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逃走季衣と変身ケルベロス

それはとある日の騒動であった。


ダダダッ!!


?「はぁはぁっ…!? 」


警邏隊「いたぞ!! 」


一刀と華琳のいる陳留の街で誰かが警邏隊から逃げていたのだ。


警邏隊「しまった逃げられた! 」


警邏隊「急いで探せ 」


この街で警邏隊に追われるような人物といえば警邏をサボる一刀くらいだが


残念ながら一刀ではない


その人物は…


季衣「な…何でこんなことになっちゃうの!? 」


何と!?季衣であった。


すると


真桜「お前ら、見つけたか? 」


警邏隊「副隊長達、すいません見つけられませんです 」


沙和「このふにゃちん共ーっ!!それでもチ〇チ〇ついてるのかーっ!! 」


警邏隊「ひぃっ!?ついてます!? 」


副隊長である真桜、沙和、そして


凪「いいか、一刻も早く許緒(季衣)を見つけ出すのだ! 」


警邏隊「りょ…了解です! 」


真面目な凪までもが季衣を追っていた。


季衣「まさか凪ちゃん達にまで追いかけられるだなんて、ちくしょう!全てはこいつのせいだ! 」


何かを憎む季衣


ことの始まりは昨日の晩に遡る(さかのぼる)。



昨日の晩


ガツガツッ!!


いつものようにご飯を食べる季衣


一刀「季衣はよく食べるな 」


その隣には一刀がいた。


季衣「ボクは食べるの大好きだもん♪ 」


一刀「確かに食べるのが嫌いな奴なんていないもんな 」


そして二人は店を出て城に戻るのだが


季衣「ふあ〜、ボク眠くなっちゃった。兄ちゃん、お休みなさい 」


一刀「お休み 」


季衣がそのまま部屋に向かった後


一刀「さて、俺も眠るとするか… 」


部屋に向かおうとする一刀だが


ガシッ!!


凪「そうはいきませんよ隊長 」


一刀「な…凪!? 」


背後から現れた凪に捕まると


凪「隊長には本日サボった分の仕事を徹夜で行ってもらいます! 」


一刀「やだーっ!!俺は眠るんだぁーっ!! 」


凪「ダメです!! 」


政務室へ連行される一刀であった。


そして一夜が明け


季衣「朝御飯だぁ〜♪ 」


目覚めた季衣がいつものように食堂へ向かうと


一刀「お…おはよう季衣… 」


そこには窶れた(やつれた)一刀がいた。


季衣「どうしたの兄ちゃん? 」


一刀「いや、昨日の夜は徹夜で仕事しててさっきようやく終わったところなんだよ 」


自業自得である。


ちなみに見張っていた凪は疲れて寝ていた。


一刀「とにかく腹が減ったことだし、ご飯食べようぜ♪ 」


季衣「だね兄ちゃん 」


とりあえず朝御飯を食べることにし


一刀・季衣『いただきます♪ 』


ぱくっ!!


二人が朝御飯を口に入れると


一刀「美味しいな季衣♪ 」


美味しそうに食べる一刀に対し


季衣「・・・ 」


何故か季衣は固まっていた。


一刀「どうしたんだ季衣? 」


季衣「い…いや、別に何にもないよ!? 」


ぱくっ!!


そう言う季衣が二口目を口に入れた瞬間!


季衣「い… 」


一刀「んっ? 」


季衣「いったぁーーいっ!! 」


キイィーーンッ!!


季衣の叫び声が城内に響き渡った。


一刀「おごごっ!? 」


その叫び声は間近で聞いた一刀を失神寸前にまで追い込んだ。


季衣「痛いよ兄ちゃん! 」


一刀「お…落ち着け季衣!? 」


暴れようとする季衣を押さえつけようとする一刀


すると


華琳「一体何の騒ぎよ!! 」


春蘭「朝っぱらからなんだ!敵襲か!! 」


凪「何かありましたか! 」


季衣の叫び声を聞いて皆が何かと食堂へ駆けつけた。


だが、到着した皆が見たのは…


季衣「んーんーっ!! 」


一刀「落ち着け季衣! 」


涙を流している季衣を一刀が押さえつけるという誤解を招く場面だったため


華琳「季衣に何してるのよこのお馬鹿ーーっ!! 」


ドガバキンッ!!☆ミ


一刀「ぎゃあぁーーっ!? 」


理不尽ながらも、日頃の行いが悪いので暴行を受ける一刀であった。


それから少しして


華琳「どうなの桂花? 」


とりあえずボコられ過ぎて気絶した一刀を置いといて華琳が桂花に命じて季衣を調べてみると


桂花「虫歯ね 」


季衣が苦しんでいた原因は虫歯であった。


華琳「成程。季衣、あなた食後に歯を磨かなかったでしょ。それが原因よ 」


季衣「うっ!? 」


図星であった。


春蘭「虫歯になるとは情けない!私なんて生まれてから一度も歯を磨いていないが虫歯になったことなんてないぞ! 」


それは春蘭の歯が頑丈すぎるだけである。


季衣「ど…どうすれば治るの!? 」


恐る恐る季衣が治療法を聞いてみると


桂花「確か真桜の得物を小さくしたやつで削るか、抜くかしかないわね 」


季衣「えぇっ!? 」


真桜の得物


それはドリルである。


もう一つの選択肢である抜くは麻酔を使えばいくらか痛みがマシになるがそのことを知らない季衣は


季衣「い…嫌だぁーっ!! 」


バリイィンッ!!


