちゃっかり報酬として最前列チケットを要求していた兵士であった。


華琳「私に嘘を言った罪でこの者を反省室に入れときなさい 」


兵士「そ…そんな!?曹操さまーっ!! 」


華琳に対して嘘を言った罰により、人が通れないほどの小さな窓のみがある反省室に入れられる兵士であった。


マリア「はぁ、一刀ったら勝手に出掛けるだなんて、私が連れ戻しに行ってきます 」


ボンッ!!


箒を出し、一刀を連れ戻しに向かおうとするマリアであったが


華琳「その必要はないわよマリア 」


マリア「えっ? 」


華琳「甘過ぎる劉備がモンスターを対処できるはずがない。でも私の勘では劉備は将来厄介な相手となる。モンスターごときに劉備軍を倒させるわけにはいかないから少しの間だけ一刀を貸してあげるとしましょう 」


マリア「華琳さん… 」


何だかんだ言いながら優しいところを見せる華琳であったが


華琳「ただし、一刀の仕事は残しときなさい。勝手に出ていった罰として帰ってきたらたまりにたまった仕事を休まずやらせるとしましょう 」


一刀に対しては厳しかったりする


すると


稟「あのぅ、華琳様 」


華琳「どうしたの稟? 」


稟「実はですね… 」


そんな華琳に稟は一言申すのだった。


一方その頃


一刀「危なかったね劉備さん 」


桃香「えっ?えっ? 」


桃香は何故自分が宙に浮いているのか?


何故一刀が目の前にいるのかに驚いていた。


だが


ギャアーーッ!!


ワイバーン達は待っていてはくれなかった。


一刀「うるさいワイバーンめ!ケルベロス、脅かしてやれ 」


わんっ!!


一刀は後ろに乗せていたケルベロスに命じると


スゥッ!!


ケルベロスは大きく息を吸い込み


ガルガルルゥーッ!!


ワイバーン達に向けて強く叫んだ。


すると


ギャギャアーーッ!?


バササッ!!


ケルベロスの叫びを聞き、ワイバーン達は逃げていった。


一刀「どうにかおさまったようだな 」


スッ!


そして一刀は桃香を地に下ろすと


一刀「やぁやぁ劉備軍の皆さん、知らない人もいるだろうから一応自己紹介して、俺は北郷一刀… 」


一刀は劉備軍の皆に自己紹介するのだが


チャキッ!!


一刀「ひぃっ!? 」


いきなり一刀の目の前に偃月刀が突きつけられてしまった。


その人物こそ


愛紗「貴様は曹操のところにいた変態。何故貴様がここにいるんだ! 」


現在一刀を一番嫌っている愛紗であった。


桃香「あ…愛紗ちゃん、落ち着いて!? 」


愛紗「いえ!何故貴様がここにいる!! 」


桃香が落ち着くよう言うが愛紗は聞く耳を持たず、一刀に偃月刀を突きつけたままであった。


一刀「お…俺は君達が言う怪物に心当たりがあってさ、このままじゃ君達が危ないと思って助けに来たんだよ!? 」


愛紗「心当たりだと 」


朱里「あの怪物は何なのですか? 」


一刀「あいつらはな 」


そして一刀は自分の知る限りのことを教えた。


桃香達劉備軍が言っている怪物はモンスターであり、魔法使いがいなければ倒せないこと


一刀自身が魔法使いであることを


一刀「よかったら君達が益州に着くまで俺が君達を護衛してやるよ。俺はそのために来たんだ 」


一刀がそう言うと


愛紗「誰が貴様のような変態を… 」


断ろうとする愛紗であったが


桃香「そういうことならお願いします 」


桃香が了承してしまった。


愛紗「桃香様!? 」


桃香「愛紗ちゃん、一刀さんは私を助けてくれた命の恩人なんだよ。それに行く先に『もんすたー』がいるなら護衛が必要だよ 」


愛紗「しかし… 」


星「まぁよいではないか愛紗よ 」


鈴々「お姉ちゃんが決めたことは絶対なのだ! 」


朱里「確かにこのまま無計画に進めば全滅の恐れもありますし 」


愛紗「しゅ…朱里まで 」


ここまで言われたのならば愛紗とてわがままを言うわけがなく


愛紗「し…仕方ない!ただし、益州に着くまでだ。それと私や桃香様に破廉恥なことをしてみろ。貴様の首を切り落として曹操に送りつけてやるからな! 」


一刀「わ…わかったよ!? 」


同行するのは益州に着くまで


そういう条件で同行することになった一刀だが


一刀「(益州に着いてからも何だかんだで理由つけて在住してやる。あっち(華琳のとこ)よりこっち(劉備軍)の方が胸の比率が高いからな♪) 」


そんなことを企む一刀であったが


その直後


「わかりましたのですよ 」


全員『えっ!? 』


突然どこからか謎の声が聞こえてきた。


朱里「はわわ!?また『もんすたー』が出てきたのですか!? 」


星「いや、この声、何処かで聞いたような気が… 」


すると


パカッ!!


一刀「んっ? 」


一刀が持つマジックバッグの口が開き


風「ここなのですよ 」


バァッ!!


風以外『うわぁっ!? 』


中から風が現れたのだった。


一刀「風、何でこんなとこに!? 」


風「いやぁ、風はお兄さんが何かを企んでいると察しまして、鞄の中に隠れていたというわけなのですよ 」


一刀が持つマジックバッグは見た目はガマ口財布だが、中は青い猫型ロボットの持つポケットのごとくたくさん入ることができる。


小柄な風ならば簡単に入れるのだ。


一方その頃、陳留では


華琳「はぁ、まさか風まで出ていくだなんてね 」


稟「申し訳ありません 」


風が出ていったことがバレてしまった。


華琳「まぁいいわ。風も仕事をためときなさい。それに風がいれば一刀だってうちを離れないでしょうしね 」


この考えは当たっていた。


一方、劉備軍は


風「というわけでして、お兄さんの監視のために風も益州まで同行させてもらうのですよ 」


桃香「よろしくお願いします 」


一刀「(はぁ〜、このまま劉備軍所属の魔法使いにでもなろうと企んだのに風がいるんじゃできやしないな) 」


このまま劉備軍所属の魔法使いになるという一刀の考えは風により崩壊してしまった。


何はともあれ、一刀と風は益州に着くまでであるが劉備軍に同行することになったのだった。


だが


愛紗「そういえば貴様、どうして我々の位置がわかったのだ? 」


朱里「はわわ!?そういえばそうですよ。私達は『もんすたー』から逃げるため本来の道とは違う道を進んだはずですのに!? 」


確かにおかしいのだが


一刀「そんなの簡単さ!こいつの臭いをたどったのさ! 」


スッ!


そんな一刀が懐から取り出したのは


バァンッ!!


大きなブラジャーであった。


一刀「こいつは反董卓連合の際に関羽さんから抜き取ったものさ、これの臭いをケルベロスに嗅がせて追いかけたわけさ 」


※42話「催眠術と白状」参照


と、一刀が全てを話したところで


ドガバキンッ!!☆ミ


愛紗「貴様が犯人だったのか!!その首、切り落として曹操に送りつけてやる!! 」


桃香「あ…愛紗ちゃん、落ち着いて!? 」


一刀「ぐふぅっ!? 」


一刀は愛紗にボコられ、ブラジャーまで奪い返されるのだった。


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