食堂の窓を突き破って外へ逃げてしまった。


華琳「待ちなさい季衣!皆、季衣を追いかけるのよ!! 」


季衣以外『了解! 』


春蘭「こら北郷!何を気絶しておるのだ!お前も探せ!! 」


ボカンッ!!☆ミ


一刀「いてっ!? 」


かくして陳留にて季衣大捜索が開始されたのだった。


ここで冒頭に戻る。


季衣「くそっ!!虫歯なんか無ければ… 」


ズキンッ!!


季衣「いててっ!? 」


力む度に虫歯の痛さが増していた。


真桜「おったか? 」


沙和「見つからないなの 」


凪「何処へ行ったのだ? 」


季衣を探す陳留軍であったが


季衣「(悪いけど、この辺りの地形についてはボクの方が凪ちゃん達より詳しいもんね) 」


日頃から食べ歩きをしている季衣は町の裏路地等に詳しかった。


季衣「(絶対見つかるもんか!) 」


そう思う季衣であったが


わんっ!!


季衣「えっ!? 」


突然犬の声が聞こえ、そちらを見てみると


一刀「見つけたぞ季衣 」


バァンッ!!


そこにはケルベロスを連れた一刀がいた。


季衣「兄ちゃん!?何でボクの居場所が!? 」


一刀「ケルベロスの嗅覚をなめるなよ 」


わんっ!!


人間より優れた嗅覚を持つ犬よりも優れた嗅覚を持つケルベロスが探知できない臭いは滅多にないのだった。


一刀「さぁ季衣、観念するんだな 」


季衣「くぅっ!? 」


一刀に追い詰められる季衣であったが


季衣「あっ!兄ちゃんの後ろにすごいおっぱいのお姉さんが!! 」


一刀の注意をそらそうと指をさしながら叫ぶ季衣


今時こんな手にかかる奴なんているものかと言いたいが…


一刀「なぁにっ!! 」


ぐいんっ!!


見事一刀は引っ掛かり、後ろを向いてしまった。


その直後


季衣「ごめんね兄ちゃん! 」


一刀「へっ? 」


ドゴォッ!!☆ミ


一刀「がはぁっ!? 」


季衣は一刀から逃げるため得物の岩打武反魔を繰り出したのだった。


季衣「本当にごめんね! 」


一刀をそのままにし、逃げようとする季衣であったが


わわわんっ!?


一刀が倒れ、ケルベロスが一刀に近づくと


わ…ガウッ…


季衣「へっ? 」


一刀が季衣によって倒されたことを知ったケルベロスは


ガルルウゥッ!!


三つ首の子犬チワワから真の姿である三つ首の狼へと変身した!


季衣「な…なにこれ!? 」


ケルベロスの異名である地獄の番犬は伊達ではない


普段は子犬チワワであるが主である一刀の危機には真の姿である狼に変身するのだ。


ガルルウゥッ!!


季衣「うわぁっ!? 」


ずしゃっ!!


ケルベロスに飛びかかられ、押さえられる季衣


ガルルウゥッ!!


季衣「ひいぃっ!? 」


季衣に危機が迫ったその時!


一刀「お…落ち着けケルベロス!? 」


一刀がケルベロスに命じると


シュパンッ!!


わんっ!


ケルベロスがチワワの姿へと戻ってしまった。


それから少しして


華琳「季衣を捕まえたそうね 」


春蘭「北郷、お前もたまには役に立つな 」


一刀「たまには余計だ 」


一刀からの知らせを聞いて皆が集まってきた。


華琳「さて季衣 」


季衣「はい… 」


ケルベロスからは助かったがまた虫歯に苦しめられてしまう


季衣がそう思ったその時


ポロッ!!


季衣「あれっ? 」


季衣の虫歯が取れたのだった。


華琳「どういうことなの? 」


実は季衣の虫歯は乳歯であり、先ほどケルベロスに押さえつけられた衝撃で歯が取れたのだった。


季衣「やった!これで痛い思いをしなくてすむ♪ 」


とんだ騒動であるが


ズキンッ!!


突然ズキンッ!!という音が聞こえ、皆がそちらを見てみると


一刀「うっ!? 」


そこには一刀がいた。


実はさっき岩打武反魔を食らった際、歯が欠けてしまい虫歯となったのだ。


すると


華琳「皆、今度は一刀を捕まえなさい!! 」


一刀「嫌だぁーっ!! 」


今度は逃げる一刀を皆が追いかけるのだった。


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